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帰ってきたウルトラマン(37) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/ビーコンの巻 [新マン座談会・3]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第23弾は、テレビ放送終了の時間帯にも関わらず、消し忘れたテレビ画面には、旅客機墜落の映像が映し出されていた! 第21話『怪獣チャンネル』を取り上げます。

脚本;市川森一
監督;筧 真典
特殊技術;高野宏一

◆午前4時。ねむい目をこすりながら、消し忘れのテレビに気付いて部屋に入ると、とつぜん画面に映る旅客機墜落の瞬間を観てしまう少女。同じ頃、南隊員から電話を受けてテレビをつけた郷隊員は、画面に映る旅客機墜落の映像を目撃、旅客機の爆発と共に映像は消えた。

MATは旅客機遭難の事実を確認、マットアローで現場へ急行すると、空を浮遊する謎の怪獣と遭遇した。それは電離層に棲むといわれる怪獣ビーコンであった。

MATは怪獣ビーコンに対し、東京中の電波を封鎖して囮の電波で海上へおびきだす作戦を立てるが、作戦を知らない少年がアマチュア無線で電波を出してしまい、電波怪獣ビーコンはそれに食いついてしまう・・・。


★★★★★★★★★★★★
聞き手;
「この変身、面白い」

きくち氏;
「ウルトラマンがビル壊した」

聞き手;
「このあたり、やたらビル壊すんですよね。外で撮るバンク(*)っていうのは、いっぺんにいっぱい撮っちゃうんですか?」
(*)アニメや特撮において、特定のシーンの動画や背景を”バンク”(銀行)のように保存し、別の部分で流用するシステム。発進・変身・必殺技など、使いまわすことが決まっている見せ場のシーンをバンクする。

きくち氏;
「特殊な場合を除いて、何パターンかは撮っちゃう」

聞き手;
「これは、この回の専用ですかね?」

きくち氏;
「これはそうですね」

聞き手;
「空が違いますよね。しかし、やたら壊してますよね。怪獣よりウルトラマンの方が、壊してる。歴代のウルトラマンの中で、一番壊してるんじゃないですか?」

きくち氏;
「かもしんないですな」

聞き手;
「この回も傑作だ。特撮がきれいですね。ビル壊すの、楽しかったでしょう」

きくち氏;
「楽しかった。でも、あっという間に30万円だからね」

聞き手;
「間違って壊したこともあったんではないですか?」

きくち氏;
「失敗したことは無かった。だいたい2つのカメラで撮るから」

聞き手;
「絶対使うんだ。アングル変われば、何とかなりますからね」

《ビーコン、ウルトラマンに電撃を食らわす》
聞き手;
「これは、電撃はどうやって?」

きくち氏;
「フラッシュライズっていうのを入れて。マグネシウム焚くんです。倒れたときにシュウーッと。ホント綺麗だね、画」

聞き手;
「不思議な演出。脚本がシュールだなぁ」

《ビーコン、いきなり地面に落っこちる》
きくち氏;
「今の、死んだの?」

聞き手;
「何であそこでやられてしまうのか、よく分らない」

《消えていくウルトラマン、カラータイマーが点滅している》
聞き手;
「この電飾のチカチカって、外からリモコンでできるんですか?」

きくち氏;
「リモコンではできない。コードを外に伸ばして」

聞き手;
「この回、何となくカッコイイですよね」

★★★★★★★★★★★★
電波怪獣ビーコンのデザインは、熊谷健氏が描いたものである。他にもマグネドン、ザニカ、ベムスター、ムルチ、ササヒラーなど中盤以降から怪獣デザインを手掛けておられる。空を浮遊する生きたテレビ局というコンセプトで、テレビとしての抽象性と生物感に苦心したという。信号機のような面構えが、なんか好きである。

浮遊する怪獣といえば、バルンガを思いだす。バルンガと新マンが闘ったら、ブレスレットで倒せるだろうか?スペシウム光線などの光線技は逆効果なので、ウルトラランスで突き刺すとか。それともベムスターを一撃で倒したウルトラスパークなら、破壊できるだろうか?

この回に出てくる北極圏での民間機と防衛隊機の衝突事故の映像は、ウルトラセブン第24話からの流用であることは、知っている人がみれば、すぐそれと分かるシーンだ。予算と時間の制約上、以前のシーンを流用することは、仕方のない部分であると思う。

本放送時は、再放送ならせいぜい1~2回、ましてやビデオ・DVDなどの再生機器が普及するなど、到底考え及ばない時代だったのである。


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