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仮面ライダー(14) ~剛、お前がバイクに乗れなくてホントによかったゾ! [一文字ライダー・その2]

今回、一文字隼人・佐々木剛氏にはちょっと休んでいてもらい、彼の怪我からの復帰を喜ぶ応援メッセージを紹介しよう。元東映生田スタジオ所長の内田有作氏からのものである。内田有作氏は仮面ライダーの監督を務めた内田一作氏の実弟、「飢餓海峡」の内田吐夢監督は、実父である。

その前に、まずここで、たいへん残念なお知らせをしなくてはならない。生田スタジオのボス・内田有作氏が2011年12月に逝去されていた。

享年78。2011年7月に「仮面ライダー40周年記念 ライダー大集合!!」というライダー1号からBLACK RXまでを演じた俳優陣やスタッフを招いての一大イベントが開催されたが、開催期間中は点滴をして車椅子姿で、イベントに出場されていたそうである。

残念ながらその後奇跡は起こらず、その年の12月に逝去された。原作者の石ノ森章太郎や、アクションの高橋一俊・中村文弥らの元へと旅立ったわけである。
では故・内田有作氏の「佐々木剛へ応援メッセージ」をどうぞ。


★★★★★★★★★★★★
まぁ、剛は『仮面ライダー』と言う番組にとって福の神だったと思う。主人公の藤岡君が怪我をしてしまって、番組は窮地に立たされるわけだけれども、そこに剛が2号としてやってくることに僕は大賛成だった。あのときは、佐々木剛という名前を聞いただけでこれだ、と思った。

態度がでかくて生意気だったが、『柔道一直線』の時の堂々とした男っぷりは見事だったからね。初対面の時に良いインパクトがあった、風祭右京をやった男なら、『仮面ライダー』が務まると思ってた。

そうしたら、剛になってから視聴率はどんどん上がるしね、「変身」やったことから、ベルトなんかが凄く売れて、毎週おもちゃ屋が現場に来るようになって、取材が増えだすのも剛になってからだしな。ロケのタイアップもそうでしょ、ライダーのイベントが大盛況になたのも剛になってからだ。

僕は『仮面ライダー』という役が、改造人間としての哀しい宿命を背負ったヒーローだなんてことをすっかり忘れて、ただ、剛なら絶対に大丈夫だという自信だけで、剛を一文字の役に推したんだよ。かつら頭なんか、帽子被らせればいいしさ。

子供番組はお子様ランチみたいな物だから、哀愁がこうこうよりは、強ければいいと。そして強い正義には愛があると、そんあ強い男のイメージには剛がピッタリだったね。そしたら、『仮面ライダー』の方向が良い方へ良い方へと向いていったもんなぁ。僕は剛がみんなに福をもたらしたと思ってるよ。

剛が来るって決まって、剣友会の奴らも喜んだしな。ライダーの生田のスタジオには柔道一直線のスタッフがたくさん残っているから、剛もやり易かったろうし、制作側もそうだった。生意気だが愛嬌のある男だったからね、撮影の雰囲気をよくするやつでしたよ。

剛が来てから番組の雰囲気がガラッと明るくなったでしょ。それでライダーで生田に来たんだけど、あいつは最初、バイクに乗れなくてね、免許も持ってないんだから。

僕自身、あの生田のスタジオってのは、オンボロだったけど僕のすべてを賭けた大バクチだったのよ。それが、ライダーが始まってすぐ藤岡君が大怪我しちゃって、気の毒だったけど、こちらはいきなり主役が居なくなっちゃって、困り果てて。

そこに剛が来てくれたからだ丈夫だと思ってたら、今度はバイクに乗るヒーローの番組なのに、主役がバイクに乗れないんだからね。一難去ってまた一難でしょ。ホントに呆れましてね。ライダーってのは風を切って走って、その風圧でベルトの風車が回ることによって変身するわけでしょう。それがバイクに乗れないんだから。

イヤぁ困ったって、確かあの時は折田監督と平山プロと頭を抱えちゃったんですよ。でも剛がバイクに乗れなかったからこそ、あの「お見せしよう」の変身ポーズができたのだからねぇ。

あれはバイクに乗れないなら、『柔道一直線』の時みたいに変身の時に見栄を切れと、なにか風祭がやってた様なポーズやらせろって。それで高橋一俊と岡田勝が考えたのがあのポーズですよ。あの時、剛がバイクに乗れてたらああいう風にはならなかったでしょ。

で、当時バンダイがベルト作ったら、いきなり大ヒットになったんですよ。ライダーにはゲストにも何度も出てくれて、他の番組でも頑張ってたみたいだけど、いきなり火事起こして大やけどしたって聞いてね。心配してたんだけど、まぁ復帰できて良かった良かった。

今、最近の剛の写真を見たが、実にいいワルの顔をしていると思う。お前が悪役に興味があるならば、大悪党の役をやればいいだろう。『仮面ライダー』の時だってそうだったように、悪役はスゴイ悪役じゃなきゃダメなんだ。死神博士、地獄大使・・・強い悪役は番組を主役を、見事に輝かせるだろう。

かつての『仮面ライダー』が、今度は大いなるワルに変身して活躍しなさい。おまえに勧めたい本があるよ、梁石日(ヤンソギル)の『月はどっちに出ている』だ。こういう今風の、昔のやくざ映画の悪じゃなく、現代の黒社会の悪を研究して、今に通用する悪役になりなさい。

宮崎学の『突破者』もいいぞ。お前は、今までいきなり飛び込んでくる中央突破で良い役をやってきたんだから、予定調和じゃ駄目だよ。現状維持のタイプじゃないんだから、また思い切ってやれ。生田でドロ飯を食った人間の根性を見せろ。

今、当時ライダーを子供の時に見た人達が大人になって、まだファンでいてくれてこういう風に盛り上げてくれるんだから、ファンの人達に感謝して頑張りなさい。ところで剛、今度は僕たちの、今の酒を飲もうじゃないか。いつでも誘ってくれ、待ってるぞ。  (おわり)

改めまして、ご冥福をお祈りいたします 合掌



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