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ウルトラセブン(6)改 ~午前零時の時報と共に、アンドロイドゼロ指令が発令されます。あとしばらくお待ちください・・・。 [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第9話『アンドロイド0指令』を取り上げます。
監修;円谷英二 
脚本;上原正三 
監督;満田かずほ  
特殊技術;的場 徹

【金色のドレスを着た金髪の美女が、モロボシ・ダンを狙う目的はいったい何か?】


◆ある風の強い夜のこと。シークレットハイウェイを使ってパトロールにでるポインター号には、フルハシとソガが乗っていた。ポインターの前をいきなり若い女が飛び出してきた。女の容姿は、金色の髪に金色のドレスを着た美少女だった。

少女;『あのう、モロボシ・ダン隊員では?』
古橋;『そう、モロボシ・ダン』
少女;『お会いしたかったんです!』

美少女は握手を要求し、フルハシは求めに応じて手袋をはずし、握手をした。その瞬間すさまじい電流がフルハシに流れ、全身が麻痺して動けなくなった。ソガはその女を追おうとしたが、逃げ足が速い。フルハシの手当てのため、本部へ帰って事件を報告した。

本部で手当てを受けながら、キリヤマ隊長に事情を聞かれるフルハシ隊員とソガ隊員。相手はどうしてモロボシ・ダンを狙ったのか?それにフルハシが握手をしたときに握らされたブローチの中に描かれた文字の意味は何か?ちょうどその時、アマギ隊員がブローチの文字を解読した。

『アンドロイドゼロシレイ』と解読されたその文字。謎の美少女の正体と「アンドロイドゼロシレイ」の内容を探るよう、キリヤマ隊長はソガとダンに命令を出した。ある団地に着いたポインター号。青空の下、おもちゃで元気に遊んでいる子供たち。子供たちが持っている機関銃を見たダンはつぶやく。
『どれもみな本物だ。おもちゃには見えない』

これらのおもちゃは、全部「おもちゃじいさん」から買ったものだという。それに子供達の服の襟についているワッペンは、フルハシが握らされたブローチに描いてあったものと同じだ。ワッペンは、おもちゃを買うと付けてくれるという。

ソガとダンの数メートル前で、屋台を使っておもちゃ屋をやっている老人がいた。おもちゃじいさんと呼ばれるその老人は、ソガとダンが近づいてくるのを見て、店じまいをするのだった。あとを追うソガとダン。貨物操車場のあばら家に居を構えているこの老人は、愛想よく主婦にあいさつすると、あばら家の中へ消えていった。

1年程前から住み着いているという聞き込みを得たが、いぜん謎の多い老人。ビデオシーバーに入ったアマギ隊員からの報告では、例のブローチは宇宙金属で出来ているということだった。子供達、おもちゃ、ワッペン、宇宙金属、ゼロシレイ。

敵がやろうとしていることに、全く見当が付かないキリヤマ隊長たち。先程の現場で拾ったワッペンも宇宙金属製で、しかも特殊な電波を受信する受信器になっていることが、アマギの分析で判明する。
一方、ウルトラ警備隊に嗅ぎ付けられたことを知り、謎の老人は「アンドロイド0指令」を発令する決意をする。

準備はすべてできている。あとはモロボシ・ダンの動きを封じればよい。謎の老人は隠していたマネキン人形を出してくると、それをアンドロイド・ゼロワンに変身させた。美少女ゼロワンに再びモロボシ・ダンを狙わせて、今度こそ抹殺を指示する謎の老人。

M地点のデパートへ誘い出すため、故意に姿をさらしてデパートへ逃げる美少女ゼロワン。ソガとダンはその動きに誘われて、まんまとM地点(デパート)へと誘い込まれてしまう。暗い場内にアナウンスが響き渡る。

『お客様にお知らせします。午前0時の時報と共に、アンドロイド0指令が発令されます。あとしばらくお待ちください』

「アンドロイドゼロシレイ」とは何だ!すると、おもちゃじいさんと謎の美少女がスポットライトを浴びて姿を現す。アンドロイド0指令とは、おもちゃに見せかけた本物の武器を子供たちに持たせ、催眠周波を与えて自由に操ることであった。子供に武器を向けない大人たちは手の施しようもなく、世界征服は簡単にできてしまうという作戦だ。

おもちゃ売り場に誘い込まれて、「本物のおもちゃ」に攻撃を受けるソガとダン。空からは戦闘機によるミサイル攻撃、地上からは戦車隊の砲撃が二人に迫る。倉庫へ隠れて、ダンとソガは、アンドロイド0指令の内容を本部へ伝える。

だが、謎の老人と美少女ゼロワンがすぐそこまで迫り、二人の命は風前の灯火だ。ソガが老人たちに殴りかかろうとした瞬間に、ダンはソガを失神させると、すばやくウルトラアイを着眼した。形勢逆転して、屋上へ逃げる老人と美少女。

『あのときにモロボシ・ダンを殺しておけば・・・』

美少女ゼロワンの失敗をなじる老人は、チブル星人に変身してウルトラセブンに迫る。美少女ゼロワンにエメリューム光線を浴びせて破壊すると、チブル星人もセブンの敵では無かった。エメリューム光線を受けたチブル星人は、みるみる溶けていった。
『プッ、プッ、プッ、ポーン・・・』

午前0時の時報が鳴っても、街は何もなかったかのように平和に眠っていた。   (終わり)


★★★★★★★★★★★★
この脚本は好きな一本である。まず、「アンドロイド0指令」という題名が面白い。字面からでは内容が推理できない面白さと、おもちゃを使った侵略という奇想天外さ。催眠術をかけた子供達を戦闘員に仕立てて、「本物のおもちゃ」を使って地球侵略を考えるというあたりの奇抜さがいい。

しかも子供たちにやらせて、自らは手を下さないところは抜け目がない。だが今までの侵略者に比べて、下調べがしていないところは間が抜けている。モロボシ・ダンの正体が判っていながら、顔を知らないというゼロワン少女。

ピット星人もゴドラ星人も、ダンがどこにウルトラアイを持っているかまで知っていた様子がある。スケベ心の無い(笑)モロボシ・ダンなら握手をしない可能性が高いことから、ダン抹殺作戦のミスが失敗の主原因であることは間違いないと思う。


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