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レインボーマン(8) ~水・金と土の化身のイメージは、なかなか膨らまなくて難しかった(キャラクターデザイン・テレビアニメ版監督/岡迫亘弘[おかせこ のぶひろ]氏)その1 [レインボーマンこぼれ話1]

筆者は残念ながら、アニメ版レインボーマンを見たことがない。資料を読んでみると、基本設定はほぼ同じだが、いくつかの点が実写版とアニメ版とでは大きく違っている。もっとも違う点は、実写版の首領はミスターKであるのに対し、アニメ版ではミスターKは大幹部に過ぎず、首領はドンゴロスという宇宙人であること。また巨大ロボットを操って闘い合う点も、大きく違う点である。

マジンガーZに始まる巨大ロボットアニメブームに、アニメ版レインボーマンも乗らざるを得なかったのかもしれない。アニメ版は全22話と実写版の放送期間の半分弱、5か月間の放送だったようである。脚本は実写版と同じ伊東恒久氏、キャラクターデザインも実写版と同じ岡迫亘弘氏を起用したことを思えば、作品に対する力の入れようが分かる。

だが、放送時間帯が日曜午後であったことが視聴率的に伸び悩んだ原因と思われ、作り手側の意欲とは裏腹に、22話での打ち切りとなってしまったようである。CS放送で放映する機会があれば、一度見てみたいと思う作品である。

では、岡迫亘弘氏のインタビューをどうぞ。


★★★★★★★★★★★★
聞き手;
「最初の実写版でも、岡迫さんがキャラクターデザインを手掛けられたそうですね」

岡迫氏;
「ええ、やってます。1972年の『正義を愛する者 月光仮面』のキャラクターデザインと作画監督を担当したからだと思うけど、こういう作品(レインボーマンのこと)があるんだけどキャラクター創ってくれないかって、(川内康範先生に)ホテルニュージャパンに呼ばれて。

それで、初めて実写モノのキャラクターをデザインした。僕はアニメが専門だからね。でも、特に実写という部分にこだわらず、自分の感性で描いていいからということだったんで引き受けて。で、実際アニメっぽく描いっちゃった。『実写にした時、どうなるか?』っていうことを、あんまり考えてなかったのね。

最初は日光、太陽の化身から始めて。これはインドというキーワードがあったから、ターバンを巻いて。基本的には先生のイメージと、キャラクターのキーワードなんかを聞いて、僕が描き起こして、それを先生に見てもらって、直して・・・その繰り返しで。川内先生の意見を取り入れながら創っていったという感じで。

だからずっと二人で、ニュージャパン(ホテル)に缶詰めのような状態でやっていたね。キャラクターに付いている宗教的な小道具……勾玉(まがたま)の首飾りとかベルトの形とか、そういうのは先生の宗教的なところで付けた。意味があるみたいで…どういう意味だったかは忘れちゃったけど。その次に、月の化身を描いて」

聞き手;
「元素をモチーフにしたヒーローというのもそれまでに無かったものですし、統一性も持たせなければならないわけですから、キャラクター創りは大変だったでしょう?」

岡迫氏;
「そうそう、水とか無形でしょう。しかも、それを人間のキャラクターとして・・・となると、どう描いたらいいのか分からなくて、苦心した。先生も最初は、漠然としたイメージしか言ってくれなかったから。月と火、それと木の化身は、割とすぐに出てきたかな。連想しやすいからね。

でも、水と金、土の三つはなかなかイメージが膨らまなくて、難しかったね。そのうちに金は、黄金のコンドルというイメージが湧いてきてね。何がきっかけで、そういう連想の仕方になったのかは覚えてないんだけど。で、それをモチーフに取り入れた。だからマスクの飾りとかは、鳥の翼をイメージしてて。ただ、土がね…。どうコーディネートしたらいいのか困っちゃって(苦笑)。

結局のところは、サイケ調でやってみて。これは当時流行ってたというのもあって、そういうのは結構好きだったし。それで『月光仮面』の時に初めてイメージ的なところで取り入れてみて、空を紫色に、人間の肌を緑色に変えたりとか。当時は画期的な手法だったし、自分でも結構気に入ってて。

最初は川内先生にダメって言われるかなって思ってたんだけど、先生も『面白いじゃないか』って言ってくれてたから。先生はスゴイ進歩的なんだよね、そういうところは。あとは、共通してみんなスタイリッシュにしようと思ってた。とにかくスタイルをよくしよう、とね」

聞き手;
「キャラクターが完成した後は、作品にはどう関わられていましたか?」

岡迫氏;
「キャラクターを創って終わりです、デザインだけだからね。現場とかには行ってないね、オンエアは観てたけど。やっぱり、自分のデザインがどういう風に立体化されるのかっていうのは、興味があったからね。後ろはこうなってたのか、と(苦笑)。ボク、背面をデザインして無かったんですよ。だから実際に映像を観てみて、『ああ、こういう風になるんだ』と思って(笑)」   (つづく)



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