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仮面ライダー(5) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その2 [一文字ライダー・その1]

(前回のつづき)
《サボテグロンの映像をみながら》
聞き手;
「この頃佐々木さんは、おいくつなんですか?」

佐々木氏;
「24、5かな?」

聞き手;
「初期の頃、一文字隼人って、ライダーガールズが怪人や戦闘員と戦っていても、近くにいるのに黙ってみてるでしょう。女の子の鼻っ柱を折って、懲らしめようとでもしてるんでしょうか?」

佐々木氏;
「すぐ助けないんだから、薄情っていえば薄情だよね(笑)。戦闘員が刀持ってるのにね」

聞き手;
「怪我してからじゃ、遅いのに」

佐々木氏;
「助けるって、変身することでしょ?変身するのは好きだったよ、早く帰れるから(笑)。あとは大野剣友会にお任せだった。その点治郎チャンは、ライダーの変身後も仕事をやらなくちゃいけなくて、大変だったね」

千葉氏;
「僕はそんなわけで、画面的には一番出演してる。だから、僕が仮面ライダーだって思っている人も多かったですよ」

佐々木氏;
「当時俺の同級生なんか、もう『仮面ライダー』なんか観てる年じゃないから、『お前、仮面ライダーに出てたの?もしかして、中に入ってたの?』とか聞くヤツもいて、このおって、思ったモン」

聞き手;
「千葉さんは、当時何歳なんですか?」

千葉氏;
「23歳。ちょうど『仮面ライダー』やってたとき、『2日だけ休みくれ』って事務所に無理言って、結婚式やったんですよ。毎日滝和也やってて楽しかったんだけど、新婚なんで休みが無いのは、ちょっと辛い時もあったかな。どこにも遊びに行けなかったですから(笑)」

聞き手;
「本当に奥さんとは、ライダーやる前から付き合ってたんですか?」

千葉氏;
「ぼくが19歳、奥さん17歳のとき」

佐々木氏;
「おれが一緒になったのは、20歳。籍入れたのは、22歳。デビューが23歳だから、『柔道一直線』の時は、役が高校生だから結婚してたらおかしい。高校生に奥さんがいたらマズイから、事務所にも言って無かった。それで長男は25歳の時に生まれた。

でも『仮面ライダー』の頃は、女房いるってちゃんと言ってたんだよ。誰も信じなくて、週刊誌に書かれるまで独身だと思われてた。だからウソ言って女性と付き合ったことは、無かった」

聞き手;
「ショック、一文字隼人不倫疑惑!?なんてね(笑)」

佐々木氏;
「それで本当にいたんだってことになると、さあっと潮が引くみたいに、みんないなくなっちゃって、突然モテなくなっちゃうの!」

聞き手;
「『仮面ライダー』をやりながら、他の作品にも出演していらしたんですか?」

千葉氏;
「いや、僕はもう完全にこれだけ。だから毎日、生田スタジオに通ってました」

聞き手;
「『仮面ライダー』では、滝和也に奥さんがいることになってますが、その辺のこと覚えてます?」

千葉氏;
「覚えてないなぁ」

聞き手;
「千葉さんが本郷猛編の11話で入ってきた時に、奥さんが怪人(ゲバコンドル)に襲われるという話で始まったんですけど・・・」

千葉氏;
「そうなんですか?」

聞き手;
「サイドカー付のオートバイで新婚旅行に行くところが、始まりです」

千葉氏;
「そうか、そうか!」

聞き手;
「桂ユミさんという役者さんで、すぐにいなくなっちゃう。一文字隼人編になると、奥さんがいるのがバレて女の子に相手にされなくなるんですけど、そのあと奥さんの話題に全く触れなくなるんです」

佐々木氏;
「きっと結婚したけど、滝と奥さんの性格が合わなくて離婚したんでしょ(笑)」

聞き手;
「千葉さんは、佐々木さんとの共演が始まると、ライダーガールズとの絡みが多くて、新1号になると、少年仮面ライダー隊の兄貴分になって、子供達と絡むことが多くなりますね。その辺はどんな気持ちでやってらっしゃいましたか?」

千葉氏;
「覚えてないなぁ」

聞き手;
「いつも、少年仮面ライダー隊に囲まれていたのにですか?」

佐々木氏;
「別れる時に、『隊長、また帰ってきてください』って言われてたのに、治郎チャンほんと薄情なんだから(笑)」

聞き手;
「子供も初めは三浦君だけだったんですけど、新1号偏で藤岡さんに新にバトンタッチして、少年仮面ライダー隊が組織されると、滝和也はなおさら、FBI秘密捜査官みたいじゃ無くなっていくんですよね」

千葉氏;
「そういえば、そうですね。自分の任務はどうしちゃったんだろう(笑)」

聞き手;
「ところで、一文字隼人の衣装は、佐々木さんが決められていたんですか?」

佐々木氏;
「最初の服は、石ノ森先生のデザインだった。漫画の中の一文字隼人は足が長いからいいけど、俺みたいな短足にはあのツナギは似合わないよね(笑)」

聞き手;
「その後の衣装は、どうでした?」

佐々木氏;
「衣装部で、ああでもない、こうでもないって言いだしてさ。実をいうと、衣装のほとんどは自前なんだよね」

聞き手;
「千葉さんは、赤いシャツに黒パンツっていうのが、多かったですよね」

千葉氏;
「そうでしたか?」

聞き手;
「千葉さんも、衣装は自前だったですか?」

千葉氏;
「たぶん自前だったと思います」

聞き手;
「九州の撮影では、いよいよ藤岡さんが戻ってきますよね。この時の衣装も、自前だったんですか?」

佐々木氏;
「一回、剣友会にいた池田っていうのが衣装係になった時に、衣装のことについて文句つけたら、『予算が無い』っていうだけなんだよ。それであまりにクサしてたら、しばらくして衣装を持ってきたんです。その衣装をみたら、『池田』って名前が書いてある。『何、これ?』って聞いたら、『自分のを持ってきました』っていうんだよ。それからは二度と、衣装のことは言わなかった。最終回の治郎チャン、良いコート着てたよね。あれも確か自前だよね」

千葉氏;
「そう、そう」

佐々木氏;
「だから良い衣装を着てる時は、ほとんど自前。あの時は、俺は紺のダブル。藤岡君はダスターコートみたいのを着てた」

聞き手;
「確か仮面ライダーの100話を撮影した時に、記念パーティをやったみたいですね。通算100話はV3ですから、千葉さんは参加なさらなかったんですよね」

千葉氏;
「はい、そうです」

佐々木氏;
「パーティに行ったとき、おれは12チャンネルで『ただいまヒット中』の司会をやってた。そのとき、しこたま飲んでからスタジオに行ったら、『酒臭い!』って南沙織に言われたんで、よく覚えてる(笑)」

聞き手;
「藤岡さんと、佐々木さん千葉さんの三人で飲みに行ったりしたことは無かったんですか?」

佐々木氏;
「当時は、藤岡君と飲みに行ったことは無かったな」

千葉氏;
「ボクもないですね」

聞き手;
「千葉さんは、佐々木さん藤岡さんの両方とコンビを組んでどうでした?どちらが共演しやすかったとかありますか?」

千葉氏;
「そういう考え方はしなかったですね。藤岡さんだからどうとか、佐々木さんだからこうのって無かった。スタントマンの大橋君とか、メーキャップの小山君とか、同年代のワルイのがいっぱい揃ってて、みんなが同格なんですよ。それでおやっさんの小林昭二さんがいて、なんか家族で遊んでいるような感じでした。誰が偉いとかは無くて、緊張感も無かった」

佐々木氏;
「おやっさんがいてくれたから、仕事場に入ると変に緊張するっていうのが無かったよね。他の現場、たとえば映画とかに行くと、もう先輩ばっかりじゃない!そういう時は緊張するし、芝居もできないクセに、いっぱしに背伸びして余計見せなきゃって思って、ブルっちゃったりするんだけど・・・、ライダーに関しては大野剣友会も『柔道一直線』から一緒だし、なんかサークルみたいな雰囲気だった」 

(つづく)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここでもやはり、「おやっさん」小林昭二氏の存在の大きさがよくわかる発言があった。芸歴の先輩として、また年長者として公私に渡り偉ぶることなく芝居の世界へ入ってきた若者たちを導いてくれる、尊敬すべき人柄の俳優さんであったことがうかがい知れる。



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