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仮面ライダー(4) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その1 [一文字ライダー・その1]

佐々木剛氏演じる『仮面ライダー2号』の相棒といえば、千葉治郎氏演じる『滝和也』である。FBIの秘密捜査官という設定だ。FBIは連邦捜査局というアメリカ合衆国司法省の警察機関のことで、主にアメリカ国内での捜査を行う。そこから日本に派遣された捜査官という設定である。

一言で言えば警察官のこと。だが滝は秘密捜査官だから、『諜報活動』を目的としているはず。本来ならCIA(アメリカ中央情報局)所属というべきなのだが、当時スパイ映画の流行で『FBI』が国民に馴染んでいたので、FBIの秘密捜査官というふうにしたという。

千葉治郎氏はアクションスター千葉真一氏の実弟である。1970年に兄の主宰するジャパンアクションクラブ(JAC)に入り、その後『仮面ライダー』『ロボット刑事』など数多くの特撮テレビドラマに出演されて、1982年に俳優を引退している。

今回は一文字・滝両氏に、『仮面ライダー』の映像を見ながら当時のエピソードを語っていただく形の座談会を、お送りします。


千葉氏;
「懐かしいなぁ!」

佐々木氏;
「いやぁ、ホント(笑)」
《ふたりでガッチリ握手をする》

佐々木氏;
「『仮面ライダー』のレギュラーが終わって治郎チャンに会うのは、ニセライダーの回以来になるから、確か26年ぶり(当時)でしょう。今世紀のうちに再会できてよかった!」

聞き手;
「藤岡さんがオートバイで怪我をしたときに、千葉さんに助けてくれないかというお話があったと思うんですけれど?」

千葉氏;
「そうですね」

聞き手;
「そのときは『仮面ライダー』を佐々木さんでいくか、藤岡さんで続投するかは、もう決まっていたんですか?」

千葉氏;
「その時は、まだちゃんと決まっていなかったと思う。突然のことだったんで、これからどうしようということだった」

聞き手;
「平山(亨)さんにお会いした時に訊いたんですけど、藤岡さんが怪我した時、仮面ライダー1号はマスクだけでいくとして、サポートするサブとしてのアクションは小林昭二さんじゃ難しいだろうということで、若くて華のある千葉さんにお願いしようということになったらしいんですけど」

佐々木氏;
「確かに治郎チャンは身体がキレるから、カッコイイよね。だって俺にしても藤岡君にしても、アクションなんかこの時が初めてだから、格好が悪いの。『柔道一直線』をやっているといっても、そこでは柔道に限られたアクションだから。滝の方が仮面ライダーより、断然運動神経がいいんだから、まいっちゃうよね(笑)」

千葉氏;
「そんなこと無い、剛チャンもカッコよかったよ!」

聞き手;
「千葉さんにとって、滝和也という役は、役者人生の中でどういうものでしたか?」

千葉氏;
「当時は、役を掘り下げるなんて考えは全くなかったですね。滝和也は、自分そのままだったですから。役を演じるという感じじゃ無くて、千葉治郎がありのままの地でやってただけです。でもあの役があったからこそ、『ロボット刑事K』や『アクマイザー3』につながっていったわけですし、僕の役者人生の中で、一つのポイントではあると思います」

聞き手;
「月に2日くらいしか休みが無かったと聞いていますが、撮影は苦じゃなかったですか?」

千葉氏;
「滝和也の日々は、実に充実していました。とにかく撮影現場のみんなが同年代で、部活動に行ってるみたいな感じでした。休みたいのは、遊びたいってことくらいで、『仕事が辛い』という訳では無かったですから、毎日が楽しかった」

聞き手;
「佐々木さんだと、『ライダーは、俺の心の故郷』という言葉(フレーズ)があるんですが、千葉さんにとって、滝和也として何か無いですか?」

千葉氏;
「若かったでしょ。だから役者っていう意識が無かったのかもしれない。こんな感じで表現しようとか演技しようなんて、考えもしなかった。逆に言えば、役に一生懸命でヘタに演技しようとしていない分だけ、自分自身が素直に出ていると思いますね」

聞き手;
「でも、休みが無いといっても、年末年始くらいは休みですよね?」

千葉氏;
「もちろん、スタジオが休みになるから撮影も休み」

聞き手;
「若さと体力だけで、ぶつかったという感じですか?」

佐々木氏;
「滝和也って、演じるというよりそのままの自分で良かったんだよ。だから千葉治郎イコール滝和也という、イメージのまんま演じればよかった」

聞き手;
「我々ファンとしては、仮面ライダーの最高のアシストを見ることが出来て、幸せだったし感動しました。それって、千葉さんの功績ですものね。ちなみに、ライダー以前のお仕事って、どんなものがありますか?」

千葉氏;
「デビュー作が、生島治郎さん原作の『ブラック・チェンバー』っていう、いわゆるスパイものみたいな作品で、1969年東映作品です。僕の芸名も、この生島さんからいただきました。そのあと東宝で宝田明さん主演の『平四朗危機一髪』に出まして、とにかくライダー出た時は、まだデビューして間もない頃でした」

聞き手;
「じゃあ、何本かの作品を経て、すぐ『仮面ライダー』に行きついたのですね」

佐々木氏;
「芸歴は、俺より治郎チャンの方が古いんだよ。治郎チャンが20歳の時にデビューだとすると、俺はまだ22歳で養成所行ってたもん」

聞き手;
「千葉さんは『仮面ライダー』の話が来た時、何か特別な思いがありましたか?」

千葉氏;
「特別な感慨とか記憶に無いですね。デビューして、とんとん拍子でレギュラーもらって、その流れの中で滝和也っていう役がついたっていう感じでしたね」 

(つづく)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
千葉治郎氏の受け答えは、とても爽やかな感じのするもので、読んでいてすがすがしい気分になる。滝和也は脇役だから、子供の筆者にはそれほど記憶には残ってないのだが、アクションはいつも、大きく足を振り上げてキックしていたし、たくさんの戦闘員に囲まれると、『雑魚(ざこ)はまかせろ!』と言って、一文字隼人に怪人を追わせるように仕向けていたという感じが強くある。まぁ、生身の人間にショッカー怪人は倒せないから仕方がないが、もし平成ライダーのようにベルトを着用して変身できるのなら、完全に主役を張れる人物であることは間違いない。



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