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ご他界された方々を偲んで【第五回】 [偲んで]

【ご他界された特撮関係の方々を偲んで】と題して、仮面ライダー1号、2号、そしてV3にご出演されたレギュラー・準レギュラーの俳優さん、ショッカー・ゲルショッカー・デストロン怪人の声を演じた声優さんなどを中心に、ご紹介させていただきます。

【第五回】 
郷 鍈治(ごう えいじ)氏    
1992年9月11日没(享年55)

大阪府出身の郷 鍈治(ごう・えいじ)氏は本名を瀬川鍈治(せがわ・えいじ)と言いますが、旧姓は宍戸(ししど)です。ピンと来た方もいると思いますが、兄は俳優の宍戸錠、甥は宍戸開です。兄・錠の紹介で歌手のちあきなおみと結婚し、瀬川家(ちあきの実家)へ婿入りしました。そのため、瀬川を名乗っているのです。1960年の映画『狂熱の季節』(日活)で俳優デビューした郷氏は、兄の錠とは『早射ち野郎』など複数の作品で共演しています。その強面の容貌からヤクザ・凶悪犯・殺し屋などの悪役を演じる機会が多かった郷氏ですが、1973年の『仮面ライダーV3』では敵の大幹部・キバ男爵に扮しました。

『仮面ライダーV3』は視聴率にかげりが見えてきたことでテコ入れを図るべく、怪奇性の強化としてデストロンと結託した怪人部族の長であるキバ男爵とツバサ大僧正を登場させることになります。これに伴い、ハサミジャガーやカメバズーカといった機械合成怪人は単一の生物怪人に戻していますが、部族ごとに特徴を大きく取り上げると共に呪術的な意味合い(キバ一族とドーブー教、ツバサ軍団とまんじ教)を加えるなどの試みがなされました。

【キバ男爵】はドクトルGの死後来日した日本支部2代目大幹部で、第31話から第35話に登場しました。
・獣の皮から作られた衣を着て、頭にはマンモスの頭骨をかたどった兜を被り、マンモス
 の牙でつくられたダイヤモンドよりも硬い槍を武器として戦う
・アフリカのコンゴ川上流域に数百年栄えるという悪霊崇拝の邪教「ドーブー教」の
 大魔術師にして「キバ一族」の長
・1日1回は血を見ないと気が済まない残忍な性格の持ち主だが、部下の怪人の死を悲しん
 だりその葬式を立てたりするなど、非常に部下思いで慈悲深い性格も持つ
・戦いの前には怪しげなドーブーの儀式を行なう

その正体は【怪人吸血マンモス】
ライダーV3に一族の怪人を次々と倒されたため、各界要人を誘拐・洗脳してコントロールする日本頭脳改造作戦を成功させるべく、キバ男爵が変身した姿。最後はV3回転三段キックが炸裂、キバ男爵の姿に戻り、「キバ一族、ついに滅ぶ!」とキバ一族の滅亡を呟きながら爆死した

※プロデューサーの平山亨の著作などによると、劇中では語られないプロフィール設定がされています。
・元はロシア帝国の男爵で、当時はシベリアに住んでいた
・同じ帝政ロシアの貴族出身の陸軍将校で、後にゲルショッカー大幹部となったブラック
 将軍とも当時から面識があった
・のちのブラック将軍がゲルダム団に入った際に別行動をとり、ケニアで邪悪な呪術を
 研究。後に「ドーブー教」という暗黒宗教の魔術師となってデストロンに招かれた

郷 鍈治氏は1980年代前半に俳優業をひっそりと引退し、妻・ちあきなおみの個人事務所を設立して、社長兼マネージャー・プロデューサーになりました。夫婦の生活の基盤として東京都渋谷区広尾に純喫茶を開店すると、お店は郷氏自身が淹れるコーヒーを求めて業界人の溜まり場になっていたそうです。

肺癌で死去した郷氏は、まだ55歳という若さでした。その早過ぎた死は、郷氏を深く愛していた妻のちあきなおみの歌手業を含めた芸能活動完全休止の契機になったといいます。

改めまして、故人様のご冥福をお祈りいたします(合掌)




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