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ジャンボーグA(17) [ジャンボーグA・ドラマ2]

第43話『殺し屋ロボット・必殺の罠』を取り上げます。
 脚本;安藤豊弘  
 特殊技術;矢島信男
 音楽;菊池俊輔
 監督;黒田義之
 怪獣デザイン;米谷佳晃


◆敬愛する祖母のババラスをも倒されてしまったサタンゴーネは、次なる刺客にジャンボーグAの力を上回る殺し屋ロボットを送りこむことにした。しかも、ジャンボーグAと9の力をフルに発揮できぬよう、平行してもう一つの作戦を進行させるのだった。

日曜の昼下がり。ある団地内で、ピエロが子供たちにチラシを配っていた。「ちびっ子映画バスで、映画を観よう」と書かれたチラシである。たくさんの子供たちが、映画バスの周囲に集まって来ていた。

草野球帰りの和也と友達3人は、映画バスが停車しているから一緒に観ないかと、別の友人に誘われるのであった。興味が湧いた和也たちは、早速そのバスへと向かった。

『お金、いるんだろ?』
『お金?いらな~い・・・さぁ乗った、乗った!』
ピエロは笑顔でそう話すと、集まった子供たち共々、和也たちもバスに乗りこんだ。

バスの窓ガラス部分には暗幕が引かれ、外から中の様子は全く分からない。映画を観せるバスだから、だれもが当たり前に思っているのだ。

子供たちが全員乗車したところで、ピエロはバスの周囲をキョロキョロと見渡した。そして急いで乗り込むと、ドアに施錠をしてしまうのだった。

『さてちびっ子諸君。これから君達を、夢の世界へ案内しよう!』
ピエロはそう言ってあいさつすると、映写機のスイッチを入れた。炎の映像が映し出され、スクリーン前に立つピエロはグロース星人に変わってしまう。

『グロース星人だ!皆逃げろ!』
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和也が大声で逃げるように促すが、ドアは施錠されて開けることが出来ない。グロース星人は持っていたガンから催眠ガスを発射し、子供たちを眠らせていく。だが和也は、とっさに鼻と口をハンカチで覆い、多くのガスを吸わずに済んだ。

だが、催眠ガスはバス内の子供たち全員を眠らせ、静かになったバスは団地を後にするのだった。
『子供たちを人質にしておけば、ジャンボーグの力を封じることができる!ハハハハ』
サタンゴーネは、バスの運転手へ次の指示を促した。

サタンゴーネの命令通りに、バスは指定された場所へ向かって行く。だが、予期せぬ出来事が起こってしまう。信号の無い交差点を直進していたバスは、左側から来たオートバイと接触しそうになり、避けようとして路肩へ乗り上げてしまう。

その衝撃で、ガスをあまり吸わなかった和也だけが、意識を回復するのだった。しかも、バスはトラブルに見舞われ、エンジンがかからない。仕方なく運転手はバスから降りて、車体の下へ潜り込んで点検を始めたのだった。

和也はドアが開いているこの隙に、回復して無い身体を何とか動かして、PATへ知らせるために脱出を試みた。しかし、バスを降りたところで運転手と鉢合わせし、急いで逃げる和也。

『待て、このガキ!』
追いかけてくる運転手から逃れるため、和也は小さい身体を上手く使い、バスの車体の下へ潜り込んで運転手の目をくらますと、近くの公園まで走って逃げてPATへ通報した。

和也の通報で現場へ急行したPATだったが、サタンゴーネはそれを知って、子供たちを渡さぬようジェット噴射でバスを空へ飛ばしてしまうのだった。現場へ車で駆けつけたPATには、手の打ちようがない。
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ジェット噴射で上昇していくバスを追いかけるため、基地へ帰ってハンターQで追うよう、村上隊長は熊井と野村へ指示した。大羽隊員が殉職し、チームは3人態勢であった。サタンゴーネの狙いは、バスを囮にしてジャンボーグAをおびき寄せることにある。

『ジャンボーグAは、必ず子供たちを助けに現れる。その時が、ヤツの最期だ!ハハハハ』
ジャンカーで後から現場に到着したナオキは、飛んで行くバスを見て、ジャンボーグAで戦うことを決意する。

公園でPATに救助された和也は、上昇していくバスを見てジャンボーグAに助けを求めるべく、大声で叫んだ。
『ジャンボーグA!早く来て、皆を助けてくれ!』

ジャンカーからジャンセスナに乗り替え、ナオキは飛び去ったバスを捜索していた。一方、ハンターQでバスに追い着いたPATに、黒雲の中から攻撃してくるモノがいた。ハンターQを二つに分けて、攻撃態勢に入るPAT。

だが、飛行するバスに近づけば黒雲内から攻撃され、その射撃が子供たちの乗ったバスに当るかもしれない。PATは下手に攻撃出来ず、しばらくは静観するほかはなかった。

セスナをジャンボーグAに変化させたナオキは、飛行するバスに追い着くと、両手でつかんで子供たちを奪還することに成功する。だが、サタンゴーネはこの時を待っていた。

『今度こそ、サタンゴーネ最強のロボット・ジャンキラージュニアで、エースとナインの息の根を完全に止めてやる!』

ジャンキラージュニアが黒雲の中から現れ、バスをつかんだジャンボーグAへ不意打のミサイル攻撃を仕掛けた。それを食らったジャンボーグAは、真っ逆さまへ落下して行く。
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大地で受け身を取りバスは無事であったが、バスをもったままでは相手とは戦えない。ジャンボーグAは、腹部を開けてバスをその中へしまい込んだ。
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『パワー、スピード、テクニックの三拍子そろったお前なら、必ずジャンボーグAを倒せる。行け!』

サタンゴーネが自信を持って送りこんだ刺客ロボットは、すべての点でジャンボーグAの能力を上回っていた。

ジャンキラージュニアのパンチやキックがジャンボーグAの体に当たると、それは大きな衝撃となってエースの体内まで伝わる。大きく揺れる暗いバスの中で、子供たちが大騒ぎしていた。

『このままでは、子供たちが怪我をする。よし、一気に片を付けてやる!』
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ナオキは、パワー全開でジャンキラージュニアを倒しに向かった。PATのハンターQが、その援護射撃をする。だが、ジャンキラージュニアは強い。ジャンボーグAのエネルギー回路が破壊され、体が動かなくなってしまった。

両目が点滅したまま仰向けに倒れて、立つことができないエース。
『駄目だ!エネルギーが切れて、もう動けない。こうなったら、子供たちを外へ出そう』

残っているエネルギーを使い、腹部にしまっていたバスを右手で取り出すと、地上へゆっくりと置いた。すると、エースの両目の光が遂に消灯し、全身の力が抜けたように完全に動かなくなった。ジャンボーグAは、負けた。

『こうなったら、ジャンボーグ9を使うしかない・・・』
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ナオキはヘッドギアを取り、左目の奥にある操縦席を抜け出してハシゴを降りていく。右足の裏側にある緊急脱出用のトビラが開き、ナオキが出てきた。横たわったまま動かないエースを横目で見ながら、ナオキは走って戦場を離脱していくのだった。

一方、ジャンキラージュニアは、サタンゴーネの指図でジャンボーグ9を待ち伏せするべく、地底へ潜っていった。静かになった戦場に、エースが守ったバスが停車している。PATの3人は、この隙にバスから子供たちを全員救出した。

サタンゴーネが出現して、ジャンキラージュニアを地底から呼び戻すと、横たわったまま動かないエースをふたりで破壊しようと近づいていく。

野村隊員が子供たちを避難させているうちに、村上隊長と熊井はPATガンでサタンゴーネとジャンキラージュニアに応戦。だが、サタンゴーネの一撃が村上隊長に被弾し、負傷してしまう。

その時、空からファイティングスター(PATの大型戦闘機)が出現して、サタンゴーネとジャンキラージュニアへ攻撃を始めた。いったい、誰が乗っているのだろうか。

PAT隊員とは違う戦闘服を着たそのパイロットは、ジャンボーグ9が現れるまでの間、ジャンボーグAを破壊させないように、ミサイル弾による牽制攻撃(引きつける作戦)を実行した。
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ナオキはジャンカーをジャンボーグ9へ変化させ、エースの仇を討ちに登場した!ジャンキラージュニアとサタンゴーネの二人を相手に、パワーではひけを取らないジャンボーグ9は果敢に戦う。
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ほとんど苦戦することなく、弱ってきた相手にジャンボーグ9最大の必殺技・ダイナマイトパワーが炸裂、ジャンキラージュニアは木っ端みじんに粉砕されてしまう。それを見たサタンゴーネは、急いで空へ消えていくのだった。
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ジャンボーグ9は倒れているエースの元へ近づいていき、両目からエネルギー光線を発射して、エースの両目へ照射した。それを受けたエースの両目が点灯し、ふたたび立ち上がるジャンボーグA。そして、ナインを抱えると、空へ飛んでいくのだった。
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基地へ帰ったPAT隊員達に、新しい仲間を紹介する村上隊長。
『ファイティングスターを操縦していたのは、この男だ。SGMで私と一緒だった。電子工学のオーソリティ(その道に明るいこと)だ』

『本日より、PATへ入隊しました安田です。よろしく』
大羽隊員の穴を埋める頼もしい男が、PATへ入隊してきた。(つづく)

特撮ファミリー・2http://zarabkemul.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306112488-1へ続きます

★★★★★★★★★★★★
ジャンボーグAと9が一緒に画面に登場するという、大サービス編。ジャンボーグAの操縦席から脱出するナオキが、階段とハシゴを使って脱出するというのが、宇宙人の最先端科学で造り上げた割にはアナログっぽいが、ご愛敬か。



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