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シルバー仮面ジャイアント(5) [シルバー仮面・ドラマ]

今回は、第11回《ジャンボ星人対ジャイアント仮面》を取りあげます。

脚本;佐々木守
監督;田村正蔵
特技監督;大木 淳
宇宙人デザイン;池谷仙克
音楽;日暮雅信
ナレーター;森山周一郎

【サザン星人】登場

【前回までの話は・・・
春日兄妹の放浪の旅は続く。富士山麓のある部落で休憩中の兄妹は、タイタン星人の襲撃を受けてしまう。執拗に付け狙う星人からひとみを守るため、東京の叔父の家へ逃がしたが、星人は叔父を襲撃してひとみを捕らえてしまう。
光子ロケットの格納庫で人質にされているひとみを救うべく、光一、光二、光三は全力でタイタン星人に立ち向かった。タイタン星人を撃破してひとみを奪還した3人は、格納庫で光子ロケットの秘密を見つける。そしてそこには、完成した2基のロケットエンジンがあった。春日兄妹は完成した光子ロケットで、宇宙平和を守る旅へ出発しようとしていた・・・】


◆星人たちとの戦いの日々を乗り越え、とうとう光子ロケットを完成させた春日4兄妹。今日は、その光子ロケットで宇宙パトロールへ出発する日であった。計器点検に余念がない兄妹たちは、楽しそうであった。

それもそのはずである。父の夢を遂に実現させることができるからだ。銀色の宇宙服を着用して、計器点検をしている4人。と、そこに現れたのは、宇宙研究の権威、津山博士であった。光子ロケットを完成させたという話を聞いた津山博士は、重大な話を持って春日兄妹のもとを訪れた。

『博士。どうしたんです、何か起こったんですか?』
『光一君、頼みがある。実は、月、ラファリウス星、アンケプロ星の各研究ステーションからの連絡が途絶えたんだ。偶然とは思えん。原因を調べてくれないか』

三つの研究ステーションが一度に連絡を絶ったことは、どう見ても変だ。すると、光三が口を出した。
『兄さん。それは宇宙人がやったことに決まってるぜ!』

光三は、さっき光一に怒られたばかりだった。光子ロケットで、父の仇の宇宙人を叩きつぶすと言った光三。それを聞いた光一は、そういうつもりならお前を置いていくと言い出す。

『光三。この光子ロケットは、戦うためのモノじゃないぞ!』
『そうよ。お父さんが地球と宇宙の平和を守るために・・・』

ひとみが、そう言いかけた言葉を遮り、あくまでも宇宙人は地球を狙っていることを強調する光三だった。だから津山博士の話は、光三にとって自分の主張が正しいことを証明できるチャンスなのだ。

光子ロケットは、20世紀末に運航を終えたフランスの飛行機コンコルドのような形をしている。だが、飛び立つ時はアメリカのアポロのように発射台に支えられ、噴射口を下にして大地に垂直に立っていた。

『秒読み開始!10、9、8、・・・』
『・・・3、2、1、0 ファイヤ!』

光一が発射スイッチを押すと、エンジンに点火して轟音がとどろき、ゆっくりと上昇を始めた。春日式光子ロケットはあっという間に地球を離れ、真っ暗な宇宙空間へ突入していった。

最初に月の研究所を訪れる、光子ロケット。月面に着陸を試みる光子ロケットは、機体底面からジェットを噴射して垂直降下した。ひとみを残して、月面研究所へ向かう3兄弟。

そこで3人が見たものは・・・月面研究所の残骸であった。そして、見たことも無い絵柄の旗が立ててある。日の丸は踏みつぶされて、グチャグチャになっていた。
『いったい、誰がこんなことを・・・』

次の目的地ラファリウス星でも、最後のアンケプロ星でも、月面研究所と同じ光景が3人を出迎えた。ラ星もア星も破壊尽くされた研究所の残骸と一緒に、月で見たものと同じ知らない絵柄の旗が、それぞれに立てられていた。それは、敵陣地を取ったしるしとしてのようであった。

最後のアンケプロ星には、その旗の持ち主がまだ残っていた。光一たちの目前に立ちはだかるのは、不動明王のような顔をした謎の巨大星人だった。
『宇宙は、我がサザン星人のものだ。地球人の進出は、断じて許さない!』

口から火炎を吐いて、光一たちに襲いかかるサザン星人。光二はシルバー仮面に変身して、巨大なサザン星人立ち向かうのだった。
『アタック!』

だが、いくら超能力を身に付けているとはいえ、等身大のシルバー仮面に、50メートルはありそうなサザン星人を倒せるはずもない。勝負は見えていた。弾き飛ばされ、蹴飛ばされてしまうシルバー仮面。

サブエンジンに点火して、離陸準備に備えるひとみ。光一と光三が戻ってきた。シルバー仮面の変身を解いて、光二が今戻ってきた。
『よし、出発!』

だが、垂直上昇中の光子ロケットに、サザン星人が襲いかかってきた。サザン星人に突き飛ばされてしまう光子ロケット。光子ロケットは、なんとか破壊は免れて地球への針路を取り、飛行態勢を整えることに成功した。

なんとか安定を保ちながら地球への航路を飛行していた光子ロケットだったが、アンケプロ星脱出の時のショックが、やはり制御を不能にしていた。このまま地球の大気圏へ突入しても、エンジン制御不能では大地に激突してしまう。

後方のエンジン室が大きな音を立てて壊れた様子だ。
『危ない!光子エネルギーを浴びないように、一か所に集まるんだ!』

光一の指示で操縦席付近へ集まり、身を縮める兄妹。光二はシルバー仮面に変身すると、自分の身体を壁代わりにして、光子エネルギーが兄妹に降り注がないよう遮断をした。

『エンジンはどうだ?』
『駄目だ。皆、覚悟してくれ・・・死ぬときは一緒だぞ!』

光二の問いかけに、絶望感が漂う光一の言葉。光子ロケットは大気圏に突入して、機体表面温度は高温になっていく。高温高速のロケットの機体は、大地に向かって突っ込んでいく。エンジン部から煙を出しながら、岩山へ突っ込んで大爆発する光子ロケット。

大爆発の炎と煙が昇る中、巨大な何かが姿を現した。煙がだんだん薄くなり、正体を現したのは巨大化したシルバー仮面であった。身長が50メートル近くありそうな姿に変わってしまったシルバー仮面は、もはやシルバー仮面ジャイアントと呼ぶべきかもしれない。

光子ロケットが大地に激突して大爆発する直前に、光子エネルギーを浴びて生まれたシルバー仮面ジャイアントに助けだされた3兄妹は、怪我も無く彼の手の中で気絶していた。

光子エネルギー漏れという事故があったにも関わらず、大事に至らずに地球へ戻って来られた春日兄妹。4人は直ちに津山博士の研究所へ行くと、宇宙で見てきた事、巨大なサザン星人が地球人の宇宙進出を許さないと言っていたことを、報告した。

気を失っていて、自分たちが無事でいることが不思議でならないひとみ。今までの経緯を聞いた津山博士は、エンジンが破壊された時に漏れた光子エネルギーが作用して、シルバー仮面に新しい力が加わったことが考えられると言った。

これから4兄妹は津山宇宙科学研究所の所員となって、博士に協力しながら、新しい光子ロケットを造ることを、博士に了承してもらうのだった。

サザン星人が、とうとう地球にやって来た。そして、月やラファリウス星でやったように、破壊尽くした町にサザン星のマークの旗を立てて行った。巨大星人の襲来を告げる緊急連絡が研究所に入り、ひとみと光三が車で様子を見に向かうと、やはりそれはサザン星人であった。

『こちらひとみ。富士山ろくの町で、あのサザン星人が暴れています!』
『俺、行ってくるよ!』

光二はそう言うと、両手を左右に水平に広げ、手のひらを握りしめたまま、(拳法の構えのように)ひじを直角に曲げた腕を腰に添えると、「シルバー」と叫んでジャンプした。

空中で前方宙返りをしてシルバー仮面ジャイアントに変身した光二は、タイムトンネルの中を走り抜けて、あっという間にサザン星人のいる富士山ろくへ到着した。富士山ろくで展開する、巨大星人対ジャイアント仮面の対決。

ベルトのバックルから出すシルバーサーベルでサザン星人の腹部を射抜き、とどめは頭部にある突起から出すシルバー光線。シルバー光線を浴びたサザン星人は、大爆発して死んだ。

光一は3人に向かって告げた。
『いつまたサザン星人のようなヤツが現れるかもしれない。1日も早く新しい光子ロケットを完成させるんだ!』(つづく)


★★★★★★★★★★★
第11回から巨大ヒーロー物となったシルバー仮面は、タイトルも「シルバー仮面ジャイアント」と改める。内容的にも以前より明るい感じに改められているが、それは津山博士の小学生の娘・リカのマスコット的存在が大きい。津山宇宙科学研究所を拠点に、宇宙人との戦いに巻き込まれる津山博士役を、岸田森氏が演じている。



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