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ウルトラセブン(33) ~『これでもう、9人目よ!』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第33話『侵略する死者たち』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;上原正三
 監督;円谷 一
 特殊技術;高野宏一
 

◆海底を行く3隻の潜水艦。それは、左右にハイドランジャー1号と2号を従え、極東基地に向かう原子力潜水艦S号であった。S号にはマナベ参謀とキリヤマ隊長が乗りこみ、地球防衛軍パリ本部から持ち帰ってきた機密書類が厳重に保管されていた。

S号は敵の目を欺くために、伊豆半島沖に浮上して空路をヘリコプターで基地へ向かうことにした。一方基地周辺では、奇怪な事故が起こり始めていた。基地周辺をパトロール中のポインター号が、車道にいきなり飛び出してきた人物を引いてしまう事故が起きた。

上下黒い服装で裸足の男性と接触事故を起こしたポインター。アマギとフルハシは、ただちにこの男性を基地のメディカルルームへと運んだ。ついさっきも、警備兵がおなじような事故で黒ずくめの男性を運んできたばかりであった。

警備兵が運んだ男性も今フルハシ達が運んだ男性も、アンヌによって死亡が確認された。アンヌが叫ぶように言う。
『これでもう、9人目よ!』

どれもみんな身元を確認できるものを持っていない死体たち。ふとアマギが、ホルマリンのようなニオイがすることに気付く。病院を当り、その方面から手がかりを探すことになった。

S号が運んできた機密書類は、ヘリコプターで無事に基地に到着した。マナベ参謀とキリヤマ隊長、ダンとアマギ、警備兵によって厳重に守られた機密書類は、基地内の大金庫に運ばれていく。

光線銃の光に反応して開くドアをマナベ参謀が開けると、そこには鉄格子があった。不意にアマギがその鉄格子に触れようとしたので、マナベ参謀が制止した。
『寄るな!3万ボルトの高圧電流が流れているんだ!』

鉄格子を光線銃で開けると、これから先は、マナベ参謀とキリヤマ隊長だけが立ち入る。高圧電流を止めて、直径2メートルはある大金庫の取っ手を回してそれを開ける。機密書類の中身はマイクロフィルムであった。

キリヤマ隊長が持っていたアタッシュケースから取り出されたマイクロフィルムは、マナベ参謀の手によって大金庫にしまわれた。大金庫はもとどおりに、厳重に警戒されながら閉められていく。

その頃、解剖用の死体10体が、昨夜病院から盗まれていた事実がフルハシによって確認された。キリヤマ隊長は、基地に運ばれてきたこの死体を早速調べさせたが、サイボーグでもないし改造された様子も一切ない。
『何か目的があって送り込まれたとすれば、今にきっと動き出す!』

その晩、ダンは死体収容室の10体の死体の見張りを、隊長から命じられた。収容室のとなり部屋から、時々ガラス越しに死体を見張る。午前1時を回ろうとした頃、何かがおかしいことにダンは気付くが、それが何なのかは解らなかった。

だが死体収容室内では、10体の死体から抜け出るように、影だけがむっくりと起き上がる様子が壁に映っていた。誰も出入りしていないのに、作戦室やメディカルルームのドアがひとりでに開いて、閉まった。一人でメディカルルームにいたアンヌは不審に思い、開いたドアの方を見つめた。
『きゃあぁぁ!』

アンヌは、自分のものでない影が動いているのを見て部屋を飛び出すと、悲鳴を聞いて駆けつけてきた隊長達と鉢合わせになりそうになった。
『どうした!』
『影が!』

急いでメディカルルームへ行くキリヤマ隊長とアマギ。室内は別段変わった様子もない。
『ドアが開いて、影が入ってきたのよ!』
『作戦室のドアも開きましたね・・・』

ダンに連絡を取り、死体の様子を尋ねる隊長。ダンも、何かがおかしいことを報告する。だが、それが何かは解らない。何者かが暗躍を始めたことを感じ取るキリヤマ隊長だった。大金庫の前にはフルハシとソガが警戒していた。

突然、基地内に警報音が、けたたましく鳴り響いた。急いで大金庫前に集合するウルトラ警備隊の全員。
『どうしたフルハシ!』
『見てください!影だけです』

マナベ参謀は、すぐにマイクロフィルムを確認するため大金庫を開けると、マイクロフィルムは無くなっていた。
『盗まれたマイクロフィルムには、世界の地球防衛軍秘密基地の所在地が明記されているのだ!』

なんとしてもマイクロフィルムを取り返さなければならない。基地内と周辺に非常警戒網が張られた。ダンは、今気付いた。死体収容室内で影が動いていた。何かおかしいと思ったものの正体は、影だったのだ。
『誰かが念力で死体を操っているんだ・・・』

ダンは死体収容室に戻ると、10体の死体の前で影の正体を見極めようとした。今度はセブンとしての勘で、影たちの暗躍が分かりはじめるダン。ダンはセブンに変身するが、影たちに霧のようなガスを浴びせられて10センチほどに小さくされ、影のひとりにガラスのコップを被せられてしまう。

超能力を封じられたセブンは、エメリューム光線を発射して火災を起こし、緊急事態を隊長達に知らせるのだった。キリヤマ隊長たちが死体収容室の火事に気付いて消火作業に向かっている頃、影たちは次の行動に移るために手薄になった作戦室に侵入していた。

消火作業でごった返した死体収容室の隣室で、誰かが床のコップを蹴ったため、セブンは解放されてダンに戻ることが出来た。ダンによれば、誰かが念力で死者の霊を操ってマイクロフィルム奪い、それをどこかへ電送するつもりにちがいないという。

ダンの考えを聞いたキリヤマ隊長達はすぐに作戦室へ戻ったが、通信隊員たちは気を失っており、マイクロフィルムはすでに電送されたあとだった。すぐに電送先は東京K地区だと判明したが、隊長達が急行した場所で見つけた物は中継装置だけで、敵はそこを中継点にして宇宙へ電送していたのだった。

ホーク2号で宇宙へ飛ぶよう指示されたダンは、宇宙空間に停滞している謎の宇宙ステーションを発見する。攻撃を受けてホーク2号は破壊されてしまうが、ダンはセブンに変身して迎撃する。

だが宇宙ステーションから放たれた光線を全身に受けたセブンは金縛りになり、4機の小型円盤がセブンの両手両足を捉えて、セブンは拉致されてしまう。

ダンの後を追って、ホーク1号で宇宙へ飛んできたキリヤマ隊長たちは、宇宙ステーションに捕えられているセブンを発見し救出する。セブンは宇宙最大の武器・ワイドショットで、敵宇宙ステーションを撃破するのであった。 地球防衛軍の秘密は、こうして守られたのであった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
『ウルトラセブン』は、怪獣が全然出てこなくても、ここまで面白く描けるというお手本のような作品の内の一本。ポインター号が走っていると、いきなり車道に飛び出て轢かれたから、あの黒ずくめの男達のことを「シャドウ(車道)マン」と呼ぶのかな(笑)


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