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マグマ大使(6-1) [マグマ大使・ドラマ2]

今回は第37話『狂人と水爆 毒ガス怪獣サソギラス登場』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;高久 進
 特殊造型;照井 栄   
 監督;船床定男
 特技監督;小嶋伸介

〖毒ガス怪獣サソギラス〗登場


◆ゴアに侵入を許してしまった火山島基地を捨て、アースは新たな火山島基地を造ってそちらへと移った。ガムからそのことを聞かされていたマモルは、心配するスクランブル隊の海老名隊長に教えてあげた。地球上には火山島はたくさんある。ゴアに、そうたやすく新しい基地は探し出せないはずであった。

だが、アースは不機嫌であった。新しい基地が気に入らないからではない。人間の愚かな行動に対して、憤っていたのである。

遂に人類は、最終兵器・水爆を造り出してしまった。しかも、その実験を各国は争って行っていた。その様子を頭の中でイメージとして見ていたアースは、マグマたち3人にその話をしながら、人類の浅はかさを嘆かわしく思っていた。

一方、ある国の水爆実験の様子を見ながら、別な考えをめぐらす者がいた。ゴアである。円盤から実験の様子を見ていたゴアは、この破壊兵器・水爆の恐ろしさを知り、これを奪って人類を破滅させて地球を征服する計画を考えていた。早速配下のバラモンに指令を下すゴア。

だが、ゴアよりも早く、この水爆を盗んで世界征服を企む男がいた。この男の命令で、水爆を積んだ某国の爆撃機はハイジャックをされてしまう。しかもその爆撃機には、水爆が3個も搭載されていた。

爆撃機は、謎の組織MM団の総督ハルヒマンが部下のシュナイダーに命じて、ハイジャックしたのだった。この情報は国際スクランブル隊本部にも入ってきており、村上と一緒にこの秘密情報を聞いたマモルは、笛を一つ吹いてガムを呼ぶと、ハイジャックされた爆撃機を捜索しに出かけて行った。

ガムのレーダーが爆撃機を発見し近づいていくが、シュナイダーの命令でパイロットが撃った空対空誘導ミサイルが、ロケット・ガムとマモルを襲った。ガムはミサイルに追いかけられ、ひとまず逃げるしかなかった。

こうしてハルヒマンによって盗まれた水爆を積んだ爆撃機は、伊豆七島付近で見失ってしまうのだった。日本に向かっているというハルヒマンは、顔を変えて東京へ潜入してくるという情報がもたらされた。
『顔は変えても、声は変えられないでしょう』

かつてハルヒマンを取材し、インタビューした経験のある村上は、ハルヒマンを追う決意をする。村上は、マモルと一緒に各航空会社を回っていた。調査した結果、どうやら大阪で新幹線に乗り換えて、東京へ入ってくるらしいことが推測された。

東京駅の新幹線ホームに行って、それらしい男を探す村上とマモル。だが、これだけ多くの乗客の中から、ハルヒマンを見つけられるのか?と、その時、ある女性の声を聞いて、ピンとくる村上。ホームにいたポーターに、迎えの車まで荷物を運ばせた女性がいた。その女性が乗った迎え車を、タクシーで追う村上とマモル。

大きな屋敷に着いて車から降りた女性は、そこで迎えに出たシュナイダーと右腕を水平に胸に当てて、独特の挨拶を交わす。村上の見立て通り、この女性はハルヒマンだったのだ。奪った3個の水爆を使い、世界征服を企てるMM団の総督ハルヒマン。

手始めに東京を水爆で壊滅させる計画を企て、自分の力を世界に示すつもりであった。その女性の後を付けてタクシーを降りた村上とマモルは、女性が入って行ったこの屋敷にうまく侵入することができた。スクランブル隊から借りた盗聴マイクを壁に貼りつけて、ハルヒマンの会話を聞く村上。

その時マモルが思わず大きな声を出してしまい、二人は追われる羽目になってしまう。二人は空き部屋を見つけると中に入り、中からカギをかけてじっとしていた。だが、武装した部下たちが部屋をチェックしながら二人を追い詰め、カギのかかった部屋は見つけ出されて、囲まれてしまう。

一斉射撃してドアノブを壊そうとするシュナイダー達に、村上はマモルを見つめながら覚悟を決める。だが、シュナイダーとその部下たちの前に、突然ゴアの部下・バラモンが姿を現す。高笑いする坊主頭のバラモンを見て、ドアに向いていた拳銃をバラゴに向けて、一斉に発砲するシュナイダーと部下たち。

しかし、バラモンに拳銃は効かない。高笑いしながら銃弾をはね返すバラモンに、一同は驚く。バラモンは逃げるように屋敷の外へ逃げて行き、シュナイダー達もそのあとを追っていく。

バラモンの出現で矛先が移り、村上とマモルは危機を脱することが出来た。シュナイダー達がバラモンの後を追って廊下からいなくなると、部屋から逃げだして屋敷の外へ脱出することに成功した村上とマモル。大きな庭や建物があるこの屋敷の陰に隠れながら、そっとシュナイダー達の様子を窺う二人。

一方、バラモンの後を追うシュナイダー達を屋敷の外で待っていたのは、ゴアと人間モドキ達だった。シュナイダーの後からハルヒマンも現れ、ゴアと対面した。
『ワタシが宇宙の帝王ゴア様だ。ワタシの最終目的は全宇宙の征服だが、ワタシと組んで地球を征服したら、地球の総督に任命しよう。それとも、ワタシと一戦するかな?』

しばらく考えていたハルヒマンは、ゴアと手を結ぶことに同意した。ゴアの悪事とハルヒマンの水爆が、手を結ぶことになった。その会談の様子を物陰に隠れてじっと見ている村上とマモル。

明日、原水爆を持つ国々が、その破棄とそれを所有することの永久禁止を結ぶ秘密会議が日本で開かれる。これを邪魔する目的で、ハルヒマンは日本にやって来たのだった。

ゴアは、この秘密会議の開かれる場所をどのようにして探り出したのか、会議が開かれるビル近くに怪獣サソギラスを送りこんだ。奇妙な鳴き声と共に毒ガスがまかれ、巨大なハサミがビルを襲った。

マモルは急いでビルの外へ出ると、マグマ大使を呼んだ。ビルのすぐ横を通る高速道路を、叩き壊すサソギラス。笛を聞いて、マグマとガムが飛んできた。「カシーン カシーン」と音がしてロケットから人間型に変化したマグマ大使は、サソギラスに挑んでいった・・・。 (つづく)


★★★★★★★★★★★★
原水爆の恐怖をベースに描かれた物語である。ウルトラシリーズで原爆・水爆の恐怖を描いた物語と言えば、思い浮かぶのはセブンのギエロン星獣である。だが、直接地球に爆弾の影響が生じる話ではない。

あとは、水爆を飲み込んだ怪獣(初代マン)や原子力潜水艦が行方不明(セブン)など、この物語のように爆弾を武器にして、日本もしくは東京を脅威にさらす話は、第一次ウルトラシリーズでは見かけられないような気がするが。

ちなみに、今回の「狂人と水爆」という題名は、物語中で水爆を奪ったハルヒマンの事を「キチガイ」とアースが言っていることから、付けられたものと思われる。


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