マグマ大使(5-4) [マグマ大使・ドラマ2]
今回は、第36話『地球を救え!』を取りあげます。
原作:手塚治虫
音楽;山本直純
脚本;内山順一朗
特殊造型;開米栄三
監督;船床定男
特技監督;小嶋伸介
〖怪虫ピドラ〗
〖宇宙植物ネスギラス〗登場
【前回までの話は…
親ピドラのエネルギー源が宇宙植物ネスギラスであることは分かったが、粘液を浴びずに戦うにはどうすればよいのか。ゴアの秘密基地に突撃したが、親ピドラの攻撃を受けて人質を救出できないマグマ大使。また、火山島基地に突然出現したゴアは、アース達の命を狙う・・・】
◆親ピドラが上空から吐く炎で、海老名隊長とリード博士の周囲は火の海と化した。このままでは、二人は焼け死んでしまう。マグマ大使は、一か八か危険を承知で、親ピドラの攻撃をかいくぐりながらロケットに変身する。
そして二人を背に乗せると、その場から一気に飛び上がってスクランブル隊本部まで飛んで行き、無事に二人を降ろした。本部では村上や副本部長が出迎えて、海老名隊長とリード博士の無事を喜び合った。
村上がマグマに向かい、礼を言う。
『ありがとう、マグマ大使。なんとお礼を言ったらいいのか』
『ゴアの秘密基地は、すべて破壊してきました!』
だがその頃、マグマが不在の火山島基地へ、ゴアが悠々と乗り込んで来ていた。マグマなら、今頃こんがり焼けて死んでいるだろうと、余裕を持って話すゴア。アースは自分の杖をヤリのように投げてゴアを攻撃するが、ゴアの念力は強力で、杖は軽くはね飛ばされてしまうのだった。
モルとガムを後ろに下がらせて、アースは二人を守ろうとする。だが、モルの足元にゴアの破壊光線が命中し、爆発して煙が上がると、モルはフラフラとひるんでしまう。
本部でリード博士らを降ろしたマグマ大使に、マモルは気になることを話す。
『ガムの様子が変なんです。さっきから呼んでいるのに、全然来ないんです』
マグマ大使はそれを聞くと、すぐに火山島基地へ向かって飛んでいく。
『地球征服のために、お前達もマグマ同様、死んでもらおう』
ゴアが三人に迫ったその時、マグマの破壊光線がゴアの足元を攻撃した。
『マグマ、生きていたのか!』
『ゴア、アース様に指一本でも触れてみろ。ただではおかんぞ!』
『くそぉ!』
マントを翻して姿を消すと、火山島基地から円盤で大急ぎで逃げて行くゴア。「カシーン、カシーン」とロケットに変化して、すぐに後を追いかけるマグマ。だが、円盤から煙幕を出しながら、ゴアはマグマの追跡をかわすのだった。
スクランブル隊のミサイル部隊が、再編制された。これで、すぐにでもゴアを攻撃することが出来る。一方、マグマ大使に邪魔されて頭にきたゴアは、ピドラの大群を川崎コンビナートに出現させ、大群は石油タンクを食い始めた。それにより、タンクの穴から霧状になった石油が噴出しだした。
空気中にまき散らされた石油のために、生活に火を使うことができなくなってしまう都民。今、季節は冬である。暖を取れず食事を作れない都民は、このままでは凍死するか餓死するしかない。
スクランブル隊のミサイル攻撃は、空気中にまき散らされた石油に引火する恐れがあり、使用できない。マグマ大使でさえも、ロケット噴射熱が引火する恐れがあり、東京近郊に近づくことができないでいた。
遂にゴアは、最後通告を突きつけてきた。
『明朝までに、無条件降伏せよ!』
寒さと食事を取ることが出来ない都民は、追い詰められていた。もうすぐ、夜が明けようとしている。
火山島基地では、アースがじっと目を閉じていた。ゴアの作戦に手も足も出せず、万策尽きたとでも言うのだろうか。マグマ大使は、アースに請う。
『もはや、一刻の猶予もなりません。アース様に封じられているジェット気流を使うことを、お許しください!』
『ならん!下手に使えば、相手ばかりかお前にまで危機が及ぶぞ』
『たとえ私がどうなろうと。いいえ、今度ばかりは、アース様のお許しが無くても使わせていただきます!』
『マグマ!』
モルもマグマと同じ意見だと、命を賭けることをいとわない二人。
『それほどまでに言うのなら、ジェット気流を使うがよい。二人とも行くのじゃ!』
ロケットに変身したマグマは飛行しながら、ロケットの身体を高速で回転させて、噴射口のすぐ後ろに大竜巻を作り上げた。マグマが起こした大竜巻は、マグマに操られながら、空気中の石油とピドラの大群をすべて飲み込んで、海上へ吹き飛ばしてしまった。
モルは、一足先に村上家に行き、留守を預かる村上の妻とマモル、そしてガムにその様子を話し、東京はもう安全であることを伝えるのだった。抱き合うモルとガム。
マグマ大使は、親ピドラに決戦を挑む。宇宙植物ネスギラスを食べていた親ピドラに、襲いかかるマグマ。巨大なテントウムシのようなピドラは、羽根を大きく広げて威嚇してくる。が、果敢に後ろに回り込んで羽根をむしり取るマグマ。
マグマのキックがピドラを裏返しにした時、起き上がれないピドラにマグマのミサイル攻撃が命中する。すぐ後ろの湖に転がり堕ちた親ピドラは、あがきもせずにブクブクと沈んでいくのだった。
村上家の前では、マグマ、モル、ガムが揃って、村上、妻、マモルと相対している。ガムが、笑いながらマモルに言った。
『これで、当分ヒマになりそうだね』
『マグマ大使、お世話になりました』
『では村上さん、またお会いしましょう』
青空の中を飛んで行く金、銀、白の3つのロケットに、手を振って見送るマモル達3人。 (終わり)
★★★★★★★★★★★★
マグマ大使について。
アースに生み出された金色のロケット人間。基本の身長は6mだが、怪獣と戦う際には相手に対応して巨大化する。武器は頭部アンテナからの熱線砲と腹部からの連続発射できるミサイル。それと、中盤から登場したジェット気流。
これはアースに封印されていたもので、ロケット形態で回転しながら飛び回ることで、すさまじい竜巻を起こす技である。「ロケット人間」は特殊金属の体を持ち、普段は人間型であるが、飛行するためにロケット型に変形する。なお、人間型でも空を飛ぶ事は可能である。
スーツアクターは、魚澄鉄也氏。パイロット版のマグマ大使では、金色に顔を塗って演じている。
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原作:手塚治虫
音楽;山本直純
脚本;内山順一朗
特殊造型;開米栄三
監督;船床定男
特技監督;小嶋伸介
〖怪虫ピドラ〗
〖宇宙植物ネスギラス〗登場
【前回までの話は…
親ピドラのエネルギー源が宇宙植物ネスギラスであることは分かったが、粘液を浴びずに戦うにはどうすればよいのか。ゴアの秘密基地に突撃したが、親ピドラの攻撃を受けて人質を救出できないマグマ大使。また、火山島基地に突然出現したゴアは、アース達の命を狙う・・・】
◆親ピドラが上空から吐く炎で、海老名隊長とリード博士の周囲は火の海と化した。このままでは、二人は焼け死んでしまう。マグマ大使は、一か八か危険を承知で、親ピドラの攻撃をかいくぐりながらロケットに変身する。
そして二人を背に乗せると、その場から一気に飛び上がってスクランブル隊本部まで飛んで行き、無事に二人を降ろした。本部では村上や副本部長が出迎えて、海老名隊長とリード博士の無事を喜び合った。
村上がマグマに向かい、礼を言う。
『ありがとう、マグマ大使。なんとお礼を言ったらいいのか』
『ゴアの秘密基地は、すべて破壊してきました!』
だがその頃、マグマが不在の火山島基地へ、ゴアが悠々と乗り込んで来ていた。マグマなら、今頃こんがり焼けて死んでいるだろうと、余裕を持って話すゴア。アースは自分の杖をヤリのように投げてゴアを攻撃するが、ゴアの念力は強力で、杖は軽くはね飛ばされてしまうのだった。
モルとガムを後ろに下がらせて、アースは二人を守ろうとする。だが、モルの足元にゴアの破壊光線が命中し、爆発して煙が上がると、モルはフラフラとひるんでしまう。
本部でリード博士らを降ろしたマグマ大使に、マモルは気になることを話す。
『ガムの様子が変なんです。さっきから呼んでいるのに、全然来ないんです』
マグマ大使はそれを聞くと、すぐに火山島基地へ向かって飛んでいく。
『地球征服のために、お前達もマグマ同様、死んでもらおう』
ゴアが三人に迫ったその時、マグマの破壊光線がゴアの足元を攻撃した。
『マグマ、生きていたのか!』
『ゴア、アース様に指一本でも触れてみろ。ただではおかんぞ!』
『くそぉ!』
マントを翻して姿を消すと、火山島基地から円盤で大急ぎで逃げて行くゴア。「カシーン、カシーン」とロケットに変化して、すぐに後を追いかけるマグマ。だが、円盤から煙幕を出しながら、ゴアはマグマの追跡をかわすのだった。
スクランブル隊のミサイル部隊が、再編制された。これで、すぐにでもゴアを攻撃することが出来る。一方、マグマ大使に邪魔されて頭にきたゴアは、ピドラの大群を川崎コンビナートに出現させ、大群は石油タンクを食い始めた。それにより、タンクの穴から霧状になった石油が噴出しだした。
空気中にまき散らされた石油のために、生活に火を使うことができなくなってしまう都民。今、季節は冬である。暖を取れず食事を作れない都民は、このままでは凍死するか餓死するしかない。
スクランブル隊のミサイル攻撃は、空気中にまき散らされた石油に引火する恐れがあり、使用できない。マグマ大使でさえも、ロケット噴射熱が引火する恐れがあり、東京近郊に近づくことができないでいた。
遂にゴアは、最後通告を突きつけてきた。
『明朝までに、無条件降伏せよ!』
寒さと食事を取ることが出来ない都民は、追い詰められていた。もうすぐ、夜が明けようとしている。
火山島基地では、アースがじっと目を閉じていた。ゴアの作戦に手も足も出せず、万策尽きたとでも言うのだろうか。マグマ大使は、アースに請う。
『もはや、一刻の猶予もなりません。アース様に封じられているジェット気流を使うことを、お許しください!』
『ならん!下手に使えば、相手ばかりかお前にまで危機が及ぶぞ』
『たとえ私がどうなろうと。いいえ、今度ばかりは、アース様のお許しが無くても使わせていただきます!』
『マグマ!』
モルもマグマと同じ意見だと、命を賭けることをいとわない二人。
『それほどまでに言うのなら、ジェット気流を使うがよい。二人とも行くのじゃ!』
ロケットに変身したマグマは飛行しながら、ロケットの身体を高速で回転させて、噴射口のすぐ後ろに大竜巻を作り上げた。マグマが起こした大竜巻は、マグマに操られながら、空気中の石油とピドラの大群をすべて飲み込んで、海上へ吹き飛ばしてしまった。
モルは、一足先に村上家に行き、留守を預かる村上の妻とマモル、そしてガムにその様子を話し、東京はもう安全であることを伝えるのだった。抱き合うモルとガム。
マグマ大使は、親ピドラに決戦を挑む。宇宙植物ネスギラスを食べていた親ピドラに、襲いかかるマグマ。巨大なテントウムシのようなピドラは、羽根を大きく広げて威嚇してくる。が、果敢に後ろに回り込んで羽根をむしり取るマグマ。
マグマのキックがピドラを裏返しにした時、起き上がれないピドラにマグマのミサイル攻撃が命中する。すぐ後ろの湖に転がり堕ちた親ピドラは、あがきもせずにブクブクと沈んでいくのだった。
村上家の前では、マグマ、モル、ガムが揃って、村上、妻、マモルと相対している。ガムが、笑いながらマモルに言った。
『これで、当分ヒマになりそうだね』
『マグマ大使、お世話になりました』
『では村上さん、またお会いしましょう』
青空の中を飛んで行く金、銀、白の3つのロケットに、手を振って見送るマモル達3人。 (終わり)
★★★★★★★★★★★★
マグマ大使について。
アースに生み出された金色のロケット人間。基本の身長は6mだが、怪獣と戦う際には相手に対応して巨大化する。武器は頭部アンテナからの熱線砲と腹部からの連続発射できるミサイル。それと、中盤から登場したジェット気流。
これはアースに封印されていたもので、ロケット形態で回転しながら飛び回ることで、すさまじい竜巻を起こす技である。「ロケット人間」は特殊金属の体を持ち、普段は人間型であるが、飛行するためにロケット型に変形する。なお、人間型でも空を飛ぶ事は可能である。
スーツアクターは、魚澄鉄也氏。パイロット版のマグマ大使では、金色に顔を塗って演じている。
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