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人造人間キカイダー・キカイダー01の世界を撮影した男!(2) ~撮影・相原義晴氏 [キカイダー対談・2]

(前回から続き)
聞き手;
「その後、現場復帰されて?」

相原氏;
「うん、これは拾った命だと。これを機会に、こういった仕事からは足を洗って別のことをやろうかなと考えたんです。土曜ワイド劇場なんかでご一緒していた斎藤武市監督が病院にお見舞いに来てくれて、『俺と一緒にやらないか』という話になったんです。

それじゃあということで東映を辞めまして・・・フリーになって、国際放映、日活、近代映画協会とかの2時間ドラマを撮るようになりましてね。だからそれ以降は、子供番組には全く参加してないんですよ」

聞き手;
「2時間枠のサスペンスが流行した80年代にあたりますか?」

相原氏;
「ちょうどその時期です。でも、そうこうしているうちに40年。形式的なところで表彰も受けました。その後、撮影所時代の友人が東映ビデオという会社にいまして、カラオケの背景映像を撮ってくれないかと頼まれて、2時間物をやりながら、そっちもやるようになったんです」

聞き手;
「では、その後はその2本柱で?」

相原氏;
「いいえ。2時間ドラマはね、あまりにも話の内容に殺人事件が多すぎる。人殺しばかりのドラマに嫌気がさしてしまって、ドラマの方は辞めたんです。本当に嫌だと思ったのは、『金属バット殺人事件』(85年)というドラマを撮った時でしたね」

聞き手;
「現実の事件をドラマ化した作品ですよね」

相原氏;
「そう。あれは本当に生々しくてね。で、辞めようと。カラオケの方も、スタッフにいろいろ気を遣うのに疲れてしまって。ひとりでやるようになってからカラオケブームが下火になったので撮らなくなって。で、自分の撮りたいものを撮って行こうと考えたんです。

もともと文芸作品が撮りたかったので。アイヌまりも祭りとか日本全国の祭り、行事なんかをテーマに撮りに行って、映像を編集してパッケージにして」

聞き手;
「凄いですね。話は変わりますが、ご自分で会心作と思う作品がありましたら、お教えください」

相原氏;
「ウーン、特に自分で会心の作と思うのは無いけど、会社(東映)から賛辞をいただいたことはありましたね。『忍者キャプター』(76年)という作品で。1枚絵(写真)を使ってアニメーション的なことをやってみたんですね。始めての試みだったし、実写でやるのは結構難しい作業で。

キャラクターを黒バックで撮影して、24コマなら24枚少しずつ拡大した写真を用意して、切り抜いて、別の背景写真に貼ってコマ撮りしていくんです。そうすると、例えばコーヒーカップから忍者がだんだん大きくなって出てきたように見えるというもので」 

聞き手;
「作品の特徴的な手法になっていました。あれは相原さんのアイデアだったんですね」

相原氏;
「ええ。あの時もよく監督さんと意見をぶつけ合いましたよ。僕も我儘だから退かないしね(笑) 奥中監督とは始終やりあってたね」

聞き手;
「では、最後に相原さんが手掛けられた作品のファンの方々、キャメラマンを目指している若い世代へ向けたメッセージをお願いします」

相原氏;
「今は、どちらかと言えば流されやすい時代だけれど、そうでない自分の視点をしっかり持って、見据えて、それに向かって進んでいく。“自分はこうだ”という生き方をしてほしいと思います」   (終わり)


★★★★★★★★★★★★
大変大きな怪我をされて、またフリーになってからもご苦労が多かったと思うけど、一本芯の通った生き方をしてきた方だと思いました。仕事上では、自分がこうだと思ったら相手とぶつかることを恐れずに言うことも、時には必要なんです。そうすることで、より良いもの(あるいは、結果)になることが多いので。



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