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ウルトラQ(8) ~ロボット怪獣ガラモンを積んだガラダマが、青い地球に向かって飛んでいるのです・・・ [ウルトラQ・ドラマ]

今回は第16話『ガラモンの逆襲』を取り上げます。

監修;円谷英二
脚本;金城哲夫
特殊技術;的場 徹
監督;野長瀬三摩地

◆ある夜のことである。天体物理学研究所の門前に現れた人物は、濃い色のコートを着てふちのついた男性用の帽子をかぶり、蝋(ろう)のように色白でまつ毛が長い痩せた男だった。

男は長さ10センチほどのライターのような形の縦長のリモコン装置をしきりに操作して、第二研究室内にある金庫のダイヤルを解錠して扉を開けると、電波遮蔽網で包んで保管してある電子頭脳を宙に舞い上がらせた。

館内を巡回していた夜間警備員は、第二研究室でこの電子頭脳が自分で窓ガラスを破って外へ飛び出していくまでの一部始終を目撃していた。外へ飛び出した電子頭脳は、フワリフワリと宙を舞いながら、まるで仔犬のように男の後を付いていった。

この保管されていた電子頭脳は、いつぞや弓が谷に出現したモンスターを操った電子頭脳である。モンスターは「ガラモン」と呼ばれ、この電子頭脳を人類が破壊できない限り、次の侵略が行なわれることを恐れて、厳重に保管していたのであった。

午前四時十五分。突然の電話で起こされる万城目 淳。電話の相手は江戸川由利子だった。ガラダマを誘導する電子頭脳が盗まれたという内容の話をしてきた。

一の谷博士の報告では、電子頭脳はひとりで飛んで行くような能力は無いという話だった。不思議に思いながらも、二人は電波監理所で落ち合う約束をして電話を切った。

電子頭脳から出る怪電波を捕らえるため、電波監理所では花沢主任を中心にして、日本中の電波を見張っていた。電子頭脳が消えてから、すでに4時間が経過していた。

その頃、大宇宙から9個の隕石群が地球に向かって飛んでいた。そしてついに、怪電波を電波監理所が捕らえた。発信源は、東京から北北西に90キロの地点を時速60キロで移動中であることが確認された。
『これは車の速度ね』

群馬・長野の両県警に非常線を張るよう要請し、交通を止めてでも電子頭脳を発見しなければならない。また、地球に向かって飛来してくる隕石群の目標が、東京であることがほぼ判明した。到着推定時刻は午前11時48分。あと3時間ほどしかない。

早く電子頭脳を積んだ車を発見しないと、東京は大変なことになる。その頃、電子頭脳は、盗んだ男の手によって榛名へ向かうトラックの中にあった。男は楽器のチェロの箱にそれを隠し、このトラックに乗り込んでいた。トラックは国道17号線を北上している。

電波監理所の監視によって怪電波の移動状況をモニターしながら、ヘリコプターで怪電波の発信源を探していた。途中で小学生たちが、このトラックをヒッチハイクした。気の良い運転手は子供らを乗せてあげようとするが、男が急かすので、結局乗せなかった。

だが、一人だけ黙って後ろの荷台に潜り込んだ少年がいた。少年はチェロの箱が開いて、中から岩石のようなものが浮遊しているのを、荷台で目撃する。

ついに、東京に次々とガラダマが落下して来た。東京港に突っ込むもの、ビルを壊して地上に落下するもの。やがてガラダマに亀裂が入り、中からガラモンが一つまた一つと生まれる。このまま東京は、ガラモンの為に破壊つくされてしまうのか!

ドライブ・インに立ち寄ったトラック運転手は、休憩所のテレビで東京の様子を知る。複数のガラモンが、ビルを破壊したり東京タワーを倒したりしている。助手席で待っていた男は、運転手のいないトラックを盗んで発車させてしまう。

目的は榛名湖。非常線を突破したトラックは、遂に榛名湖畔に到着。チェロの箱を持った男を、湖畔のバンガローに追い詰める警官達。だが、男はリモコン操作によって警官の拳銃を取りあげてしまい、警官達を拳銃に射殺させてしまう。

男が隠れている場所を見つけた一平と万城目は、挟み撃ちにして男からチェロの箱を奪い取ることに成功した。花沢主任が箱の中の電子頭脳を電波遮蔽網で包むと、東京のガラモン達は口からベトっとした液体を吐き出して、一斉に動きを止めた。

一緒に来ていたトラック運転手が、落ちていた拳銃で逃げる男に狙いを付けて発砲すると、命中して絶叫した。撃たれた男は立ち上がると、それは人間の姿をしていなかった。顔はセミのようで、首から下は銀色の宇宙服を着た宇宙人になっていた。

湖水に向かって一歩ずつ歩いていく宇宙人。すると水面が泡立ち、水中から宇宙船がゆっくりと出現した。そして手を振るセミの顔の宇宙人に光線を浴びせると、その体はたちまち炎に包まれていった。絶叫しながら果てるセミの顔の宇宙人。

『彼は任務の遂行に失敗した。あれが彼等の掟なんだ』
焼き殺された宇宙人を見ながら、そうつぶやく万城目。やがてゆっくりと上昇すると、高速で飛んで行く宇宙船。

危機は去ったものの、花沢主任は電波遮蔽網で包んだ電子頭脳を持ちながら、次のように話した。
『人類の科学が、このチルソナイトの電子頭脳を破壊することができない限り、危険はまだ続いているんだ』 (おわり)


★★★★★★★★★★★★
花沢主任を平田昭彦氏が演じている。この時の演技で、『ウルトラマン』の宮本博士役は決まったようなものだね。



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