『人造人間キカイダー』をより深く語ろう会(第2回) [キカイダー座談会]
『人造人間キカイダー』の大ファンだという精神科医のA氏と出版社社長(当時)のB氏が、石ノ森キャラクターの中でも異色のキャラであるキカイダーについて、その魅力を語る。
★★★★★★★★★★★★
(前回から続き)
司会;
「今から見ると、変身シーンは相当工夫していますね、空港の案内板みたいにパタパタパタと・・・。あの当時は、どうやって変身シーンを演出しようかと工夫したんでしょうけどね。
ところで、このキカイダーのデザインは、当時左右対称でカッコイイのが当たり前というヒーローの中にあって、これをぶつけていくという石ノ森さんのデザインセンスですよね」
B氏;
「ちょうど『キカイダー』は、『仮面ライダー』を放送した後の枠なんですね。夜8時台にやった番組なんで、ライダーよりもちょっと大人っぽくしようという製作者の意図があったわけです。ですから、心の問題とかデザインの問題も、その辺に反映しているように思いますね」
司会;
「良心回路という設定が、また物語に深みを与えていますね」
A氏;
「名前がジェミニっていうんですね。ふたつに分裂していることが、基本に置かれているというかね。良心回路という、人間が正しく生きるための心と同じものが、不完全であると。でも良心とはね、逆に言うと不完全だからこそ、それが本質だとも言えるわけなんですよ。
中学1年の時は、これが何の意味だかよくわからなかったんだけど、これは非常に深い存在の根本を問うているような気がしますね」
司会;
「それから、ギルの笛によって操られる。これって、我々の良心も誘惑によっては動かされてしまうことを、象徴していますよね」
A氏;
「ギルの笛が鳴ると、キカイダーは困るんじゃないんですよね。完全に悪に染まって、自分の力を100パーセント出して物を破壊しようとする。でも人間の本質って、そういうところがあるじゃないですか。
自分がわがまま勝手にやろうと思ったら、物事を破壊して自分の好きなようにすると。逆にいうと、ダークサイドの魂を開放するような笛でもあるんですよね。まさに誘惑の笛ですよね」
B氏;
「それを理性がね、一所懸命抑え込むから苦しんでいるわけですよね、ジローは。あの毎回の苦しみ方がたまらないわけですよね」 (つづく)
★★★★★★★★★★★★
この対談を観ていたら、映画になった『キカイダー・リブート』が見たくなってきた。近いうちにテレビで放送してくれるといいのだが(笑) このキカイダーのように、昭和のヒーローがリメイクされて平成に甦る(よみがえる)というのは、非常にうれしいことだ。
『電人ザボーガー』も、平成に映画リメイクされた作品のひとつだ。大人になってもヒーローに憧れるのは、子供じみたことだと言う人もいるが、大人のためのヒーロー番組があってもいいだろう。
子供の時にみたヒーロー番組で、平成の世になっても語り継がれているモノは、どの作品を取ってみても、製作スタッフ陣が「単なる子供向けに作っていない」作品ばかりだ。いつまでも面白い番組は、子供番組扱いせず、誤魔化すことをしないという製作スタッフたちの思いが込められている。
そのことを、大人になった僕たちが感じ取れるから、いつまでも面白いのだ。原作者はもちろん、それを良い番組に仕上げてくれた、脚本家と製作スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
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(前回から続き)
司会;
「今から見ると、変身シーンは相当工夫していますね、空港の案内板みたいにパタパタパタと・・・。あの当時は、どうやって変身シーンを演出しようかと工夫したんでしょうけどね。
ところで、このキカイダーのデザインは、当時左右対称でカッコイイのが当たり前というヒーローの中にあって、これをぶつけていくという石ノ森さんのデザインセンスですよね」
B氏;
「ちょうど『キカイダー』は、『仮面ライダー』を放送した後の枠なんですね。夜8時台にやった番組なんで、ライダーよりもちょっと大人っぽくしようという製作者の意図があったわけです。ですから、心の問題とかデザインの問題も、その辺に反映しているように思いますね」
司会;
「良心回路という設定が、また物語に深みを与えていますね」
A氏;
「名前がジェミニっていうんですね。ふたつに分裂していることが、基本に置かれているというかね。良心回路という、人間が正しく生きるための心と同じものが、不完全であると。でも良心とはね、逆に言うと不完全だからこそ、それが本質だとも言えるわけなんですよ。
中学1年の時は、これが何の意味だかよくわからなかったんだけど、これは非常に深い存在の根本を問うているような気がしますね」
司会;
「それから、ギルの笛によって操られる。これって、我々の良心も誘惑によっては動かされてしまうことを、象徴していますよね」
A氏;
「ギルの笛が鳴ると、キカイダーは困るんじゃないんですよね。完全に悪に染まって、自分の力を100パーセント出して物を破壊しようとする。でも人間の本質って、そういうところがあるじゃないですか。
自分がわがまま勝手にやろうと思ったら、物事を破壊して自分の好きなようにすると。逆にいうと、ダークサイドの魂を開放するような笛でもあるんですよね。まさに誘惑の笛ですよね」
B氏;
「それを理性がね、一所懸命抑え込むから苦しんでいるわけですよね、ジローは。あの毎回の苦しみ方がたまらないわけですよね」 (つづく)
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この対談を観ていたら、映画になった『キカイダー・リブート』が見たくなってきた。近いうちにテレビで放送してくれるといいのだが(笑) このキカイダーのように、昭和のヒーローがリメイクされて平成に甦る(よみがえる)というのは、非常にうれしいことだ。
『電人ザボーガー』も、平成に映画リメイクされた作品のひとつだ。大人になってもヒーローに憧れるのは、子供じみたことだと言う人もいるが、大人のためのヒーロー番組があってもいいだろう。
子供の時にみたヒーロー番組で、平成の世になっても語り継がれているモノは、どの作品を取ってみても、製作スタッフ陣が「単なる子供向けに作っていない」作品ばかりだ。いつまでも面白い番組は、子供番組扱いせず、誤魔化すことをしないという製作スタッフたちの思いが込められている。
そのことを、大人になった僕たちが感じ取れるから、いつまでも面白いのだ。原作者はもちろん、それを良い番組に仕上げてくれた、脚本家と製作スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
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タグ:キカイダー座談会
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