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帰ってきたウルトラマン(11) ~第二次ウルトラブームにおけるウルトラ兄弟 [帰ってきたウルトラマンこぼれ話1]

『帰ってきたウルトラマン』最終回の翌週から、新番組『ウルトラマンA』が始まる。この新シリーズから、『ゾフィ』を長兄として過去に地球で活躍したウルトラマン達がみな兄弟であるという『ウルトラ兄弟』が基本設定される。地球で活躍した順に、初代マン、セブン、そして新マンが四番目。

エースが五番目の(この時点で)末っ子となり、エースに地球防衛の使命が託される。いわゆる『ウルトラ五兄弟』である。筆者は『ウルトラマンA』まで毎週欠かさずに見ていたと記憶している。それはエースまでの怪獣なら、姿をみれば名前がすぐ出るという反射行動?が出るからほぼ間違いない。

タロウになるとそれが怪しくなり、レオになるとレッドギラス・ブラックギラスの兄弟怪獣他いくつかしか分からない。新マンでセブンが助けに来てくれた(ゲスト出演)ように、エースではそれがもっと多くなるであろうことは第一話ですでに表現されていたのである。

新マンの時はピンチを救うための登場だったが、エースになると敵が《ウルトラ兄弟もろともエース抹殺を企てる》という新しい展開が待っていて、過去のウルトラマン達が抹殺のターゲットとしてゲスト出演するという、異常な光景を見ることになる(第13・14話)。

ウルトラ兄弟はヤプールに騙されてゴルゴダ星におびき出され、かつてない大ピンチを迎える。M78星雲人の弱点を突かれて冷凍ガスを浴びせられ、ゾフィから新マンまでの四兄弟は自分のエネルギーをエースにチャージしてエースを助け、地球へ向かわせた。

エネルギーを消耗して動けない四兄弟は、ゴルゴダ星で磔(はりつけ)にされてしまう。エネルギーが消耗して後が無くなった四兄弟はエースに各自のエネルギーを託し、それを受けてエースは必殺技・スペースQでみごとに敵を粉砕する。

エース第26・27話では、ヒッポリト星人がエースの引き渡しを要求し、筒状のケースに閉じ込められたエースは謎のガスによって人形にされてしまう。ウルトラサインを見て助けに来た四兄弟も、同じワナにかかり人形にされてしまう。

このピンチに地球に初見参した『ウルトラの父』がエースを復活させ、エースはヒッポリトを撃破。しかしウルトラの父は高齢のため?か、命を落してしまう。

親や兄姉なら、先に生まれている分だけ弟妹よりも力や知恵があるのは普通であるが、ウルトラ兄弟に関しては、主人公の弟が最後に目立つためのストーリー展開にしたいためか、兄たちはあまり活躍の場が無い。

セブンが新マンに《これを使え》とウルトラブレスレットを与えたように、兄たちが弟を叱咤激励するような場面は、エース以降はほぼ見られない。これは兄たちが戦ってきたのが怪獣であって『超獣』ではないから、兄たちも手におえないからかもしれないが。

『ウルトラマンレオ』では、展開が少々違っている。まずレオはM78星雲人ではない。しし座L77星人で、マグマ星人に故郷を滅ぼされて、地球に逃げてきたわけである。ウルトラマンに似てはいるが、宇宙警備隊(ウルトラ兄弟)の一員という設定ではない。

だから第一話でウルトラセブンと兄弟怪獣との戦闘にレオが助けに入ったときも、モロボシダンはおおとりゲンを知らなかった。その後大怪我でセブンは変身出来なくなり、M78星雲との連絡も付けられなくなってしまった。

そんなセブンにM78星雲から新マンが助けに来る。第34話で郷秀樹の姿でおおとりゲンの前に姿を現すのだが、敵に口を封じられてマスクをしてるため話が出来ない。おおとりゲンと郷秀樹はお互いを知らないため、郷がダンと会うまでにはもう少し時間がかかる。

ウルトラマンレオにおいてウルトラ兄弟が出演する時は、レオを助けるためではなく変身できないモロボシダンを助けるためという変則的事情が、そこにある。

のちにレオがウルトラ兄弟の一員となるために、レオ兄弟とウルトラ兄弟が一度戦うことになる。レオの弟アストラに化けたババルウ星人が、ウルトラの星のウルトラキーを盗み出す。そのためウルトラの星は軌道をはずれ、地球と衝突する軌道をとる。

ウルトラ兄弟と、レオ・偽アストラが対峙する。ウルトラ兄弟は、偽アストラをかばうレオを光線技で倒してしまう。そこに『ウルトラマンキング』が登場し、偽アストラの正体を見破る。本物のアストラも発見され、レオ兄弟はババルウ星人を倒してウルトラの星と地球との衝突は回避された。

『ウルトラマンキング』の申し出により、『レオ兄弟』はここに『ウルトラ兄弟』の一員として認められるのである。L77星人という新ヒーローがM78星雲人という旧ヒーローと戦い合うというこの展開は、良いのか悪いのか。

かつて『仮面ライダー龍騎』の制作発表記事で、石ノ森先生の奥様の発言;『ライダー同士が戦い合うことは、私はどうも・・・』と書かれていた。ライダー同士、ウルトラマン同士が戦うという、正義の使者同士が相争うというこの展開。複雑化したヒーロー設定がもたらした弊害といえるだろう。



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