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50人のウルトラマン(8・終) [ウルトラマンこぼれ話1]

ウルトラマンを支えた人たちの話も、最終回を迎える。始めて地球に来たウルトラマンがハヤタに自らの命を吹き込んだように、ウルトラシリーズに関わった多くのスタッフたちが、ウルトラマンに命を吹き込んだのだった。

ウルトラマンがゼットンに倒された最終回『さらばウルトラマン』の撮影をしていた頃の心境を、各人に語ってもらおう。


★飯島敏宏(監督)★
「あの別れはね、子供たちと同じ気持ちですよ、サヨナラっていう。最終になってくると、あれもやりたかったのに、これもやりたかったのに、っていう思いもあるし。テレビにも映画にもならなかったけども、ゼットンに負けた後のウルトラマンがどうなったかという脚本を、ボクは書きましたよ。

そこに思いを込めたつもりですけれど、惜別というのは、悲しかったですよね。ホントに哀惜の念があって、帰ってきてくれよという気持ちが当時はありましたね」


★満田 穧(監督)★
「当時はもちろんホームビデオもない時代だから、1回放送あるいはせめて再放送をもう一度くらいで、その作品は全部終わっていくなとは思っていたわけですよね。その後どんどんホームビデオが当たり前になって、グッズなども売れるようになって。

それでもベースメントとしては、ウルトラQそしてウルトラマンというシリーズをきちんと作っていたからだなと思っているんですよね。あれがベースに無ければ、今日は無いと思ってますから。一番最初のベースをちゃんと作っておいてよかったなと、今でもホッとしてますよ」


◆佐々木 守(脚本家・故人)◆
「ガバドンやスカイドンのような話を書いても、円谷プロがきちんと作ってくれたんですよね。それを実相寺さん(監督)がよく撮ってくれた。それまでの怪獣映画には、そういう(寝てるだけとか重いだけといった)シーンが無いわけでしょ。

ところがそういうシーンを発想するとね、きちんとやってくれるというのは、当時の円谷プロの幅の広さだったと思うんですよね。ぼくだけじゃなくて、様々な脚本家・演出家たちが様々な発想をしながら様々なシーンを作り上げていった。

そのことが当時のウルトラマンから怪奇大作戦に至るね、当時の円谷プロを中心にしたウルトラシリーズの枠・内容を、ものすごく広げていったんでしょうね」


◆実相寺昭雄(監督・故人)◆
「そういう(ウルトラマン)シリーズをやった後で、ぬいぐるみ(怪獣スーツ)の面白さとか空間を使った特撮の面白さとか、プロレスごっこみたいなものの面白さが、だんだんわかってきたかな。当時はもうちょっと違う事考えてたんじゃないかな。

ぬいぐるみって、最近のSFXっていうのかな、デジタル化した特撮とはちがう空気感があるよね。なるべく現実に近づけようしてアニメのセル画みたいに平面化していくようなそういう特撮よりも、ピアノ線が出たりするようなミニチュア特撮の面白さが好きですよ」


★★★★★★★★★★★★
SFX技術の急速な進化の中にあっても、怪獣映画は、やはりミニチュア特撮に軍配を上げたい。デジタル処理した防衛チームの戦闘機は平たく見え、ミニチュアモデルの立体感には到底敵わない。手作りの味が出るのも、ミニチュアによる特撮だ。円谷英二が残した技術を絶やすことなく、引き継いでいってもらいたいと思う。


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