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仮面ライダーを創った男たち(1) [仮面ライダー1号・その1]

両スタッフの証言によれば、ウルトラマンも仮面ライダーも最初は単発の連続ドラマで、シリーズ化などは全く考えられていなかった。『ウルトラマン』はウルトラマンAの登場でウルトラ兄弟という設定を得てシリーズ化していき、『仮面ライダー』は主人公・本郷猛役の藤岡弘、氏が撮影中の大怪我で出演不能となり、2号ライダーの登場という苦肉のアイデアを得て、シリーズ化へのきっかけを作っていった。このピンチをチャンスに変えていった当時のスタッフたちの証言集。


平山 亨(元東映プロデューサー・故人)
インタビュー;
「ボクはほとんど毎週ね、石ノ森先生の所へ訪ねて次の怪人のキャラクターを描いてもらってたの。先生はもう描くのが速いの。先生の頭の中に浮かんでくるんだろうね、先生のアイデアもいろいろ出てくるわけ。クモにもいろいろあってねとか、水グモなんかもあるし、そういうのどうだとか。それを台本の方に、そういう先生のアイデアを入れたりしてね」

「主人公は改造人間になりたくてなったんじゃない。ホントは普通の人でいたかったんじゃない?。そういうのボクは好きだし、先生もそうだった。だからボクは先生とそういうところが性が合ってたんだろうな、きっとね」


前沢 範(レインボー造形企画代表)
インタビュー;
「私なんかは先生と直接打ち合わせをしたり、ゴレンジャーやなんかがあったときにね、試写を見てそのあとに、先生はちょっと時間あるならデザイン画何枚か描いてくださいって頼むんですね。あの先生はサササッーってだいたい10枚くらい描くんです。

それで細かい事は言わないです。で、前さん、これ頼むよ、任せるよって。でね、任された方がこっちもイメージ膨らませることができますから、楽しいんですよね。中に入るアクターは目をじかに出すし、ってことになると動きも良いしね。

下は足そのもので、上だけあってそれがちょっと暗い所から出てくると、化けてるって感じになるんですよね。できる限りレアルに作りたいという気持ちはありましたよ。子供の目で見て、ホントに怖いのか、別に怖くないのか、こっけいなのかとかね。でもね、みんなやっぱり怖かったんでしょうね」

★★★★★★★★★★★★
順調な滑り出しの仮面ライダーだったが、主役の本郷猛を演じる藤岡弘、が撮影中にバイクで転倒、全治6か月の大けがを負ってしまった。藤岡の回復を待っていては、番組に穴が開いてしまう。本郷猛がショッカーに殺されたことにし、新しいヒーローを立てる案まで打ち出された。

そして平山が出した結論は、佐々木剛演じる仮面ライダー2号の登場だった。本郷猛はショッカーを追って、ヨーロッパへ旅立ったことにした。変身ポーズが子供たちをとりこにし、仮面ライダーは一大ブームになっていく。

さらに傷の癒えた藤岡が復帰したダブルライダー編では、30パーセントの視聴率をたたき出し、これによって仮面ライダーはシリーズ化のきっかけをつかんでゆく。


平山 亨(元東映プロデューサー・故人)
インタビュー;
「早く殺しちゃえって!いうから、でもって近藤正臣連れてこいって・・・。仮面ライダーは改造人間でしょ?改造人間が死んじゃったらマズいでしょ(笑)。こりゃね、子供が聞いたらビックリするし、バカバカしくなっちゃうと思うんだよね(笑)」

「石ノ森先生のおかげだったり、ライターや監督のおかげだったり。役者のおかげだったり、みんなのおかげで、なんとかここまで来られましたですよ。一番うれしいのは、当時子供だった人が立派な大人になって、その人が子供の頃の思い出を語ってくれたりするわけだから・・・」



◆★★◆★★◆★★◆★★◆
筆者は平山亨氏が他界したことをまったく知らずにいた。この稿を書くにあたり調べていたら、昨年2013年7月31日に亡くなられており、享年85歳だった。とても残念で悲しい気持ちだ。まだまだお元気でいてほしかった。お会いしたことは一度も無いが、そんな気持ちになった。

子供の頃に見ていた番組のほとんどに関わっておられたと言っていいほど、無くてはならない人であったと思う。八手三郎というペンネームを使っていることも、知らなかった。東映ヒーロー番組の主題歌の作詞や原作者名として、よく見かける名前である(正式には東映テレビ事業部との共同ペンネームである)。

心よりご冥福をお祈りすると共に、これからも空の上から、東映の新生ヒーロー達を見守って頂きたいと思う。(合掌)


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