SSブログ

ジャンボーグA(14) [ジャンボーグA・ドラマ2]

第41話『宇宙魔女ババラスのロボット作戦』を取り上げます。
 脚本;安藤豊弘  
 特殊技術;吉村善之
 音楽;菊池俊輔
 監督;東條昭平
 怪獣デザイン;米谷佳晃


◆秘密基地で次の作戦を練っているサタンゴーネを、聞き覚えのある声が呼んでいた。
『サタンゴーネ、サタンゴーネ!』
『誰かがワシを呼んでいるぞ・・・』

『サタンゴーネ、サタンゴーネ!』
『あの声は、ババラスだ!・・・』
IMG_1099.jpg
黒い装束に身を包み、杖を持った赤い目の老婆が、姿を現した。
『しばらくじゃったのう、サタンゴーネ』
『ははぁ・・・』

宇宙魔女ババラスはサタン族の長老であり、サタンゴーネの祖母であった。地球での孫の不甲斐ない戦いぶりにしびれを切らして、地球へやって来たのだ。

『それは、あまりのお言葉・・・わたくしめ、サタン家ご先祖様の名を辱めぬよう、日夜勇敢に戦っておりますぞ!』
『たわけめ!ワシの千里眼を、欺けるとでも思っておるのか!』

ババラスは、突然空中へスクリーンを作ると、サタンゴーネの送りこんだ怪獣とジャンボーグAやジャンボーグ9との戦いぶりを映し出し、負けが込んでいるその様子を見せながら叱責した。
IMG_1100.jpg
『これでも、ご先祖様に恥ずかしくないといえるのか!』
『ハハ、恐れ入りました・・・』

『もうお前には、任せておけぬ。サタン家の名誉にかけて、このワシがジャンボーグAとジャンボーグ9をやっつけてやるのだ!』

宇宙魔女ババラスは、ジャンボーグAとジャンボーグ9を倒すための秘策を用意していた。そして、連れてきたロボットの名を、声高に叫んだ。

『オネスト、オネスト!』
『お呼びで。ババラス様・・・』

小学校の友達が、真新しい自転車に乗っているのを見た和也は、自分も欲しくなり、母親におねだりをした。今は駄目だけど、必ず買ってあげると母親は約束をするが、すぐ欲しい和也は言うことを聞かない。そこへ、ナオキがやって来た。

義理の弟・ナオキへ、結婚指輪を売ってまで買ったジャンカーを引き合いに出して、買ってくれないくやしさを母とナオキへぶつけると、どこかへ飛び出して行ってしまう。

ナオキは、飛び出していった和也を探しながら、自転車店の前を通った時に、自分のポケットの中から出した小銭と相談するが、とても新品の自転車には手が届かない。

その頃、PAT本部を飛び出した和也は、近くの河原で流れゆく川に大きな石を投げて、水しぶきを立てる川に自分の思いをぶつけていた。
『自転車なんか、欲しくねぇや!』
IMG_1101.jpg
そんな和也に、声をかけて近寄ってくる女性がいた。そのきれいな女性に汚れた頬をハンカチで拭いてもらった和也は、怒りがいっぺんに収まってしまう。女性が抱えていた仔犬の名前を聞く和也。

「オネストよ」と答える女性の手元から、仔犬が突然逃げ出してしまう。仔犬を捕まえてくるからと女性に言って、和也は河原を走って仔犬を追いかけていくのだった。その様子を、怪しい笑顔で見送る赤いスカートの女性。

河原で仔犬のオネストを見つけた和也は、捕まえようとするが、仔犬は突然ロボットに姿を変えると、逆に和也に襲いかかってくるのだった。
IMG_1102.jpg
最初抵抗していたが、恐怖の余り気を失ってしまった和也を抱えて去って行くロボット・オネスト。その様子を見ていた女性の姿は、宇宙魔女ババラスに変わった。

お寺の境内で気がついた和也は、後ろから声をかけられ、振り向いた。そこには、さっき自分を襲ったロボットが立っていた。
IMG_1104.jpg
『先程は、失礼いたしました。私は、決して怪しいロボットではありません。遠い星から地球へ迷い込んだのです。身を守るためイヌに変身して、友達を探していました。信じてください。その代りに、私の出来ることなら、何でもします・・・』

和也に自分の身の上を説明して、友達になって欲しいと言うロボット・オネスト。悪いロボットではないと思った和也は、何でもするというオネストに、自分は自転車が欲しいとねだるのだった。

ロボット・オネストはマントで自分の腕を隠すと、手のひらに乗る古風な形のおもちゃの自転車を出してみせた。

乗れる自転車が欲しいんだと、ガッカリする和也。すると、後ろを向いてマントを広げると、今度は形は同じだが人が乗れる自転車を出してみせた。

和也は感激した。そして、古風な形の自転車に乗りながら上機嫌になり、このロボットと仲良くなってゆくのだった。その様子を、モニターで観ているババラスとサタンゴーネ。

『アハハハハ・・・オネストは、この子供をうまく手なずけたぞ。この子供は、PAT基地へ自由に出入りすることができるのだ・・・』

その頃、PAT基地内のスナックには、1台の中古自転車を一所懸命に磨くナオキの姿があった。和也の喜ぶ顔がみたくて、懸命に自転車を磨くナオキ。

そこへ、仔犬を連れて和也が戻ってきた。友達から預かったという仔犬を大事に抱えて帰ってきた和也に、母が後ろを指差して自転車の存在を教えた。

「中古じゃ、いやか?」と言うナオキに対し、和也は「実は、もう欲しくないんだ」と言い出す。不審に思う母とナオキの前で、突然仔犬が和也の手元から逃げ出してしまった。基地内を走って逃げて行く仔犬、それを懸命に探し回る和也。

『オネスト!・・・オネスト!』

その頃、オネストは、PAT作戦司令室に潜入していた。必死に捕まえようとする隊員たちから、キャンキャン鳴きながら逃げ回る仔犬。いち早く異状に気付いたのは、村上隊長だった。

ドアの隙間から仔犬が逃げ出した後、室内の電気を消すと、走り回った仔犬の足跡が青白く浮かびあがって消えた。隊長は、至急仔犬を捕まえるよう指示を出した。

『あの犬は、グロース星人のスパイ犬だ』

村上隊長から話を聞いたナオキは、和也を探しに出かけた。その頃、オネストと和也は、林の中で隠れていた。ナオキが探しに来たら、なんとか誤魔化して追い返そうとする和也。

『和也、あの犬はどうした?』
『友達に返したよ・・・』

『ウソをついても駄目だ。正直に言え!あの犬はな、グロース星のスパイ犬なんだ!』
『ウソだ!』

思いもよらないことをナオキから聞き、戸惑う和也。まだ近くに仔犬がいると思い、林の中を探しに行くナオキ。だが、その出端をくじく様に、強烈なパンチをナオキにお見舞いするロボット・オネスト。
IMG_1107.jpg
『あの犬の正体は、貴様だったのか!』
ナオキを殴り倒したロボット・オネストに、和也は「何をするんだ!」と叱るが、遂に悪魔の正体を現したロボット・オネストは、和也を人質にして逃げて行く。
IMG_1110.jpg
スパイ犬の正体をPAT本部へ報告し、応援要請を出した大羽と野村は、逃げて行くロボット・オネストをバモス二世で追った。ジャンカーで追いかけて、ロボット・オネストに追い着いたナオキは、格闘の末、和也を奪還することに成功した。

バモス二世から銃弾攻撃を受けたロボット・オネストは、遂に巨大化してオネストキングとなり、PATへ逆襲して来た。

『和也。お前は利用されていたことが、これでわかっただろう』
『うん・・・』

本部からハンターQが出撃してきて、オネストキングを攻撃する。その間にナオキは、和也を連れてジャンカーで脱出しようと試みたが、ジャンカーはオネストキングに蹴り飛ばされてしまう。

『あの車は、俺の命だ!』
大羽と野村の両隊員に和也を預けると、ナオキはジャンカーの近くまで走り寄るが、すでに使える状態ではなかった。

『こうなったら、ジャンボーグAだ!』
村上隊長と熊井が乗ったハンターQは2機に分離して、オネストキングを攻撃しはじめた。

ジャン・セスナに乗って戦場へ戻ってきたナオキは、ジャンボーグAに変身。
『ジャン・ファイト!』
IMG_1113.jpg
オネストキングは自分の左手首を飛ばして、ジャンボーグAの首をつかんだまま離さない。手首は鎖で身体とつながっており、首を絞める力を得ているのだ。
IMG_1114.jpg
オネストキングは鎖を引っ張りながら、ジリジリとジャンボーグAを手繰り寄せようとする。そこへ、宇宙魔女ババラスが、とどめを刺しに現れた。
IMG_1115.jpg
だが、ハンターQが、ジャンボーグAとオネストキングを結ぶ鎖を、切断することに成功。手首に絞める力が無くなり、反撃を開始するジャンボーグA。必殺・スクリューハリケーンを受けたオネストキングは、全身が火だるまになり、大爆発してしまう。

『ヤヤヤヤ、悔しい・・・オネストキングの仇は、必ず討ってやる!』
ババラスはそう言うと、赤い煙に姿を隠して去って行くのだった。

和也は、オネストにもらった古風な形の自転車を捨てようとする。だが、それを「もらっておけ」と、ナオキは言うのだった。だが、それを見ていたババラスは、あの自転車を利用して・・・。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
宇宙魔女ババラスの人間態を演じたのは、ホーン・ユキという女優だ。日本人離れした顔立ちの美しい女優さんで、アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれたハーフだという。あんな女性に、ハンカチで優しく顔を拭いてもらいたいな(^^)



スポンサーリンク



nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。