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ウルトラQ(4) ~「午前3時、また聞いたペギラ」謎のメモを残して野村隊員は消息を絶った [ウルトラQ・ドラマ]

今回は第5話『ペギラが来た!』を取り上げます。

監修;円谷英二
脚本;山田正弘
特技監督;川上景司
監督;野長瀬三摩地


◆三年前南極で失踪した野村隊員の足取りを探すため、万城目は南極越冬隊に参加していた。船上で隊長と歓談をしていると、突如上空を黒雲が覆って急激に気温が下がり始めた。この黒雲こそが、これから遭遇する恐ろしい出来事の前兆だった。

南極越冬隊基地に着いた万城目は、越冬隊長から野村隊員の書いた手帳を渡される。『午前3時、また聞いたペギラ』 謎の言葉を書き残して消息を絶った野村隊員の捜索の件を、隊長は一の谷博士から聞いて知っていたのだ。

すると突然、外気温度計が急激に下がり始め、温度計の針はマイナス100度を下回った。『信じられん!』隊長は、船から積み荷降ろしの作業をしていた隊員たちに緊急避難命令を出した。隊員全部に防寒服を着させたが、防寒服が役に立たないほどの寒さであった。

ひとり雪上車に乗っていた伊藤隊員は、雪上車ごと舞い上がり、消息不明になってしまった。緊急会議が招集された。ひとつ目は伊藤隊員の捜索、もうひとつは、全員が見たという「雪上車が紙のように舞い上がった」ことをどう解釈するかという点についてだ。

『あれはクレバスに落ちていく雪上車が、空に映ったのを見たんだ』
科学的な解釈で説明しようとする隊員は、あの現象を錯覚だと決め込んでいる。

野村隊員のメモを詳しく読んだ万城目は、「野村隊員の失踪当時も大寒波に襲われていること。生物学者でもある野村隊員が寒波の中で、学者として見逃せない何かを発見しそれを確認するために、午前3時に雪上車で出かけた」という仮説を立ててみた。

万城目は、彼の失踪とこの大寒波は関係があるのではないかと発言した。万城目は午前三時に出かけてみようと考え、雪上車に乗り込もうとしたところ、同じように行動する人物を、暗闇の中で目撃する。

久原(くはら)女医であった。彼女は行方不明の野村隊員のフィアンセだった。会議の様子を聞いていて、自分の眼で確かめたかったのだ。そこに行方不明だった伊藤隊員が帰ってきた。

瀕死の重傷を負った伊藤隊員はつぶやく。
『のむらさん・・・みた・・・』 

外が明るくなってから、久原女医は雪上車に乗って野村隊員を探しに出かけた。久原隊員がいないことに気付いた万城目と隊長たちは、久原隊員の雪上車のキャタピラの後を追った。昨日雪上車が舞い上がった付近で、雪に突っ込んでいる雪上車を発見する。

気を失っている久原隊員を見つけ、雪上車へ運んだ。久原隊員を守るように一匹の犬がいた。『サブロウじゃないか!』3年前に野村隊員と一緒にいなくなった犬だった。

そのすぐ近くの氷の中に、眠るように埋まっている野村隊員を発見する。スコップで掘り起こそうとしたその時、巨大な氷山のような怪物が咆哮(*)と共に姿を現し、口から冷凍光線を吐き出した。その瞬間無重力状態となり、雪上車もろとも4人は空中へ飛ばされてしまう。

(*)咆哮(ほうこう);猛獣などが吠えたけること、またはその声。

やがて万城目は久原隊員を見つけ、他のふたりも無事であった。『あれがペギラだったんだ』 万城目と久原隊員は、サブロウがペギラの近くで3年も生きていられた理由を考えていた。久原隊員は、サブロウの口に付いているコケに着目した。

コケを食べて生きていたサブロウを、ペギラは嫌って襲わなかったのではないか。久原女医がそのコケから抽出した「ペギミンH」を投与したアザラシが死んだことを報告、怪物ペギラにも効力があるのではないかという見込みに賭けることにした。

気象観測用ロケットに積んで、100メートルまで引きつけて撃つ。また気温が下がってきた。ペギラが来襲してきた。半目を見開いて咆哮するペギラ。ロケットは設置準備完了。スクリーンに映るペギラの姿に恐れおののき、急いでロケットを発射しようとする隊員。

『待て、チャンスは1回しかないんだ』

110メートル、105メートル、103メートル、『発射!』万城目がボタンを押すと、ペギラの鼻付近に命中! 大きな吠え声を出してこれを嫌がったペギラは、両翼をバタつかせるとスーッと浮上し、黒雲と共に去っていった。

『やぁ助かった、助かった!』
かくして巨大怪獣の脅威は去った。野村隊員の墓の前に、東京から持ってきた土をまく久原隊員。
『あなたの故郷の土なのよ・・・』

《ナレーション》どんな動物にも嫌いなものがひとつはあるものです。あなたがもし怪獣に襲われたら、まずはさておき、それを探すことです・・・(終わり)


★★★★★★★★★★★★
オープニングの、氷壁に向かって進む場面の船先が、絵であった。よく見ないと分からないほど、よく出来ている。今回の主人公・久原女医は、『ウルトラセブン』の名作『超兵器R1号』の女性科学者役の田村奈己氏である。

突っ込み所はいくつかあるが、一番気になるのは、重症で寝ている伊藤隊員が、怖い顔して久原女医を襲うような素振りをする場面が、意味不明。全体として、南極の氷壁や寒い感じがとてもよくできていると思う。やはり白黒画面が雰囲気作りに貢献しているなぁと、つくづく思う。
万城目淳の時計は、高級腕時計ロレックスであった。スゴイね!


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