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ご他界された方々を偲んで【第三回】 [偲んで]

【ご他界された特撮関係の方々を偲んで】と題して、仮面ライダー1号、2号、そしてV3にご出演されたレギュラー・準レギュラーの俳優さん、ショッカー・ゲルショッカー・デストロン怪人の声を演じた声優さんなどを中心に、ご紹介させていただきます。

【第三回】 
潮 健児(うしお けんじ)氏
1993年9月19日没(享年68)

大学予科在学中に召集に応じて軍務につき、終戦後の1945年に友人の紹介で古川ロッパ(昭和初期の代表的コメディアン)の一座に入団した潮健児氏でしたが、その後数年で退団し、大学に通いながら小劇団を転々としました。

1949年、太泉映画(おおいずみえいが)と契約した潮健児氏は、翌年『執行猶予』(佐分利信監督)で映画デビューを果たします。以来、太泉映画の後身である東映映画において、コミカルで憎めない役柄や『極道』シリーズ、『網走番外地』シリーズなどの任侠映画に個性的な名バイプレーヤーとしてご活躍をされました。

潮氏のお姿がお茶の間に定着しはじめるきっかけは、1966年10月からNETテレビ(現テレビ朝日)で放映された東映製作の特撮テレビドラマ『悪魔くん』のレギュラー、メフィスト弟役を演じたことによるでしょう。そして東映の平山プロデューサーとの出会いにより、『仮面ライダー』シリーズの地獄大使と暗闇大使を演じることへとつながって行きます。

水木しげるの漫画を原作とした『悪魔くん』は、東映のプロデューサー平山亨の初プロデュース作品でもあります。本作ではメフィストに兄弟がいることになっていますが、これはメフィスト役の吉田義男が病気降板したため、後を継いだ潮健児氏が演じるメフィストを「弟」とした結果です。平山亨は、助監督を務めた東映京都撮影所製作の映画『御金蔵破り』で変な役者として印象に残っていた潮健児氏を起用することを思いたち、メフィスト弟役に満場一致で決定したそうです。以後、平山亨の担当作品の常連として数々の作品に潮氏は出演していきます。

ちなみに、『悪魔くん』は作品としては人気を得たものの、妖怪を題材としていることから縁起が悪いとして定期のスポンサーがつかなかったため、結果的に2クール(26話)で終了となってしまいました。

『仮面ライダー』シリーズで潮健児氏が演じた地獄大使は、ゾル大佐・死神博士に続く第3のショッカー大幹部であり、同作品の敵幹部としては最も登場期間が長くなりました。前任の2人とは異なる怪人寄りの容姿や、潮健児氏による怪演技が視聴者にインパクトを与え、人気を博したからとされています。

ショッカー東南アジア支部から日本支部に着任した3代目大幹部(正体は怪人ガラガランダ)は首領への忠誠心が異常に強く、古代エジプトのファラオの仮面をモチーフにした特異な被り物や凝ったコスチューム、特注のショッカーベルトをまとっています。毒々しいメイクで彩られた顔は、「体を改造している時にあのような顔になった」と説明されています。

『仮面ライダーZX(ゼクロス)』で潮健児氏が演じた暗闇大使は、ショッカーをはじめとする歴代暗黒組織を裏から操っていた最強の暗黒組織「バダン帝国」唯一の最高幹部という設定です。ショッカー大幹部・地獄大使とは従弟にあたり、全身が金と銀を基調としていることを除いて外見がとても似ています。本名は「ガモン」と言い、自身より3か月早く生まれた後の地獄大使となる「ダモン」の影武者的存在を務めてきたという裏設定もありました。

潮健児氏の従兄弟にあたる俳優に、安藤三男(あんどう みつお)がいます。東映特撮作品では「悪の幹部」役として有名で、重厚なメイクで怪奇性・残忍性溢れる悪のヒーローを演じ、天本英世、潮健児と並ぶこの分野の第一人者でした(没年不明)。

1993年、潮健児氏は『第32回日本SF大会 DAICON6』にゲストとして招待されましたが、出演する企画の前夜にホテルの部屋で倒れました。付き添いの唐沢俊一(現カルト物件評論家、コラムニスト)は止めるよう勧めましたが、体調不良を隠して出演し、「暗黒星雲賞ゲスト部門」を受賞しました。このことを本人も喜んでいましたが、これが実質上「地獄大使、最後のステージ」となってしまいます。

1993年9月19日、神奈川県川崎市の病院にて肝硬変により死去。享年68
亡くなる2日前に、自伝『星を喰った男』の出版記念パーティーの会場に車椅子姿で出席したのが最後の活動となりました。

改めまして、故人様のご冥福をお祈りいたします(合掌)



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