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ジャンボーグA(12) [ジャンボーグA・ドラマ2]

第38話『サイボーグ・コマンドを倒せ!』を取り上げます。
 脚本;山浦弘靖  
 特殊技術;矢島信男
 音楽;菊池俊輔
 監督;東條昭平
 怪獣デザイン;米谷佳晃

◆地球征服を企むグロース星人サタンゴーネは、次なる作戦を実行するために、母船に小型宇宙船4機を積んで地球へと接近していく。

その頃PAT本部には、新兵器が到着していた。宇宙からの侵略者を宇宙で迎え撃つために開発された新型戦闘機「ハンターQ」である。これにバモス1世、バモス2世という地上戦で威力を発揮する新兵器も、同時に投入されることになっていた。

PAT基地内のスナックにハンターQの完成図を飾っていた大羽隊員から、3つの新兵器の話を聞かされた和也は大喜びだった。何しろ自分の亡き父親が隊長をしていたPATチームが、これらの新兵器で強くなるのだから。

そんな話をしていた時、地球へ近づいて来る怪しい飛行物体をレーダーが捉えた。スナックに集まるみんなの元へ、そのことを真剣なまなざしの野村せつ子隊員が知らせにきた。

『早くも、ハンターQの活躍の時が来ましたね!』(熊井)
『よし、出動!』(隊長)

『お前達の任務は、身体に仕掛けられた恐怖の細菌時限爆弾で、東京に住む一千万の地球人を皆殺しにすることだ。さぁ行け、サイボーグ・コマンドよ!』

サタンゴーネが母船から放った4つの小型宇宙船には、一人ずつサイボーグ・コマンドが乗り組んでいた。初飛行のハンターQ は大気圏を飛び出した所で、母船と小型宇宙船4機と遭遇した。

『司令船は俺が引き受ける。熊井と大羽は、カプセルロケットの方を頼むぞ』
新型戦闘機ハンターQは、2機の戦闘機に分離して攻撃することが可能だ。子機に熊井・大羽の両隊員が乗りこむと、ジェットを噴射して親機から分離していく。
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そして、地球へ向かって行く4機の小型宇宙船を追いかけ始めた。だが、4機の小型宇宙船は、地球の大気圏へ突入していった。一番最後を飛んでいた宇宙船に、熊井が撃ったマグネット弾が命中、爆発した。
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だが、爆発の瞬間に何かが飛び出し、パラシュートで降下していった。他の3機は厚い雲間に隠れてしまい、その行方を見失ってしまう熊井と大羽。一方の村上隊長機も、母船を取り逃がしていた。

パラシュートで落下した10センチほどの大きさのカプセルを、熊井達は回収して基地へ戻ってきた。村上隊長は熊井にカプセルを開けるよう命令し、そっとツマミを回して開ける熊井。
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すると、中からピンク色のエネルギー体が飛び出し、それは空中でだんだんヒトの形になっていく。黒いサングラスに黒い背広を着た男の姿になって、空中で浮遊していた。

その男は浮遊したまま、胸元から光線銃を出して攻撃を仕掛けてきた。周りを囲んでいた隊員達はすぐに三方へ散らばると、床に着地した男へ一斉に反撃をする。囲まれている男はたちまち火だるまになり、動かなくなった。

『隊長、こいつはサイボーグですよ!・・・なんだ?この音は!』
男に一番近い物陰に隠れていたナオキが、動かなくなった男のそばへ行き、調べてから叫んだ。
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動かなくなった男から時計のような音がするのを、ナオキは聞き取っていた。危険物処理のエキスパート熊井がすぐに近づいてきて、男の体からカチカチと音のするオレンジ色の小びんを取り出すと、ボタンを押して音は止まった。

『熊井、下手に手を触れると危ない。野村君、検査の準備をしてくれ』

村上隊長が思った通り、野村隊員の検査で判明したことは、小瓶の中の物体は恐ろしい宇宙細菌であった。水槽の中の金魚50匹が、数滴の細菌で一瞬のうちに死んだ。恐らくこの小びん一つで、数百万人分の致死量があると考えられた。

小びんの時限装置を解析して、タイムリミットまであと5時間15分と判明した。
『取り逃がしたサイボーグは3人。大至急探しださないと、たいへんなことになるぞ!』(村上隊長)

これと同じ宇宙細菌爆弾が、この広い東京のどこかにあと3つあることは、ほぼ間違いないだろう。東京の人ごみの中に逃げ込んだ3人を、あと5時間以内にどうやって探し出そうというのか。

『よし。いいものを見せてやろう!』

村上隊長は窮地に陥っても、常に沈着冷静である。グロース星人が送りこんだサイボーグは宇宙金属で出来ており、それが出す特殊電波をキャッチできる特殊アンテナ「ベム」を開発していた。
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このアンテナでサイボーグたちの特殊電波をキャッチして、居所を探そうというのだ。ハンターQと同時に、地上戦用の新兵器、赤い「バモス一世」と青い「バモス二世」がすでに投入されていた。

特殊アンテナ「ベム」を積んだこの新型戦闘車両は二手に別れて、それぞれ特殊電波を追って都内の道路を片っ端から走りまわった。

今、ちょうど午前10時。ナオキは腕時計を見て、午後3時のタイムリミットを頭に刻んだ。
『よーし。やってやるぜ!』

ナオキは愛車のジャン・カーで、都内を走り回った。電波反応があったらすぐに急行できるよう、バモス1世、2世と無線で連絡を取りながら、ナオキは都内を走り回っていた。

しかし、12時を過ぎ1時を過ぎて、遂に2時になってしまった。依然反応はなく、あせるPAT隊員とナオキ。

『チキショー。東京は広すぎる!人間も多すぎる!やっぱり奴らを探し出すのは無理だ!』

短気を起こし、ナオキは運転しながら叫んでいた。アンテナを積んだハンターQで上空から捜索する村上隊長も、依然として電波をキャッチできないことに、焦りの表情を隠せない。

『ナオキ、反応があったぞ!』(熊井)
『こちら、せつ子。こちらもキャッチしたわ。現在位置、渋谷の宮益坂よ!』
『こちらもキャッチした。現在、甲州街道上空を旋回中・・・』

ジャン・カーを停車させたナオキは、この三つの情報を手掛かりに、地図上にコンパスで円を描いてみる。すると、三つの円が重なる地点が、新宿中央公園であることが判ったのだ。

『隊長。奴らがいるのは、新宿中央公園です!』

バモス1世とバモス2世は、ハンドルを新宿中央公園に向けて切った。3方向から囲むように新宿中央公園に入ったナオキ、大熊、そして野村・大羽隊員たち。

やがて、陸橋の上で、地図を見ながらなにやら話をしている黒いサングラスに黒い衣装の男3人を、ナオキも隊員たちも発見した。

ナオキと隊員たちは、3人のサイボーグたちに飛びかかっていく。混乱の中で、2人のサイボーグが車に乗りこんで逃走を図ると、PATはバモス1世(一人乗り)とバモス2世(二人乗り)に乗り込み、そのあとを追った。
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だが、サイボーグたちが乗った車は運転を誤り、公園内に止めてあったジャン・カーと接触してしまう。3人目のサイボーグと格闘中のナオキの目の前で、ジャン・カーはボンネット部分が破損して、エンジン付近からは火を噴いていた。

『あっ!ジャン・カーが・・・』

だが、それにはかまわず、ナオキはサイボーグを追いかけた。公園から出て人通りの多い商店街の中へ逃げて行くサイボーグ。雑草が伸びた造成地へ逃げ、そこに立つ壊れかけたマンション内へ、ナオキはサイボーグを追い詰めた。

一方、熊井達が追っている2人のサイボーグが乗る車は造成地へ逃げ込んだため、発砲して後輪を破壊、走れなくなって車から出てきたところを追い詰めて、とうとう2人を取り押さえた。

サイボーグ2人の体内から細菌の入った小びんを抜き取ると、サイボーグたちを銃で破壊してしまう熊井。

『隊長、サイボーグ2体をやっつけました!』
『そうか。残るは1体だけだ。ナオキの応援に行ってくれ!』

ナオキは残る1体のサイボーグを、マンションの屋上へと追い詰めていた。だが、屋上に出ると誰もいない。爆発まで、あと5分しかない。ナオキが下を見ていると、どこに隠れていたのか、サイボーグに後ろから押されて、ナオキは転落しそうになってしまう。

落ちないようにふちをつかんでいるナオキの両手を、笑いながら靴で踏みつけるサイボーグ。そこへ駆けつけてきたバモス1世とバモス2世。熊井たちは、ナオキを踏みつけているサイボーグを下から銃で狙撃した。

落下していくサイボーグ。爆発まで、あと1分程しかない。サイボーグの体内から細菌の小びんを取り出し、スイッチを切る熊井。報告を受け、熊井を労う村上隊長。
『よくやった。これで東京は救われるぞ!』
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自力でやっと這い上がったナオキは、しかしこのあと、とんでもないモノを見てしまう。倒したはずのサイボーグが突然起き上がり、巨大な怪獣ケンダウルスに変身したのだ。

熊井達が怪獣に応戦している間に、ナオキはバモス2世を借りてジャンセスナの所へ急行した。ジャン・カーは破壊されて使えない。ジャンボーグAで怪獣を倒すほかはない。
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ケンダウルスの背は光線を跳ね返す。自分が放ったハンディングフラッシャー光線を浴びて、苦しむジャンボーグA。
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熊井はジャンボーグAを援護すべく、バモス1世に乗り込むと飛行モードに切り替えた。バモス1世は、プロペラを出して飛行できるのだ。ハンターQとバモス1世のケンダウルスへのミサイル弾攻撃が、ジャンボーグAの窮地を救った。
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ジャンボーグAは態勢を立て直すと、必殺・風車でケンダウルスにとどめを刺した。ジャンボーグAの操縦席にいるナオキは、PAT隊員の前では照れくさくて言えないが、彼等と彼等の新兵器に心からの感謝と敬意を表すのだった。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
ナレーターは、ウルトラセブンでもおなじみの浦野 光氏である。



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いっぷく

ピンク色のエネルギーが人の形になっていくシーン、
当時の特撮技術を駆使して制作したんだろうなあと
想像してしまいました。
by いっぷく (2017-03-16 17:09) 

レインボーゴブリンズ

いっぷくさん、いつもありがとうございます(^_^) 
あのシーンは、なかなかうまくできていると思います。でも、作る方は大変だったと思いますよ(+o+)。
by レインボーゴブリンズ (2017-03-16 22:49) 

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