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シルバー仮面ジャイアント(10) [シルバー仮面・ドラマ]

今回は、第19回《逆転シルバー旋風斬り》を取りあげます。

脚本;上原正三
監督;大木 淳
特技監督;大木 淳
デザイン;池谷仙克
音楽;日暮雅信
擬闘;高倉英二
ナレーター;森山周一郎

【キリー星人】
【ギラスモン】登場


◆春日兄妹と同じように、宇宙開発の為にロケットを開発・打ち上げる研究者は他にもいる。今、九州の種子島からキリー星を目指して、宇宙ロケットが打ちあがった。春日兄妹が先に見つけた第四銀河系内にあるキリー星は、地球と環境がとてもよく似ているとされる惑星であった。

レッドイーグル号と呼ばれるそのロケットは、春日兄妹の父・勝一郎博士のライバルであった鳥島博士が完成させた宇宙ロケットである。鳥島博士と三人の助手を乗せたレッドイーグル号は、キリー星に無事着陸を果たした。
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『太陽系を突き抜けて、人類が初めて銀河系の星に第一歩を記しました・・・』
飛行士のひとりがレッドイーグル号から衛星回線を通じてテレビ中継する様子を、津山研究所で見ている春日兄妹。

『歴史的一瞬であります。地球と同じ様に酸素も水もあると言われるキリー星・・・』
青い空が広がる様子をその映像は映し出していたが、光三は急にテレビのスイッチを切ってしまった。

『もうたくさんだ!大体キリー星は俺たちが発見し、ベム5号で俺たちが行くはずの星だったんだ!それをまるで泥棒ネコみたいに、何の予告もなく飛び出しやがって・・・』
『卑怯よね、鳥島博士のやり方って。許せないわ!』

光三の後から、ひとみが怒りを露わにした。だが、光一と光二はその二人に穏やかに話かけた。
『いかにも鳥島博士らしいやり方だよ・・・』(光一)

『父さんと鳥島博士は、学校も同じなら専攻も同じ宇宙工学のライバル同士だ。春日の息子に負けてたまるかと、思ったにちがいない』(光二)

鳥島博士に負けないようにすぐに後を追おうとけしかける光三に、穏やかな口調で「キリー星は鳥島博士に任せよう」という光一。それを聞いた光三は、兄に怒りをぶつけた。
『兄さんは、いつからそんなモノ分かりの良い腰抜けになったんだ!』

だが、今までの話を聞いていた津山博士が太鼓判を押して言うのだった。
『光一君が設計したベム5号は、構造理論、性能共に、明らかにお父さんの光子ロケットをしのいでいる世界一の宇宙ロケットだ。焦ってはいかん、チャンスを待つべきだ』

その頃、キリー星の調査地点へ到着した鳥島博士一行は、地質調査を開始していた。しばらくして、調査員のひとりが巨大な足跡を発見する。それはどう見ても、巨大生物の足跡であった。

写真を撮影していると、いきなりクラゲのような姿をした1メートル程の生物が、集団で調査隊に襲いかかってきた。鳥島博士は生け捕りにするよう助手たちに指示をしたが、なかなか捕獲できないためマシンガンでその生物を打ち殺してしまうのだった。
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数を増やして追いかけてくる謎の生物から、地質データを貯めた測量機器を持って逃げる鳥島博士一行。レッドイーグル号のある場所までやっと戻ってきたが、乗り込む直前にも謎の生物の襲撃を受けてしまう。何とか振り切って乗り込むと、発進・上昇していくレッドイーグル号。

上昇していく途中で助手が発見した謎の建造物を見た鳥島博士は、火炎弾で焼き払ってしまうよう命令するのだった。
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地球に戻ってきた鳥島博士一行は、記者会見をしていた。
『キリー星は、気候や地質が地球にとてもよく似た星です。近い将来、地球の植民地になれると思います。生物の存在は、まだ下等生物が支配する世界のようです』

『博士、今後の抱負を聞かせてください』
『地球は年々狭くなっています。キリー星のような植民地に出来る星を発見し、大型船を建造して集団移住できるようにしたいと思います・・・』

鳥島博士の記者会見を見ていた春日兄妹の中で、ひとみと光三は鳥島博士を憎々しく思っていた。
『本当なら、兄さんがインタビューを受けていたはずなのに・・・』

だが、津山博士は春日兄妹が鳥島博士よりも若いことを強調し、彼を気にせずに自分達のベム計画を進めようと提案するのだった。

その夜のこと。謎の物体が東京郊外に落下した。早速鳥島博士を団長とする調査団が結成され、春日光一もメンバーに選ばれていた。調査の結果、飛来物体は宇宙金属であることが判明した。光一は、現場に光二、光三、ひとみを連れて向かった。
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現場で、鳥島博士と対面した光一。鳥島博士の偉業を素直に称える光一、それに応えて博士は、キリー星を目指していた春日兄妹の事を知り、悪かったなと話かけるのだった。

鳥島博士の助手は、問題の飛来物体をどうやっても分解することが出来ないとさじを投げてしまう。それを聞いた博士は、それなら爆薬で破壊してしまえと指示をするのだった。

だが、物体から出ている点滅光と信号音を見た光一は、もう少し詳しく調査すべきだと進言する。せめて信号音の解読が済むまで破壊を待つように頼む光一だが、鳥島博士は光一に指図されることを嫌い、自分達は忙しいからすぐ爆破するとへそを曲げてしまう。

カセットレコーダに録音した信号音を津山研究所へ持ち帰り、早速分析する春日兄妹。結果、大変なことが解った。解読結果を読む津山博士。「地球人はキリー星人を武力で虐殺し、平和なキリー星を焼き尽くした。地球人は、ギラスモンの怒りと呪いを受けるがいい」

キリー星に地質調査に行ったとばかり思っていた鳥島博士一行は、キリー星人を虐殺して彼等の居住区を破壊していたことを知った津山博士と春日兄妹。

このことから、あの飛来物体の中身がギラスモンである可能性が出てきた。爆破してはいけない。光一達は急いで現場へ向かったが、時すでに遅し。爆破されたカプセルから、巨大な怪獣ギラスモンが出現していた。
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博士の助手たちは、ギラスモンの触手のえじきとなっていった。光一たちは鳥島博士を見つけて一緒に逃げるが、博士はギラスモンの長い触手に巻かれ捕まってしまう。

光二はシルバー仮面ジャイアントに変身して、触手をはたいて博士を救うと、ギラスモンに立ち向かっていった。ギラスモンの体から無数に生えている触手がジャイアント仮面の行動を束縛して、ギラスモンに近づけない。
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ベルトのバックルからシルバーサーベルを出して触手を切り裂こうとするが、触手に捕まり物凄い力で放り投げられてしまい、変身が解けてしまう光二。

鳥島博士の一命は取り留めたが、重体であった。入院した鳥島博士は、病室にいる春日兄妹の中のひとみの美しさに見惚れていた。初めて飛来物体の現場で会った時も、ひとみは博士にじっと見つめられて嫌な思いをしていた。

それもそのはず、鳥島博士と春日博士は恋敵だったのだ。母親に生き写しのひとみを見た鳥島博士は、30年前の記憶が蘇ったのだろう。だが、ひとみにとってはいい迷惑であった。

自分達を出し抜いてキリー星に行ったばかりか、ギラスモンを送りこまれた原因を作った張本人なのである。

そのギラスモンがこの病院めがけて攻めてくるという情報が、光三によってもたらされた。どうやら、キリー星に残した博士のニオイを覚えていて、それを求めて追いかけてくるようなのだ。航空自衛隊が攻撃をしている間に、車で博士を安全な場所へ移動させる光一、光三、ひとみ。

光二は、シルバー仮面ジャイアントに再び変身した。国立競技場に迫るギラスモン。長い触手でジャイアント仮面を苦しめるギラスモン。ジャイアント仮面は、額から出すシルバージャックを折り、バックルから出した鎖分銅にカチッと取り付けた。
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忍者の鎖鎌(くさりがま)のような武器となり、それを使ってギラスモンとすれ違いざまに垂直に切り裂き、鎖鎌をギラスモンの頭めがけて投げると、突き刺さって真っ二つに体が割れた。大爆発するギラスモンの死体。
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ギラスモンには勝利したが、鳥島博士はすでに虫の息であった。
『あのケダモノのような生物が、キリー星の人類だったなんて・・・君達には世話になったね。感謝のしようもない。後は頼んだよ・・・』

光一にそう言うと、横柄な態度だった鳥島博士も、最期は同じ研究者として春日兄妹に後を託して、静かに息を引き取るのだった。(つづく)


★★★★★★★★★★★
劇中の音楽のことを「劇伴(げきばん)」というが、シルバー仮面では日暮雅信氏が劇伴を担当した。ウルトラシリーズは、初代マンとタロウを除き、昭和のシリーズを冬木透氏が劇伴を担当した。「ウルトラマンタロウ」を担当したのが、日暮雅信氏だった。
タロウのそれは、シルバー仮面のそれとイメージは共通のものがあるように思う。シルバー仮面が異色の特撮であるのは、もちろん最初の設定脚本を書いた佐々木守氏の影響が大きいと思われるが、音楽面でも日暮雅信氏を起用したことで、一風変わった効果をもたらしているように思う。


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