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シルバー仮面(4) [シルバー仮面・ドラマ]

今回は、第10回《燃える地平線》を取りあげます。

脚本;上原正三
監督;佐藤静夫
宇宙人デザイン;池谷仙克
音楽;日暮雅信
ナレーター;森山周一郎

【タイタン星人】登場

【前回までの話は・・・
体に隠された光子ロケットの秘密を探る、春日兄妹の逃亡生活は続く。海岸から見える水平線の彼方に、昭和46年元日の陽が昇ろうとしていた。海岸で薪を燃やして、ひとみが作った雑煮を食べながら、父の夢を実現するために頑張ることを誓う兄妹たち。
行く先々で、光子ロケットの設計図を狙う宇宙人たちが襲撃してくる。ゴルゴン星人、ソロモン星人、ドミノ星人etc.・・・。疲れのみえる末っ子はるかを大阪の東南大学にいる阿部教授のもとへ送り、4人で逃亡生活を続ける兄妹に、タイタン星人が迫って来た・・・】


◆富士山が間近に見えるある部落へたどり着いた春日兄妹が、そこで車を降りて休憩をしていると、ライフル銃で襲撃してくる者がいた。兄妹が急いで逃げ込んだ民家は空き家だったが、そこへライフル銃を盛んに撃ち込む男。まるで、兄妹が逃げる様子を楽しんでいるかのようであった。

このまま空き家の中にいても、らちが明かない。光一は東京で会うことを約束して、裏口からひとみをまず逃がした。そして、光二、光三と共に民家の前に停めてある車に乗って、逃げることにした。この村の奥へと逃げてきたが、しつこく追ってくるライフルの男。

光三がスペクトルグラスをかけてみると、ライフル男はカミキリムシのような顔をしたタイタン星人であった。タイタン星人は、極悪非道な宇宙人である。春日兄妹から光子ロケットの秘密を奪うと同時に兄妹を奴隷として使い、ロケットを完成させるつもりであった。

人間体のタイタン星人は、光一たちに襲いかかり格闘となるが、なぜかスキを作って光一たちを逃がしてしまう。不審に思いながら、光二はひとみに連絡するが、連絡が取れない。東京の叔父の元へ身を寄せているはずなのだ。

ひょっとして、タイタン星人に襲われたのでは・・・三人はすぐに、東京へと向かった。叔父の家で待っていたのは、包帯姿の叔父の土下座姿だった。
『すまん。ひとみちゃんを宇宙人にさらわれた・・・わしも戦ったが、ホレこの通り、重症を負った』

『ひとみは、どこへ連れて行かれたんです?』
『光子ロケットの格納庫へ行くと言っておった。今日の午後3時までに降伏しなければ、ひとみを殺すと言っていた・・・』

春日式光子ロケットの本体はすでに完成しており、未完成なのはエンジン部なのだ。この光子エンジンが無ければ、光子ロケットは無用の長物にすぎない。

いつも血気盛んな光三が、今日は弱きだった。
『姉さんを救うには、俺たちが降伏するしかない・・・』

一方でいつも冷静な光一、光二は、覚悟を決めていた。
『今をおいて、やつらと戦うチャンスはない。奴隷にされてからでは、遅いからな』
『俺たちの力で、ひとみを救い出そう!』

怪我をした大原の叔父を残し、光一、光二、光三は、光子ロケットの格納庫へ向かった。
格納庫のトビラを開くと、そこには絞首刑台の13階段が作られてあった。軍服姿の男が、捕らわれたひとみを連れてきた。

軍服姿の隊長は、余裕のある笑みを浮かべて、こう告げた。
『降伏しに来たのか?・・・』
『はっきり言う。お前達の奴隷になるつもりはない!』

『妹が死んでもいいんだな?・・・』
軍服の男は、絞首刑用のロープの輪にひとみの頭をくぐらせ、処刑ボタンのスイッチに指をのせた。
『・・・待て!わかった。妹を助けてくれ』

『兄さん!奴隷として生きるくらいなら、死んだ方がマシよ!』
『ムフフフ・・・今日から春日兄妹は、タイタン星人の奴隷として働くのだ・・・ムハハハハ』

ひとみの首からロープが外された時、4人は目で合図した。光一と光三は、周りにいる数人の軍服の男達に殴りかかり、光二は掛け声でシルバー仮面に変身した。
『アタック!』

光一、ひとみ、光三を格納庫から逃がしたシルバー仮面は、軍服姿の隊長へ向かって突撃した。シルバー仮面という思いもよらない敵が現れ、軍服姿の隊長は焦った。隊長はタイタン星人に変身すると、右手のムチでシルバー仮面に襲いかかってきた。

キック、パンチをタイタン星人に浴びせるシルバー仮面。タイタン星人は、ダイナマイトのような武器に火を点けて、シルバー仮面に投げつけた。だが、爆発するより一瞬早く、それを投げ返したシルバー仮面。タイタン星人の身体に引火して、星人は大爆発してしまった。

みんな、それぞれがよく戦った。硝煙の中を集まり、互いに奮闘を称え合った。
『光二、みんな、よくやった。俺たちは勝ったんだ!タイタン星人に・・・』
『格納庫が心配だ・・・行ってみよう!』

燃えることもほとんど無く、格納庫のロケットは無事だった。ふと見ると、格納庫の壁に手型が浮かび上がっていた。
『これは、父さんの手形だよ!』

壁の手形に向かって右側あたりには、何か文字らしきものが・・・。表面を手でなでると文字が浮かびあがり、文章となって読める。それは、こう読めた。

 我が息子たちへ
 右手を合わせよ
 未来は君達の世代

父の手形の上から、光一が右手を乗せ、光二が、ひとみが、光三が右手の平を順に乗せていく。すると、向かい側の壁に突然、光子ロケットの方程式が次々と鮮やかに浮かび上がっていった。それらは読み取るには十分な時間、浮かび上がっていた。

やがて方程式は、夕陽が沈むようにゆっくりと薄くなって消えた。そして、今まで方程式が映っていた壁が上へあがって行き、その奥から完成された光子ロケット・エンジン2基が出現したのだ。

こんな所に完成されたエンジンがあるなんて・・・驚く4人の兄妹。今日までの苦労が報われる瞬間が来た。ここまで、やれることは兄妹力を合わせてやってきたつもりですと、光一は心の中で父に告げた。

『お父さんは、私達に戦い取ることを教えたかったんだと思うわ・・・』
『きっとそうに違いない・・・』
女性ながら勇敢なひとみは、そう思った。

『僕達は今、父さんの熱い魂に触れることができました。光二も、ひとみも、光三も、はるかも、みんな立派に戦いました。褒めてやってください!』
長男として、兄妹たちをここまで教示してきた光一は、心にグッとくるものがあった。

2基のロケットエンジンは、兄妹がこれを見つけた時に、自動的にロケット本体後部へセットされる様に仕組まれていた。末っ子のはるかを除く4人の兄妹が見守る中、エンジンのセットを終えた光子ロケットは、格納庫からいつでも飛び立つことができるようになった。 (つづく)


★★★★★★★★★★★
宇宙人が光子ロケットを狙う理由は、地球人に持たせると必ず戦いに用いるから危険だ、というのである。過去の地球人のたどった歴史は戦いの歴史であり、相手から奪うという歴史はこれからも変わらないというのが、宇宙人側の言い分である。
21世紀の今でも、相手と互角に渡り合うためにロケットを武器として開発しているブタ野郎の国がある。やはり宇宙人の言っていることは、正しい。



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