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帰ってきたウルトラマン(11) [新マン・ドラマ]

今回は、第14話 《二大怪獣の恐怖東京大竜巻》を取りあげます。

    脚本;上原正三
    音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
  特殊技術;佐川和夫
    監督;冨田義治

【津波怪獣 シーモンス】
【竜巻怪獣 シーゴラス】登場

【前回までの話は・・・突如現れた二大怪獣の為に、東京湾一帯は占領されてしまう。怪獣の正体をつかむべく海神丸の高村船長に代わり、娘の陽子が歌う土民の歌を分析してヒントをつかむMAT。だが、上陸している怪獣を自衛隊が刺激したため、海の怒りである大津波が東京に襲寄せてきてしまう。この大津波の前にウルトラマンが出現して・・・】

▼ウルトラマンはシーゴラスが起こした大津波に対して真正面から立ち、胸の前で両腕を組むとそのまま回転を始めた。物凄い速さで回転しているウルトラマンの姿は前方の大津波が来る空間にエネルギーを発している様に見えた。

回転を止めたウルトラマンは左手から真っ白なエネルギーを大津波に投げるように発すると、今にもウルトラマンを飲み込もうとしている大津波が動きを止めたのである。

両腕で大きく円を描く様に下から上へ波を持ちあげると、大津波は壁にぶち当たって跳ね返っていくようにゴーッという轟音と共にシーゴラスに襲いかかっていくのであった。シーゴラスはまともにその大波を被ってしまい、慌てているようであった。

これがウルトラバーリアである。だが、この技はウルトラマンのエネルギーを著しく消耗させるため、もう立っていられない程ウルトラマンは疲れ切っていた。すぐ後ろにいたシーモンスは、シーゴラスが大津波で押し流されていくのを見て反撃を開始した。

赤くカラータイマーが点滅し力が抜けたウルトラマンに突進すると、自分のツノでウルトラマンを持ちあげて空高く投げ上げては落下させた。エネルギーのほとんどないウルトラマンは応戦が出来ず、3回目に地面に叩きつけられた時に、自ら姿を消していくのだった。

シーモンスの歌にある海の怒りとは、大津波のことであった。MATはむやみにシーモンスを攻撃できないことを知り、あの二匹の怪獣の行動について、もっと詳しく知る必要があると感じた。

セメント会社の工場長は、黙々とセメントを食べ続けるシーモンスを早く追い払いたいがために、自衛隊の火器部隊を使って攻撃をしようとしていた。工場長は天と地の怒りについて知らないので、早く片をつけたがっていた。

だが、MATとしてみれば、シーモンスとシーゴラスが起こす天と地の怒りがどんなものかを知らずに、攻撃は出来ないと考えていた。3日間の猶予をもらい、自衛隊の攻撃は中止にできた。この間に、この夫婦怪獣がどうして海を渡り、なぜセメントを食べているのかを探らなくてはならない。

既に二日が過ぎた。あれから謎の解明は進んでいない。郷は坂田自動車工場へやって来た。そこで郷は、鳥かごに手を入れた次郎が小鳥に噛まれた光景を見た。

『痛い!』
『卵に触ろうとするからよ。ひなをかえそうとして、一生懸命なんだから・・・』

アキが小鳥に攻撃された理由を次郎に説明した。それを聞いた郷は、怪獣も爬虫類なので卵生だ・・・。怪獣は産卵の為に海を渡って日本に来たのではないか、というインスピレーションを得た。ウナギや魚も産卵の為に海を渡るのだ。

『じゃあ、船を襲った理由は?』
鳥が卵の殻を作るために貝殻や小石をついばむように、怪獣の卵の殻となるべき宝石の原石が、海神丸には積んであった。シーモンスはそれを狙ったのではないか・・・。

郷の意見に真っ先に同意したのは、坂田健だった。
『郷、きっとそのとおりだよ!』

本部へ帰り自分の考えを加藤隊長に話すと、それを聞いた隊員たち皆が納得するのだった。これで海神丸が襲われた理由が判り、高村船長の潔白は証明されるであろう。郷はすぐに高村船長の入院している病院へ向かった。

だが、高村船長と陽子が退院してくるのを見た郷は、船長の病状は二度と治らない診断が下され、それと引き替えに船の賠償金は払わずに済んだことを知るのだった。

一方、自衛隊は3日間の猶予を待たずに、シーモンスを攻撃しようとしていた。理由は海底捜索でシーゴラスがいないことが判ったため、大津波の心配が無いと判断したためだ。

攻撃部隊のもとへ急ぐMATは、セメント会社工場長にシーモンスとシーゴラスには、まだ天と地の怒りが残っているという話をする。これが何かを探らずに攻撃することは、非常に危険だと説明する。

だがシーゴラスが海底にいない以上、攻撃しても大丈夫だと判断した自衛隊指揮官は攻撃を開始してしまう。自衛隊の戦車部隊に攻撃されたシーモンスの咆哮に呼ばれ、地底に潜んでいたシーゴラスが出現した。二匹は向かい合うと、自分のツノを発光させて放電を起こした。

すると急に空が暗くなり、巨大な黒い風の塊が出来上がって、車や家を吹き飛ばしていくのだった。巨大な竜巻が東京に出現した。歌にある天と地の怒りとは、このことだった。

ビルを吹き飛ばし、観覧車を倒し、倉庫を軽々と吹き飛ばす大竜巻の恐怖。東京は二大怪獣の為に、完全に占領されてしまった。この大竜巻の前に、人間の力は無力であった。

『MATは一体何をやっとるか!怪獣撃退の具体策はどうなっているんだ!』
岸田長官は怒っていた。加藤隊長は開発中の新兵器について説明をはじめた。

レーザーガンSP70(エスピーナナマル)は、二匹の怪獣がツノから放電した瞬間を狙い撃つと、ツノを破壊することが出来るという新兵器であった。ツノさえ破壊すれば、竜巻は起こらないという発想だ。MAT技術陣の総力を結集し、これより二日のちに新兵器は完成した。

決戦の時はきた。作戦は次の通り。マットアロー2機で攻撃を加え、二大怪獣が竜巻を起こそうとツノを光らせた瞬間に、レーザーガンを撃ってツノを破壊する。だが、加藤隊長が狙ったシーゴラスのツノを撃つ瞬間、乗っていたジープの片輪が線路にハマり、的を外してしまう。

作戦は失敗し、両怪獣のツノはピカッピカッと数回光り、東京に再び大竜巻が発生してしまう。その様子を東京湾の怪獣がよく見える場所から眺めている親子がいた。高村船長と陽子であった。
『父さん、あれがシーモンスとシーゴラスよ。いつも見たがっていたでしょ・・・』

海神丸に乗っている時にシーモンスのツノの発光を間近で見たため廃人同様と診断された高村船長は、今再びツノの発光を顔面に受け、ショックから立ち直るのであった。

『あ、あれだ。あれが天と地の怒りだ!』
『父さん!・・・』

陽子は父がショックから立ち直ったことを知り、ふたりは抱き合って喜んだ。だがその二人に、巨大竜巻がすぐ近くまで迫っていた。アロー2号で空からその親子に気付いた郷は次の瞬間、大竜巻に飲まれてしまう。激しくキリモミ回転するアロー2号。

その時、ウルトラマンの光が郷を変身へと導く。
『デェアッ!』

ウルトラマンは胸の前で両腕を交差させると、激しく回転を始めた。すると、竜巻の回転を吸い取るように、たちまちのうちに黒雲は消え風は止んだ。回転を止めたウルトラマンはシーゴラスを首投げし、シーモンスを巴投げで投げ飛ばすのであった。

だが、シーモンスが背後からウルトラマンを突き上げて、二匹の間に挟まった形のウルトラマンに両怪獣のツノからバリバリと放電現象が襲う。二匹の間で、金縛りのように動きが取れないウルトラマン。

だが、加藤隊長のレーザーガンSP70がシーゴラスのツノを狙い撃ち、破壊することに成功する。放電現象は消え、ウルトラマンは身体の自由を回復すると、シーゴラスを岩石落としで地面に叩きつけるのであった。

ツノを破壊されたシーゴラスは降参した様子で、慌てて海へ向かって逃げて行く。シーモンスも後を追って逃げて行く。穏やかになった海へ仲良く海中に沈んで行く夫婦怪獣。それを見送る高村船長と陽子。ウルトラマンは空へ飛び去って行った。

打ちあがった信号弾を見つけた上野は、黄色いボートに乗った郷を発見する。
『郷、コノヤロウ!』

この後、南洋へ向けて船を出す高村船長は、船上であのシーモンスの歌を歌っている。それを見送る陽子も・・・。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
自衛隊戦車部隊が出てくるが、MATと自衛隊の管轄はどうなっているのだろうか。怪獣退治がMATの専門ならば、自衛隊はシーモンスを攻撃できないはず、・・・だよね。



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