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ウルトラマンエース(20終) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、第52話 『明日のエースは君だ!』を取り上げます。

脚本;市川森一  
特殊技術;高野宏一
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

【サイモン星人の子供】
【最強超獣 ジャンボキング】 登場

◆正体不明の2機の円盤が地球に飛来して戦っていたが、1機が撃墜され森に落下した。TACは全員で捜索に当たり、撃墜された円盤の残骸を町はずれの森の中で発見したが、生存者は見つからなかった。

探知機を使って捜索していた北斗は、生物反応があったため隊長達を呼び寄せ、反応がある辺りを探していると、1匹の宇宙人をイジメる3人の子供たちに出会うのだった。

子供達はウルトラ兄弟のお面を着けて、宇宙人をイジメていた。宇宙人と言っても明らかに子供であるらしく、幼い姿をしていた。だから子供達は恐れること無く、その宇宙人をイジメていた。子供たちの話では、墜落した円盤に乗っていたらしい。

ゾフィ、ウルトラマン、ウルトラセブンのお面を着けた子供達3人は、宇宙人は悪いやつだと決めつけてイジメていた。竜隊長は、この子供の宇宙人を基地へ連れて帰ると言った。3人の内の一人が尋ねた。

『ねぇ。そいつ、死刑にするの?』
『どうして?』

『だって宇宙人だろう!』
『宇宙人なら、みんな死刑にしてもいいと思っているのか!』

北斗はムッとして、ウルトラ兄弟のお面を着けた子供たちをたしなめるのだった。
『ウルトラ兄弟は、弱い者イジメはしない!何もしない宇宙人の子供を、訳も無くイジメたりはしない!ウルトラ兄弟は、弱いモノの味方なんだ!』

タックパンサーに乗せたこの宇宙人はサイモン星人で、かつてヤプールに侵略されて宇宙を追放された遊牧星人だという。とても弱い立場の宇宙人なのだ。そのサイモン星人が額にある赤いランプを点滅させて、怯えているように見えた。

するとタックパンサーの進行方向の空に、突如出現した明るい光の輪。それはやがてウルトラマンエースによって敗れ去った超獣たちの影に姿を変え、それらの影が合体して何かの形を成し始めた。

『エースの手で空の塵となった幾多の超獣の怨霊よ、ここに集まり、今一度生き返るのだ!』
ヤプールの声が叫ぶ。

『生まれ出でよ、ジャンボキング!』
空中で合体した超獣たちは1匹の四つ足超獣の影となり、それは実体となって地上の町に出現した。

口からロケット弾を吐いて、タックパンサーに襲いかかる超獣ジャンボキング。北斗はサイモン星人を連れて、炎の中を逃げ回るのだった。だが町はずれの空き地では、隠れる場所が無い。サイモン星人を連れて逃げるうちに、北斗は左足に被弾してしまう。

山へ逃げる途中、さっきの子供達が北斗とサイモン星人を迎えに来た。
『俺たちの基地へ案内するよ!』
『無線機まであるのか!何でもそろっているんだなぁ!』

薬箱の薬で、北斗の足の怪我を治療しようとする子供A。
『さっきは悪かったな。謝るよ』

サイモン星人に握手を求める子供たち。みんないい子達だと、北斗は感心するのだった。
『そうでなくっちゃ。彼はサイモンって言うんだ』
『よろしく。仲よくしような!』

TACを襲っていたジャンボキングから、ヤプールの声が聞こえてくる。
『サイモンを引き渡せ!地球人に用は無い。もしサイモンをかばうならば、地球人も私の敵だ!』

サイモンの引き渡しを要求するヤプールの声を聞いた3人の子供たちは、親や友達がいる町を壊されるのは困ると気持ちが揺らぐ。

だが北斗が言った「ウルトラ兄弟は弱い者の味方」という言葉を思い出し、3人はこの基地でサイモンを守ることを誓うのだった。この子供達の優しい気持ちが、北斗は嬉しかった。

タックファルコンと2機のタックアローで出撃したTACは、ジャンボキングを町から移動させるために巨大な網を用意して包み込む作戦に出た。

網で包んでジャンボキングを動けない様にしておき、3機の戦闘機でそれを引っ張って他の場所へ連れて行くのだ。だが、ジャンボキングは重量があって持ち上がらず、この作戦は失敗に終わる。

ヤプールの声は、明朝8時までにサイモンを渡さなければ、ジャンボキングを使って残りの町すべてを破壊すると告げて、ジャンボキングと共に消えた。

ジャンボキングを倒す手段が今のところ無い以上、ヤプールの要求どおりサイモンを渡すしかないと言う山中。だが、北斗は断固反対し、竜隊長に訴えた。

『あの少年達のサイモンを守ろうとする気持ちは、一度踏みにじったら簡単には元へ戻りません。今彼らが持とうとしている勇敢で優しい気持ちを、大切にしてやりたいのです』

竜隊長は、まだ試作段階の細胞分解ミサイルを、明日の戦いでジャンボキングに使うことを提案した。その晩、北斗は夜空に向かい、明日はエースになってジャンボキングと戦おうと心に決めるのだった。だが、夜空の一角から月星人姿の夕子が現れ、不思議なことを北斗に語りかけた。

『星司さん。もしあなたがウルトラマンエースであることを誰かに知られたら、二度と人間の姿には戻れないのよ・・・』
どうして夕子は、今そんなことを言うために現れたのだろうか・・・。

翌朝8時前に、TACは細胞分解ミサイルの発射準備を終えた。北斗は、サイモンと少年達の基地へ行った。すると、3人の少年のほかにも十数人の少年達が、サイモンを守るために集まっていた。北斗はこの気持ちが嬉しかった。

午前8時、ジャンボキングが出現した。TACは細胞分解ミサイルを発射、見事に命中したがジャンボキングには効かなかった。逆にジャンボキングの光線を受けた細胞分解ミサイル発射台は、大爆発して破壊されてしまった。

午前8時。ジャンボキングの出現と同時にサイモンの額にあるランプが赤く点滅した。北斗は今まで、度々サイモンの額のランプが赤く点滅するのを目撃していた。
『あの点滅はなんだ?!何かを発信しているようだが・・・』

ジャンボキングが、子供達の秘密基地の方へ向かってくる。十数人の子供達に急いで逃げるように言い、北斗はサイモンを連れて後から逃げた。

サイモンがつまずいて倒れた。それを起こそうとした北斗に、サイモンがテレパシーで話しかけた。
(北斗星司よ。私の声に聞き覚えはないか?)
(ヤプール!)

(そのとおり!ジャンボキングを操っているのはこの私だ!まんまとワナにかかったな。早くみんなの前で、エースになったらどうだ!)

北斗がサイモンをタックガンで狙っている姿を見て、少年達が戻ってきた。
『何をするんだ!』

(みんなの前で私を撃つがいい。誰も私をヤプールだと信じてないぞ。私を撃てば、お前は子供達の信頼を裏切ることになるぞ!)

北斗は最初、子供達がいるのでサイモンを撃つことをためらう。
(人間の子供から優しさを奪い、ウルトラマンエースを地上から抹殺することが、私の目的だったのだ・・・)

次の瞬間、北斗はサイモンを射殺した。目の前でサイモンを射殺した北斗に、子供達は怒りを露わにした。

『サイモンを守れと言ったくせに、なぜ殺したんだ!』
『こいつはヤプールだったんだ!』

『どうしてサイモンがヤプールなんだ。証拠を見せろ!』
『テレパシーで、こいつがそう言ったんだ』

『テレパシーがあるのは、ウルトラ兄弟だけだ』
『ボクが奴のテレパシーを解かったのは、ボクが・・・ウルトラマンエースだからだ』

夕子の言葉通り、北斗はウルトラマンエースに変身する姿を人目にさらす時が来てしまった。子供達の前で、TACの仲間達の前で、北斗はジャンボキングを倒すために、両手の指輪を合わせて最後の変身をした。

(彼らに真実を伝えるには、こうするよりほかに無かった。さようなら地球、さようならTACの仲間達、さようなら北斗星司・・・)

これが地球での最後の戦いとなるエースは、ジャンボキングに応戦するが相手は強い。メタリウム光線を放つが効かないため、ギロチンショットで首を切断して、ようやくとどめを刺した。

ウルトラマンエースは、子供達に向けて話すようにメッセージを送った。

『優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようと。それが私の最後の願いだ・・・』

夕焼けの彼方へ、エースは飛んで行く。やがてそれは一つの星となって輝いた・・・。
ありがとう!ウルトラマンエース。少年達はエースから贈られたこの言葉を忘れずに、大人に成長していくことだろう。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
市川森一氏がメインライターをやるはずだったのに、途中で情熱を失ってライターを降板してしまったことは、非常に残念。正義の男女合体は、無理なのか。悪の方にはたくさんあるのだが・・・アシュラ男爵、ガンダル指令、そうそう、正義の男女合体は、マグネロボ・ガキーン!がいる



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