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レッドバロン(25)【宇宙鉄面党編】 [レッドバロン/ギラスQ編]

◎今回は第38話『レッドバロン火星に遭難』を取り上げます。

脚本;上原正三
音楽;ボブ佐久間
原案;渡辺一彦・斎藤汎司(日本テレビ) 
特撮撮影;大岡新一
監督;鈴木 清

《ディモスZ》 登場

【前回までの話は・・・
鉄面党に捕らえられて殺されたとばかり思っていた健の父・紅健太郎博士は、火星の宇宙鉄面党本部で奴隷として働かされていることが、火星から送られてきた鉄面党郵便ロケットの手紙で判明した。父を助けるため火星へ出発したレッドバロンと紅健は、突然何かの力によって動きを封じられ、操縦不能に陥ってしまった・・・】


◆スペースウィングスに積めるだけの燃料を積み、星間移動のため宇宙服で装備した紅健は、コックピットに父の愛用したパイプを紐で吊るして、父との再会を夢に見ながら火星へと出発したのだった。

だがレッドバロンは謎の力によって動きを封じられ、健は意識を失ってしまう。SSI本部のレーダーでは、レッドバロンが移動し続けていることしか解からない。

三神博士は、流星群との衝突の際にできた亀裂のため、レッドバロンのコックピット内が真空になってしまっているかもしれないと推測した。SSI本部が状況をつかむ術(すべ)は、健からの連絡を待つこと以外には無かったのである。

紅健とレッドバロンはどうなったのかというと、健が気絶している間に、火星に到着していたのであった。いや正確に言うと、幽霊の様に消えることが出来るロボット・ディモスZが、火星まで運んで来たのであった。

ようやく気が付いた健は、コックピットから見える景色を分析した。赤い土、そしてあのロボット・ディモスZが歩いているではないか。どうやらレッドバロンは、宇宙鉄面党基地に連れてこられたようであった。

『こちらレッドバロン。SSI本部、応答願います・・・』
『こちら本部。健、無事だったのね!』
『どうやら無事のようだ・・・』

『紅君、今どこにいるんだ?』
『どうやら、火星らしいです。富士山ろくに現れたあのロボットに襲われ、連れてこられたらしいんです』

健は、父が宇宙鉄面党に捕らわれていることから、敵の懐へわざと飛び込むつもりであった。宇宙ヘルメットを被って外へ出てみると、赤茶けた土が一面に広がる広大な土地が目前にあった。

健はふと思った。
(鉄面党最大の敵であるはずのレッドバロンを、なぜここまで無傷で運んで来たのだろう?どうして、誰も襲ってこないんだ?)

すると数名の戦闘員達が現れて、健を捕まえようとした。少し抵抗したところ、腕に怪我をしてしまい、仕方なく捕まった健。だが、健の目的もロボット帝国に捕まることにあったのだ。連行途中で、建造中のロボットが数体立っているのを見た。どうやらここが、ロボット帝国であるらしい。

地下のある部屋へ連れて行かれた健は、遠目に植物をいじっている父・健太郎を見た。
『父さん。父さんじゃないですか!』
『おう、来たか・・・』

健は駆け寄って近づくと、ふたりは握手を交わして、笑顔で再会を喜び合った。
『元気そうだね、父さん』
『私は元気だよ・・・ん、その腕はどうしたんだ?』

『大したことはありません・・・』
『誰だ?私の息子に傷を負わせたのは!丁重に出迎えろと言ったはずだぞ!』

健太郎はそう言うと、名乗り出た戦闘員を2~3度杖で殴り、杖に仕込んだ銃で殺してしまうのだった。父の振る舞いは、まるで帝王であった。手紙には毎日怯えるように暮らしていると書かれてあったのに、健に傷を負わせた戦闘員を処刑してしまうほどの権力の座に就いている父。

『手紙のことは忘れなさい。あれは、お前をここへ呼び寄せるために書いたものだ。お前も今日から、ここで暮らすのだ。私の息子としてな・・・』

『何を言うんですか!?父さんは鉄面党に、魂を売ってしまったんですか!俺と一緒に、地球へ帰りましょう』
『人類はもうすぐ、我ら鉄面党の奴隷になる。地球へ戻っても無駄だよ・・・』

『我ら鉄面党?なんて情けない言葉を使うんですか!』
『お前も、もうすぐここが気に入るようになる!息子を部屋へ案内しなさい!』

健は、このロボット帝国を破壊してしまおうと、レッドバロンのコックピットへ向かうのだった。健は、夢にまで見た父との再会で、あのような言葉を父の口から聞くとは思わなかった。まるでロボットのように冷たい心になっていた父に、健の心は悲しみと怒りで渦巻いていた。

レッドバロンの前に、あのロボット・ディモスZが現れた。地上戦なので、レッドバロンは背中に背負ったスペースウィングスを外して、ディモスZと戦闘開始した。

ディモスZは、巧みに姿を消しながらレッドバロンとスペースウィングスを引き離していく。そして格闘中に姿を消したディモスZは、岩陰に着陸させて隠しておいたスペースウィングスを破壊してしまうのだった。これでレッドバロンは、二度と地球へ帰る事ができなくなってしまった。

怒った健は、新必殺武器レインボーショットで攻撃し、ディモスZを破壊したように思えたが、またも幻のように消えたディモスZだった。健は、この戦いでスペースウィングスを失ったことを、SSI本部へ報告した。

『紅君、心配するな。代わりのスペースウィングスは、なんとか送るようにする。だから希望を捨てちゃいかんぞ!』

三神博士はとっさにそう言って、健を勇気づけるのだった。だが本心を言えば、とても絶望的であった。スペースウィングスは推進装置に過ぎない。とても火星まで飛ばすのは不可能だ。

仮に今すぐロケットの建造に着手しても、完成までに1年はかかる。すぐに健を救出できる方法が、三神博士には思いつかなかった。

突然、SSI本部に「宇宙鉄面党のセースルマン」を名乗る男が姿を現した。黒いマスクに黒い帽子をかぶった紳士のような姿をしているが、ロボットなのだろう。

『君のセールスの目的は何だ!』
『SSIに降伏を勧めにきました。大人しく降伏すれば良し、さもなくばディモスZが東京を砂漠にしますよ・・・』

セールスマンが持っているアタッシュケースに、東京に出現したディモスZが映っている。レッドバロンが火星に居ては、ディモスZから東京を守れる者はいないのだ。

『10分間待ちましょう。10分間で地球の運命を決めてください・・・』
そう言って、再び姿を消す鉄面党セールスマン。その瞬間、三神博士が叫んだ。

『解かったぞ!奴らは電送移動しているんだ。つまり、物質を電波に変えて送ることだ。そうでなければ、火星でレッドバロンと戦っていたロボットが、もう東京に現れるはずがない』

火星と地球の間を電送移動するには、双方に受信装置と送信装置がいる。東京のどこかに装置があるに違いない。熊野警部が、東京の装置を探し出すことになった。それまでの間に、ディモスZと戦って時間をかせぐSSI。

刑事の勘が働き、宇宙線研究所が怪しいとにらんだ。正面から潜入した警部だったが、セールスマンの男が警部を殴り倒してしまう。

一方火星では、父・健太郎から部屋を与えられ、勝手な振る舞いをしないことを条件に、自由行動を許された健。健の部屋の窓から、火星の衛星フォボスに推進装置が取り付けられて、噴射実験をしている様子が見えた。

健は部屋を出て父の部屋へ潜入し、それが地球攻撃用惑星ミサイルであることを探りあてた。健は通信室へ忍び込み、地球のSSI本部へこのことを知らせたが、途中で妨害電波を出されてしまう。

捕まった健は父のもとへ連れて行かれ、勝手なマネをした健には極刑を与えると父・健太郎は言う。健太郎は懐から黄金色の拳銃を取り出し、一発だけ弾を込めた。

ロシアンルーレット方式で引き金を引こうとしている父・健太郎。冷徹な表情で銃口を向け引き金を引く父・健太郎に、健は覚悟を決めるのだった・・・(つづく)


★★★★★★★★★★★★
レッドバロンの最終回は、前・中・後偏の三部構成になっている。地球と火星という壮大な距離をつなぐこのドラマにふさわしいエンディングだ。マグマ大使も、最終回は三部構成にした方がよかったと思う内容だっただけに、惜しまれる。



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