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戦え!ぼくらのミラーマン(21) [ミラーマン・ドラマ2]

第46話《死都に愛の鐘が鳴る》
監修;円谷 一  
脚本;安藤豊弘
特殊技術;矢島信男  
監督;大木 淳

▼夜の町を歩く京太郎に、一人の少女が助けを求めてきた。名前は丘野リサ。京太郎を「ミラーマン」と呼ぶこの少女は、自分がインベーダーであることを京太郎に話す。インベーダーの特徴である黒いサングラスはかけていない。理由を聞くと、特別な義眼を作ってはめているので、サングラスをかける必要はないという。

見かけは地球人の少女と判別がつかないリサ。「心が優しくて平和を願う地球人を見ていて、地球人のことが好きになった」と、リサは言う。そう思うようになった時、仲間から距離を取るようになり、それ以来、裏切り者として実の姉に命を狙われるようになったリサ。あの夜も、姉に命を狙われていた所を京太郎に助けられたのだった。

京太郎に助けを請い、地球人として生きていきたいと願うリサの言葉を、最初はワナだと思っていた京太郎だったが、努力するから信じて欲しいと訴える真剣さに、いつしか京太郎の心は信じてみたいという気持ちへと変わっていく。
『2次元から来たミラーマンだって、人間と仲良くしているじゃない。インベーダーの私も、地球人と仲良くなりたい。そして平気で人を殺す仲間の所へは、もう二度と戻りたくない・・・』

京太郎から話を聞いたSGMのメンバー達は、藤本のようにインベーダーだから信用は出来ないと言う者と、朝子や野村のように、気持ちが分ると言う者の二派に別れた。

ある日、京太郎とデートをしていたリサは、サングラスをかけ帽子をかぶった女から、レーザー光線を浴びせられてしまう。その場に倒れ込むが、意識は取り戻したリサ。京太郎は女を追うが、壁の中へと消えてしまう。消えた女の声が京太郎に届く。

『ミラーマン。我々は今、裏切り者を処刑した。今は生きていても、あの娘の身体の組織は次第に死滅していくのだ。ヒヒヒヒ・・・』
『実の妹を殺すなんて、なんて冷酷なやつらなんだ!』

海を見たいというリサを、京太郎は海に連れて行ってあげる。岩場でカニと戯れているリサ。その笑顔を見ていると、京太郎の心は痛む。
『可哀想に。あと数日で、あの娘が死ぬなんて信じられない。僕は、何をしてあげられるのだろうか・・・死なせたくない』

デートの最中も、リサは地球人になるためにいろいろな事を勉強しようと意欲を見せる。そんなリサを見ていて、京太郎は切ない気持ちになるのを笑顔を作ってこらえていた。

京浜工業地帯のどこかから怪電波が出ていることを、SGMはつかんでいた。だがこの怪電波とインベーダーの企みとの接点が見つからない。「あの少女が何かを知っているのでは」という藤本に、「あの少女は、そっとしておいてあげよう」と言う村上チーフ。

捕らえた怪電波を必死に解読している最中に、京太郎とリサがSGM本部に入室してきた。途端にリサの顔が青ざめた。怪電波の内容を解読して聞かせるリサ。
『あっ、大変!インベーダーが東京の中心にミサイルを撃ち込もうとしているわ。あと1時間で発射する!』

午前0時ちょうどに、怪電波の発信地点からミサイルが発射されると言うこの暗号電波。怪電波の発信地点場所へ向かった京太郎。御手洗博士は無線で警戒中のジャンボフェニックスに暗号内容を伝えるが、藤本は少女を信用して無い。

御手洗博士は藤本の言葉をリサに詫びると、
『私、これからも皆さんに信じてもらえるよう、努力します』

健気なリサの姿に、ホッとする御手洗博士。怪電波発信地点に到着するが、何も発見できない京太郎。それどころか、インベーダーに襲われてしまう。やはりワナだったのかと、リサに疑いを抱く京太郎。京太郎を助けるため、リサは壁をすり抜けて京太郎のもとへ急ぐ。

だが、潔白を告げに来たリサの身体は、もう死が近づいていた。腕からは緑色の血が止めども無く流れ、滴っていた。
『私、京太郎さんに疑われるのはイヤ!私はインベーダーの仲間ではないのよ・・・信じてくれるわね・・・よかった』

京太郎の顔を見たリサは最後の力を振り絞り、弱々しい声でこう話した。
『私、京太郎さんとお友達になれて、とても幸せだった。ありがとう・・・』

京太郎の腕の中でリサは静かに事切れると、ペンダントだけを残して消えて逝った・・・。怒りがこみ上げる京太郎は、リサのペンダントを使ってミラーマンへと変身する。怪電波発信地のビルを破壊したミラーマン。隠れていたリサの姉は、怪獣レッドモンスに変身した。

レッドモンスとミラーマンが格闘を始めた時、煙突が真ん中から割れて、中からミサイルが出現した。すぐに飛び立つ態勢のミサイルをミラーマンは両手でつかむと、レッドモンスへ投げつけた。爆発するがまだ息がある怪獣レッドモンスに、ミラーマンの怒りのシルバークロスが炸裂した。大爆発と共に四散した怪獣。

教会が好きだったリサの為に、SGM全隊員と京太郎は、教会でリサの写真を飾り、祈りをささげた。まるで天使のように美しい心の少女に、全員が心の中で涙した。だれもが、リサは立派な地球人だと思った。死なせたくなかったと思った。教会の鐘の音が静かに鳴り響いていた。

ミラーマンは忘れない。地球人を愛し、ミラーマンを信じてくれたインベーダーの少女がいたことを・・・。
 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ある時期から、ミラーマンのファイティングポーズが変わったことに気付いた。腕をクロスするポーズで怪獣と対峙していたミラーマン。そのスーツアクターを担当していたのが、西条満氏であった。スーツを着用して殺陣をしないと演技のバランスをつけられないことから、西条自身でミラーマンのポーズを考案するようになったという。

ところが、第36話「怪獣軍団ミラーマンを襲う ―五大宇宙怪獣激斗!―」の撮影中に、ロープにぶら下がってキックする撮影中にロープが切れてしまいスタジオの壁に激突、その際に腰を強打して入院してしまった。そのため、第37話から第 51話までは久須美 護氏がスーツアクターを務めることとなった。

西条満氏は退院後、引き続いて『ファイヤーマン』、『ジャンボーグA』などでスーツアクターを務めたが、『ミラーマン』が一番思い入れが深い作品であると言う。



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