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ウルトラセブン(15)  ~あの男、何をしているんだろう? あそこに座ったまま、もう24時間になる・・・ [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第10話『怪しい隣人』を取り上げます。
監修;円谷英二  
脚本;若槻文三  
監督;鈴木俊継  
特殊技術;的場 徹

◆車にはねられて左足を骨折してしまった水野アキラ少年は、自然豊かなこの別荘で、姉のリツ子と一緒に療養をしていた。好奇心が旺盛なアキラは、2か月前に隣の別荘に越してきた男の様子が気になって仕方がない。2階の寝室の窓から双眼鏡を使って、時間があれば男の様子をじっと見ていた。

『あの男、あそこに座ったまま、もう24時間になる。いつ食事をするんだろう? ボクが眠っている間に食事をしたのだろうか? いや、ボクは何度も目が覚めた。あの男はずっと座ったきりだ・・・』

何かを作っている様子の男。隣人の様子がおかしいことを姉・リツ子に訴えるアキラだが、姉は相手にしてくれない。丁度そこに、アンヌ隊員がアキラのお見舞いに来た。この地で偶然知り合いになったアンヌとリツ子。こうしているうちにも、じっと動かない隣人の男の頭が、異様に光るのを目撃したアキラ。

何度も姉に異変を訴えるアキラだったが、姉はアンヌとの会話に夢中だった・・・。同じ頃、防衛軍のレーダーは怪しい反応をキャッチしていたが、しばらくすると消えてしまった。2か月前にも同じ地点で同じような反応があったことを、キリヤマ隊長は憶えていた。丁度それは、アキラとリツ子がいる別荘地の辺りだ。

バタバタという音が窓の外でして、気になるアキラ。気にも留めないリツ子が窓ガラスを閉めようとして窓の外で見たもの、それは空中で死んだまま静止している1羽の鳥だった。恐怖に駆られて防衛軍に電話しようと受話器を上げた所に、アンヌとダンがやって来た。

話を聞いて2階の寝室へ駆け込むダン。窓を開けて外を覗き、ダンの透視力は空間の異変を見抜き、キリヤマ隊長へすぐ報告を入れた。直ちに調査の指示を受けたダンは、鳥が静止している空間に向かって飛び込んで行った。ダンが飛び込んだ世界は、四次元の世界だ。空間が歪んでいて歩きにくい。

しばらく歩くと、男が妙なマシンの前に立ってダンを迎えた。男は第17惑星のイカルス星人と名乗ると、地球侵略のために、彼らの科学が四次元世界と三次元世界を連結するコントロールマシンを作り上げたと、誇らしく話す。

地球人はこの世界を、攻撃はおろか見ることすら出来ない。住むには苦しい世界だが、戦うにはこれ程安全な基地はあるまい!

ダンはウルトラアイを着眼した・・・が、変身しない。カプセル怪獣を投げても何も起こらない。次元が違う世界では、何も起こらないのだ。ダンはこの空間の歪みに耐えきれず、失神してしまう。失神したダンをみて安心したのか、男は姿を消した・・・。

東京上空に謎の円盤が突然出現して、市街地を攻撃中という連絡が防衛軍に入る。ホーク1号で緊急出動するフルハシとアマギだが、ホークが現場に到着した時には、円盤は消滅してしまう。そして今度は、東京湾の南方に現れる円盤。

四次元世界を経由して瞬時にどこへでも出現する円盤に、戸惑うホーク1号。戦闘中の円盤が四次元空間に隠れるため、ダンの真上に出現した。風圧で吹き飛ばされるダン。だが、今の衝撃で四次元世界に次元の裂け目ができたらしく、ダンとアンヌたちが会話できるようになった。

アンヌたちのいる部屋の天井付近から聞こえるダンの声。だが姿は見えない。ダンは身体の自由が効かなくなりつつあった。このままでは、四次元の世界に閉じ込められたままになる。一か八か、ダンはこのマシンを壊す決意をする。レーザーガンでマシンを破壊すると、ダンは森の中に立っていた。

『ワタシハ オマエヲ ミクビッテイタヨウダ。オマエハ ダレダ』

男は、巨大なイカルス星人に変身した。ダンもウルトラセブンに変身する。イカルス星人の全身から、矢のようなアロー光線がセブンを襲う。光線が当たった山肌が、焼け野原になった。アロー光線から身をかわしたセブンはアイスラッガーを投げると、イカルス星人のお腹に当たって大爆発を起こした。

のたうち回るイカルス星人は、遂に息絶えた。円盤はもう四次元世界に逃げることはできない。イカルス星へ逃げ返る円盤は、ソガが乗ったホーク2号によって宇宙へ出たところで撃墜された。こうして好奇心の強いアキラ少年のおかげで、イカルス星人の地球侵略は阻止されたのである。
 
ナレーション;あなたの隣のうちには、怪しい人はいませんか? もし怪しい人に気が付いたら、地球防衛軍基地までお電話をください。ひょっとすると、あなたの隣人は、惑星から来た宇宙人かもしれないのです・・・。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
四次元世界を表現すると言っても、どう表現したらいいか分らないものだ。円谷のスタッフは、モスグリーン色の太いホースのようなものの周囲に、大小さまざまな黄色い風船を置いて四次元空間セットを作り、さらに画面をゆがめる効果で、四次元世界を表現した。大人がみても、四次元世界はこんな所か、という雰囲気が十分出ているセットだと改めて思う。スタッフの創造力に拍手を送りたい。

台本では、ダンが四次元空間に消えたあと、アンヌからの連絡を受けて、水野邸にフルハシ・ソガ・アマギがやって来て、その空間にバットを投げてみて、空間の異常さを確認するシーンがある。またこの台本が書かれた時点では、『レッドマン』という名称をまだ使っているようだ。


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