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レインボーマン(16) ~一所懸命さっていうのは技術を超えるのよ、テクニックより(監督/六鹿英雄氏)その5 [レインボーマンこぼれ話2]

(前回から続き)
聞き手;
「みなさん、お世辞抜きで美人揃いでしたよね」

六鹿氏;
「うん。みんなオシャレ系でそこそこ美人で、今観ても結構いいんじゃないですか。ただあの娘達は、やっぱりいろいろあってね(苦笑) そこら辺は良くある話で、よく気遣いしたように思うね。まぁ、そこでバランスが崩れると、結局は作品に関わってくるからね。

あの人にえこひいきした!、みたいな話になってくるから。だから、たとええこひいきしたとしても、えこひいきしてない振りでやんないといけないからね」

聞き手;
「『レインボーマン』を映画化しようとされていると聞きましたが」

六鹿氏;
「『レインボーマン』もね、映画化の話があっちゃ消え、あっちゃ消えしてるのね。やっぱり今、映画業界があんまりよくないでしょう? 今制作すると、3億近くはかかるでしょうし。僕もファンのホームページに映画を作るんで、映画祭っていうのかな、そんなのをやってみて、結構問い合わせがあったんだけれども。結局、“変身”するでしょう? 

あれに相当お金がかかるんだよね。あんまりチャチだとね・・・。CGも、分からないように使うならいいと思うね。これはCGですよ、というのはつまらない」

聞き手;
「最後に、ファンにメッセージをお願いします」

六鹿氏;
「30年前、当時のテレビっていうのは、もうあっという間に消えてしまうんだと思っていたんですよ。それがこうして30年後にね・・・当然、科学の発達ということもあったんだけれども、こういう風に再びDVDとかで観てもらえるということは、監督冥利に尽きるね。それはとてもありがたいことだし、心して全て原点・初心に戻ってね・・・幾つになっても。そういうのをとても感じますね。

それは『レインボーマン』『ワイルド7』にしろ、何にしろ。当時はね、こうなるとはまったく予想もつかなかった。撮って、オンエアの時間が終わったらもう終わり。30分モノなんて一瞬、30分しかないわけだから。ファンの人が付いてそんな人が大勢いてくれるというのは、ボクにとってとてもうれしいことです。いろんな隔世の感*(かくせいのかん)があるけどね。

創り手の心はいつまでたってもやっぱり一所懸命・・・やる気、それに楽しんで創るもので、それを忘れちゃいけない。野球でいうところの一球入魂ですよね。あと、やっぱりいろんな“出逢い“がね、若い人達とも、昔の『レインボーマン』や『ワイルド7』を媒介としてね、新しい才能に出逢えるのは嬉しい。あなたも頑張って(微笑)」

(おわり)

*隔世の感;変化・進歩が急で、時代がはなはだしく移り変わったという感じ


★★★★★★★★★★★★
六鹿監督の気さくなお人柄がよくわかるインタビューだったと思う。六鹿氏は1980年代半ばに広告代理店(株)アドアールを立ち上げ、91年には焼肉のたれのTVコマーシャルを映画化した「エバラ家の人々」を創っている。単館上映しビデオは凄く売れて、独立後の大成功を収めている。このインタビューは2002年に行われたものだが、それから数年後に逝ってしまわれたことがとても残念。

改めて、ご冥福をお祈りいたします。(合掌)



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