帰ってきたウルトラマン（３１） ～座談会；振り返ってみたウルトラマン/バルダック星人の巻 [新マン座談会・２]
ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第１９弾は、ヒマラヤとよく似た気候の権現山には、12年周期の寒い冬に雪男の目撃情報が必ずある。一方、240年ぶりに地球に最接近する謎の超低温の星。果たしてこの二つの事柄は、無関係なのか？第39話『冬の怪奇シリーズ 20世紀の雪男』を取り上げます。
脚本；田口成光
監督；筧 正典
特殊技術；真野田陽一
◆津村英雄は雪男研究の第一人者で、ヒマラヤに酷似した気候の冬の権現山で、12年周期の寒い冬に雪男の目撃情報があることから、「権現山の雪男伝説」についての論文を書き上げ、あとは証拠となる雪男の写真を撮るべく、フィアンセの片岡陽子とふたりで雪の権現山を登山していた。
吹雪の中、ふたりは雪男らしき姿を見かけるが、陽子が雪に足を取られている間にその姿は消えてしまう。雪男の姿を追い求めて津村は後を追うが、遭難して行方不明になる。陽子は運よく救出され、ふもとの小屋で休んでいた。
隊長命令で権現山の調査に来たMATの岸田と郷は、ふもとの小屋で片岡陽子と出会う。雪男伝説の話を陽子から聞いていると、遭難していた英雄が現れて雪男の存在を否定するばかりか雪男研究の中止を突然告げる。
あれほど熱心に集めていた資料と共に津村は失踪し、陽子と郷は津村の行動に疑問を持つ。やがて超低温の星が東京へ最接近するという時刻が迫るなか、突然謎の巨大宇宙人が東京新宿に出現して、街を氷漬けにしようと冷凍光線を吐き続けていた・・・
★★★★★★★★★★★★
聞き手；
「次はいきなりこれ。わざとですかね。何事もなかったかのようにね。でもね、クオリティ的には普通の回なんですよ。『魔神バンダー』なんかに比べたら格段のできなんですよ（笑）」
きくち氏；
「うん、この回はMATに助けられた回だね。最初の回もイントレ（＊）。このカット、いいな」
（＊）高い位置やカメラが置けない水面などの位置に、鉄パイプのようなモノで組む足場のようなもの。
聞き手；
「なにかダイビングしていますね。トランポリンですか？」
きくち氏；
「いや、高い所から跳んでますね、今の」
聞き手；
「この宇宙人アクション、へらへらですね（笑）」
きくち氏；
「遠矢もいろいろ考えてたからね。これだけじゃないよ（笑）」
聞き手；
「遠矢さん、とても無骨な顔されてますよね。出身はどちらですか？」
きくち氏；
「九州薩摩。鹿児島県」
聞き手；
「そうですか。いやー、でもこの回はわかりやすい怪獣だ。ぬいぐるみ新しい。これ、蹴ってますね。多少加減して、蹴ってるんでしょう？」
きくち氏；
いやー、この時はどうだったかな？」
聞き手；
「モロ入ってるけど、今のはなんですか？」
きくち氏；
「これ、僕が出したアイデア。うしろにつまずくという」
聞き手；
「ウルトラマン、寒さに弱い方ですからね。この宇宙人、ナックル星人と同じような歩き方だなぁ」
きくち氏；
「ウルトラマンはどこいったんだ？」
聞き手；
「凍ったまま。この後おかしいのは、ブレスレットはそんなに強いんかっていうシーン。そのあと、物足りずに宇宙船団をやっつけちゃう。何か色が変ですね。合成しようとして、止めたのかもしれない。その場合処理しなくても、色って変わっちゃう。35ミリから16ミリにリダクションする時に変わるんです」
★★★★★★★★★★★★
今回の聞き手ときくち英一氏とのやり取りは、内容がよく理解できない。会話がかみ合ってないような感じだ。
MAT隊員には、「常識を疑う」ことをしない隊員が多い。怪獣や宇宙人という、およそ一般人には信じられない生き物を相手にする割には、物事を簡単に考えすぎて判断が甘いところがあるようだ。それに引き替え、伊吹隊長はさすがである。
南隊員が「怪奇小説の読み過ぎだよ」と言ったとたん、「そう簡単に結論を急ぐんじゃない！」と一喝している。雪男を単なる伝説として片づけず、新しい情報と照らし合わせて次の行動を判断している。警察とは別の見方・考え方で行動したっていいはずだ。
怪獣を発見するのに、常人の常識的な思考ではダメだ。そのための訓練は積んでいるはずだろう。とはいったものの、郷が「津村が雪山から一人で生還できたことが信じられないし、彼の言動もおかしい」と疑問を投げかけると、伊吹隊長は「あまり思いつめん方が身体のためだぞ」と、正月早々の事件に甘い判断をしてしまう。
郷の状況分析力の鋭さを際立たせるためのシーンなのだが、まぁ主役にいいところを持っていかれて、仕方がないか・・・。
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脚本；田口成光
監督；筧 正典
特殊技術；真野田陽一
◆津村英雄は雪男研究の第一人者で、ヒマラヤに酷似した気候の冬の権現山で、12年周期の寒い冬に雪男の目撃情報があることから、「権現山の雪男伝説」についての論文を書き上げ、あとは証拠となる雪男の写真を撮るべく、フィアンセの片岡陽子とふたりで雪の権現山を登山していた。
吹雪の中、ふたりは雪男らしき姿を見かけるが、陽子が雪に足を取られている間にその姿は消えてしまう。雪男の姿を追い求めて津村は後を追うが、遭難して行方不明になる。陽子は運よく救出され、ふもとの小屋で休んでいた。
隊長命令で権現山の調査に来たMATの岸田と郷は、ふもとの小屋で片岡陽子と出会う。雪男伝説の話を陽子から聞いていると、遭難していた英雄が現れて雪男の存在を否定するばかりか雪男研究の中止を突然告げる。
あれほど熱心に集めていた資料と共に津村は失踪し、陽子と郷は津村の行動に疑問を持つ。やがて超低温の星が東京へ最接近するという時刻が迫るなか、突然謎の巨大宇宙人が東京新宿に出現して、街を氷漬けにしようと冷凍光線を吐き続けていた・・・
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聞き手；
「次はいきなりこれ。わざとですかね。何事もなかったかのようにね。でもね、クオリティ的には普通の回なんですよ。『魔神バンダー』なんかに比べたら格段のできなんですよ（笑）」
きくち氏；
「うん、この回はMATに助けられた回だね。最初の回もイントレ（＊）。このカット、いいな」
（＊）高い位置やカメラが置けない水面などの位置に、鉄パイプのようなモノで組む足場のようなもの。
聞き手；
「なにかダイビングしていますね。トランポリンですか？」
きくち氏；
「いや、高い所から跳んでますね、今の」
聞き手；
「この宇宙人アクション、へらへらですね（笑）」
きくち氏；
「遠矢もいろいろ考えてたからね。これだけじゃないよ（笑）」
聞き手；
「遠矢さん、とても無骨な顔されてますよね。出身はどちらですか？」
きくち氏；
「九州薩摩。鹿児島県」
聞き手；
「そうですか。いやー、でもこの回はわかりやすい怪獣だ。ぬいぐるみ新しい。これ、蹴ってますね。多少加減して、蹴ってるんでしょう？」
きくち氏；
いやー、この時はどうだったかな？」
聞き手；
「モロ入ってるけど、今のはなんですか？」
きくち氏；
「これ、僕が出したアイデア。うしろにつまずくという」
聞き手；
「ウルトラマン、寒さに弱い方ですからね。この宇宙人、ナックル星人と同じような歩き方だなぁ」
きくち氏；
「ウルトラマンはどこいったんだ？」
聞き手；
「凍ったまま。この後おかしいのは、ブレスレットはそんなに強いんかっていうシーン。そのあと、物足りずに宇宙船団をやっつけちゃう。何か色が変ですね。合成しようとして、止めたのかもしれない。その場合処理しなくても、色って変わっちゃう。35ミリから16ミリにリダクションする時に変わるんです」
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今回の聞き手ときくち英一氏とのやり取りは、内容がよく理解できない。会話がかみ合ってないような感じだ。
MAT隊員には、「常識を疑う」ことをしない隊員が多い。怪獣や宇宙人という、およそ一般人には信じられない生き物を相手にする割には、物事を簡単に考えすぎて判断が甘いところがあるようだ。それに引き替え、伊吹隊長はさすがである。
南隊員が「怪奇小説の読み過ぎだよ」と言ったとたん、「そう簡単に結論を急ぐんじゃない！」と一喝している。雪男を単なる伝説として片づけず、新しい情報と照らし合わせて次の行動を判断している。警察とは別の見方・考え方で行動したっていいはずだ。
怪獣を発見するのに、常人の常識的な思考ではダメだ。そのための訓練は積んでいるはずだろう。とはいったものの、郷が「津村が雪山から一人で生還できたことが信じられないし、彼の言動もおかしい」と疑問を投げかけると、伊吹隊長は「あまり思いつめん方が身体のためだぞ」と、正月早々の事件に甘い判断をしてしまう。
郷の状況分析力の鋭さを際立たせるためのシーンなのだが、まぁ主役にいいところを持っていかれて、仕方がないか・・・。
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タグ：帰ってきたウルトラマン きくち英一
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