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戦え!ぼくらのミラーマン(5) [ミラーマン・ドラマ1]

第10話《時計が止まった街》
監修;円谷一 
脚本;若槻文三 
特殊技術;高野宏一 
監督;鈴木俊継

◆ある日、ナミオカ市の中心部に巨大な物体が出現した。ウニのようなトゲを6本持ち触手のような腕を伸ばした鋼鉄製のその物体はビルを破壊して出現すると、緑色の光を出し始めた。その光は空間のように街を包んで、どんどん周辺へ広がっていった。

その頃、ナミオカ市の上空を通過中の旅客機グリーンバード918便が、突如消息を絶った。SGMがレーダーでそれを監視していたが、旅客機は空中で静止している状態だという。ナミオカ市へ呼びかけても応答がない。人口100万の大都市ナミオカ市は、完全に沈黙してしまっていた。

その頃SGMに、日野という人物から電話が入った。日野は元SGMメンバーだった男で、電話の内容は脅迫であった。御手洗博士に日野は言う。
『今ナミオカ市は、時間の止まる壁に包まれている。俺の理論と連中の科学力とが、あの町の重力をコントロールしているんだ。アハハハハ!』

勝ち誇ったように笑う日野。町を包んだ緑色の泡のように見える空間は、少しずつ周囲へ広がっている。SGM専用車でナミオカ市へ急行する途中警報音が鳴り、SGMと鏡京太郎は前方に止まっている車が、静止したまま動かないでいるのを目撃する。
『チーフ、時計の針が少し遅くなっています』

前方にみえる緑色の空間の影響が、車の直前に迫っていた。車を降りた京太郎は、村上チーフの制止を振り切ってその緑の空間の近くへ行ってみると、そこには日野とインベーダーがいた。

京太郎は顔見知りの日野に言う。
『インベーダーに、魂を売ったのか!』
日野は反論した。
『俺の才能を認めない御手洗を、俺は見返してやったんだ!』

その頃、巨大な宇宙船が地球を目指して飛んでくることを、SGMはキャッチしていた。インベーダーは、ナミオカ市を地球侵略基地にするつもりなのか。ナミオカ市を包んでいる緑色の壁は広がり続け、あと2時間後には東京もその範囲に入ってしまうことが計算で判った。
『先生、あの緑色の壁を突破する方法は無いんですか?』

『あの壁を突破するにも脱出するにも、光以上のスピードが必要なんだ』
御手洗博士のこの発言に、この危機を救えるのは自分しかいないことを、京太郎は悟る。ミラーマンとなって光速で突破すれば、あの中へ入れるだろう。

だが死ぬかもしれない。しかし・・・僕はやる。京太郎は決意する。するとインベーダーが京太郎を狙ってきた。逆襲してインベーダーをアジトに追い詰めると、そこに日野も潜伏していた。インベーダーは計画通りに事が進むと、用済みになった日野の首に薬を打って殺しにかかった。

京太郎が日野のもとへ駆け寄った時、すでに日野は意識がもうろうとしていた。日野は懺悔した。
『奴らの科学力で、俺は重力マシンを、造りたかった、んだ。あそこへ行けるのは、インベーダーと、光だけだ・・・』

『光・・・』
もう時間が無い。京太郎は覚悟してミラーマンに変身した。ナミオカ市を包む緑色の壁を光速で突破すると、重力マシンにミラーナイフ、スライサーVと撃つが、跳ね返されてしまう。

中から破壊するしかない。光速で重力マシンの中へ突入すると、そこには3人の、初めて見るインベーダーの実体がいた。人間や怪獣に変身して地球を狙うインベーダーの実体は、全身が黒い胴体で、頭にはヒレが付き、顔には鼻も口も無く、ゴーグルのような形の目玉無き目をもった不気味な姿であった。

三人に囲まれて攻撃を受け、窮地に陥るミラーマン。この空間に長くとどまるのは危険だ、ミラーマン。早く脱出するのだ。三人攻撃を一人ずつに分断し、ミラーナイフとスライサーV、スライサーHでとどめを刺した。

ミラーナイフを重力マシンの内側から撃ち込んでミラーマンは脱出すると、重力マシンは大爆発を起した。緑色の壁は消え、巨大宇宙船は諦めたように進行方向を変えた。ここに地球の危機は去った。  (終わり)


★★★★★★★★★★★★
今回は直接ストーリーに関わりが無いので省いたが、SGMの元隊員・日野と女性隊員・野村とのロマンスが織り込まれている。一年前にSGMを辞めて消息不明だった日野は、野村隊員と恋仲であったという設定。御手洗博士に認めてもらえなかった才能をインベーダーに認められて、悪用されることを薄々知りながらも、恋人よりも自分の夢の実現を優先した。

結果、利用されて殺害されてしまうという話だ。ウルトラセブン第29話『ひとりぼっちの地球人』を思い出す。ソガ隊員とそのフィアンセが発端となって展開する話で、城南大学の天才科学者・一之宮が、丹羽教授に化けたプロテ星人に、優秀な才能を悪用されてしまうという話に似ている。

信頼できる、良い宇宙人だと思いこんでいた(騙されていたわけだ)が、悪用されたことを知り、地球を守るために教授と共に命を絶つ一之宮と違い、悪事に利用されることは解っていながらも自分の欲望を優先した日野は、人間的には許せない人物だ。あわれなその男を想っているような野村隊員の悲しそうな横顔のアップで、番組は終わる。


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