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帰ってきたウルトラマン(8) ~ウルトラマンという永遠のヒーローを演じられて誇りに思ってます [帰ってきたウルトラマンこぼれ話1]

帰ってきたウルトラマンの主役、郷秀樹役の団次郎(現・団時朗)氏のインタビューをお届けする。何度も言う通り、ウルトラマンがまた始まるという記事を見て、子供心にどんなにか胸躍らせたことか。

当時は夕方から放送していた『ウルトラファイト』を見て、ウルトラマン番組の無い淋しさをなんとか満足させていたのだろうと思う。新マンには、宇宙人よりも怪獣の登場が多い。やはり子供的には、宇宙人よりも怪獣のほうが好きなのかもしれない。

視聴率的に今ひとつ良くなかったウルトラセブンの原因は、怪獣の出現が少なかったという分析もあるほどだ。原点に立ち返るという新マンの構想は、第1話を見てもよくわかる。怪獣が3匹も出現するという大サービスは、監督以下、スタッフの力の入れようがわかるというものである。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
司会;
「帰ってきたウルトラマンに出演することになったのは?」

団氏;
「一番最初は『変身もののシリーズが始まるらしいが、その中の隊員役でもやってみるか?』程度の話だったと思うんですよ。その後、事務所サイドで話が進んでいったのではないでしょうか。気が付いたら、郷秀樹=ウルトラマン役に決まっていたという感じです」

司会;
「以前の作品はご覧になっていましたか?」

団氏;
「多少は見てました。実写版の変身ものって好きだし、興味をもっていましたから、やりがいはあるなと思いました。変身ものでもアニメは苦手なんです」

司会;
「実際に撮影が始まって、いかがでしたか?」

団氏;
「役が決まってからはドタバタと撮影が始まっちゃいましたから、深く考えてる時間は無かったですね。撮影が始まってみると、スタッフの真剣さ、一所懸命さに感動しました。何日も徹夜しながら手作りで番組を作ってるんですからね。僕達役者よりもスタッフの方が、何十倍も苦労してたと思いますよ。

エネルギーに満ち満ちた作品でしたね。改めて歴史のある番組の主役に選ばれたんだなという実感も、湧いてきました」

司会;
「ウルトラマンのイメージは?」

団氏;
「僕のやったウルトラマンは、人間味のあるヒーローでしたよね。他のヒーロー達と違い、自分の意志だけでは変身できないという大きな基本テーマがありましたから。まぁ、途中からはウルトラマンも精神的に成長したのか、割と簡単に変身できるようになりましたけど。

ともかく、子供たちに『努力しよう、あきらめずに限界まで頑張ろう、そうしたら何かが生まれるかもしれないぞ』と発信しようとしていたんですよね。それを伝えるために、郷秀樹は爆破の中を走り回ったり、危険なところに突っ込んでいったりと、いわゆる自殺行為に近い行為をこなした上で変身しなきゃいけない・・・」

司会;
「郷秀樹は危険を省みずという感じですから、撮影も結構大変でしたか?」

団氏;
「弾着玉を使える砂地とか、生田撮影所の奥の方とか、ほとんど人のいないところで撮影してましたね。当時は家が遠かったので、家と現場との往復で一日が終わってましたね。

爆破シーンでは、弾着玉がなかなか爆発しないなんてこともよくありましたよ。『おかしいなぁ、もう爆発してもいい頃なのに』なんて思いながら走ったりして」

司会;
「怖くなかったですか?」

団氏;
「やっぱり、怖かったですよ。至近距離で爆発するので危ないですから、リハーサルで何度も手順を確認してから本番を撮るんですけどね」

司会;
「全部ご自分で演じられていたんですか?」

団氏;
「僕らが実際に演じるのは、計算された弾着玉の間を走り抜けるくらいで、危険なシーンはスタントマンさんがやってました。あと苦労話ではありませんが、オンエアが始まるまでの2~3か月間は隊員の制服姿でロケ撮影したり、食事休憩に外出したりすると、物珍しそうな目で見られたりして、ちょっと恥ずかしかったですね」

司会;
「隊員服の着心地などは、どうですか?」

団氏;
「皆さんの夢を壊すことになるかもしれませんが、あの隊員服はデザイン重視で、実際にはそれほど機能的じゃないんですよ。それに夏は暑いし、冬は寒いんですよ。だから休憩中は、夏は上着を脱いでTシャツだし、冬は上着の上に何か羽織ってましたね」

司会;
「撮影中の思い出など、ありましたら・・・」

団氏;
「雪山に行った回に、遭難しそうになったなんてことがありましたね。蔵王のほうだったか、突然吹雪いてきちゃったんですよ。隊員たちは若いし体力もあるので、まだ良かったんですけど、筧(かけい)監督なんて、もうボロボロって感じでしたよ。

山好きのコーディネーターがアシストして撮影してたんですが、プロ中のプロってわけじゃないですからね。機材もたくさんあって、スタッフもある程度散らばって撮影するわけですから、吹雪いたりすると混乱しちゃうんですね。何事もなく全員戻ってこられたからよかったですけど。

冨田監督のシーモンス・シーゴラスの回に、何度もリテイク(撮り直し)になって苦労した覚えがありますね。芝居が云々ということではなく、背景のスケールがイメージと異なっていたみたいで。

後からその背景に怪獣を合成するわけじゃないですか。その時の砂煙の上がり方とかが引っかかっていらしたみたいなんですが・・・」

司会;
「印象に残った作品や怪獣は・・・」

団氏;
「一番最初の作品、タッコングの回がやはり印象に残ってます。というのは、こういう作品はアフレコをしますよね。通常は人間だけが出ている本編部分だけを見ながらするんですが、第1~2話は、合成済みのものを観ながらアフレコしたんですよ。

こんな感じに仕上がるんだということを、出演者にもわかるようにとのスタッフのご好意だったんじゃないかと思います。それで『スゴイ特撮だなぁ』って驚いた覚えがあります。それとタッコングは斬新なデザインが印象的でしたね。

アフレコは、その後は本編部分だけを観ながらだけになりました。他には、ツインテールが頭と身体が逆になってるのが面白かったし、岸田(森)さんの書いた脚本が印象的ですね」

司会;
「光怪獣プリズマですね」

団氏;
「シュールなところがあって、いろんな問題提起をされた作品でしたよね。ヤメタランスは面白い名前だなぁと思ったし、ゼットンはかなりの強敵でしたし・・・。中でも従来のパターンに当てはまらない作品で、東條昭平さんが撮った『怪獣使いと少年』は、不思議な作品でしたよね。

隊員が僕以外ひとりも登場しなくて、隊長が托鉢僧だったり・・・。ああいう作風、結構好きですよ。そういえば当時、みんなの間で、『この回俺たち出てないけど、ギャラはどうなるんだろ?』なんて話も(笑)。

沢村(忠)さんとキックボクシングをしたのもいい思い出だし、最終回の『ウルトラ五つの誓い』も心に残る作品になりました。それから川口秀樹少年は、すごく良い子でしたね。大人に混じって子供一人だったからたいへんだったろうけど、のみ込みの早い子だなぁという印象が残ってます」

司会;
「共演の皆さんやスタッフの方々とのお付き合いなどは・・・」

団氏;
「プライベートでは、西田健さんですね。仕事ではあまりご一緒しないんですが、電話したり飲みに行ったりはしますよ。彼とは、撮影当時から仲良くしてもらってます」

司会;
「団さんにとって、帰ってきたウルトラマンとは?」

団氏;
「当時は演じることで精一杯で、あっという間に時間が過ぎていきました。私は自分の演じた作品は見ない様にしているんです。それは細かい部分が気になってしまうたちなものですから。

でも、『帰ってきたウルトラマン、見てました』なんて言われると、やっぱりすごくうれしいですよ。本当にありがたい作品であり、思い出に残った作品ですね。日本が誇る永遠のヒーロー・ウルトラマンを演じられて、私も誇りに思っています」


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
今では、ウルトラマンジャックの名がちびっこ達の間では、浸透しているのだろうか。どうしても、おじさんは新マンの方がしっくりいくなぁ~。

ちなみに、ジャックはアメリカではとてもポピュラーな名前だそうである。日本で言えば太郎! そう、ウルトラマンTはウルトラマンJになるはずだったらしい。だが、ハイジャック事件が起きて、ジャックつながりで没になったとか、ホント?



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