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レインボーマン(2) ~ゴッドイグアナは演じた魔女や女王のイロハのイ [レインボーマンこぼれ話1]

曽我町子氏はプロ意識が高く、いつも仕事に取り組む姿勢は誰よりも厳しい方だったというだけあって、仕事に関するエピソードは面白いものが多い。

(前回からのつづき)
司会;
「共演者の方がたとのエピソードがありましたら・・・」

曽我氏;
「与えられた役をばっちりこなそうと意気込んでいたから、誰かの印象とかはあまり残ってないのよ(微笑)。それにね、他の人達と絡むことがホントに無かったんですよ。レインボーマンとの絡みは多いんだけど。ただ平田(昭彦)さんがいい人でね。ゴッドイグアナがバーッと老婆になるシーンがあるでしょう。

あの老婆のメイクすると、気が滅入るのね。ホントに老人になっちゃったような気分になって、普段のしゃべり方までボソボソと。もう、メイクによってキャラクターが変わっちゃうから(笑)。で、スタジオの隅でショボくれてた感じだったから、平田さんが気を遣ってくれたみたいでね、一所懸命しゃべって下さるの。

どっちかっていうと私が一方的にしゃべるタイプで、平田さんは無口な方なんだけどね。だからそれがすごく印象に残ってる」

司会;
曽我さんは独特なキャラクターを多数演じていらっしゃいますが、他に印象的なキャラクターや撮影中のエピソードがございましたら・・・」

曽我氏;
「時空戦士スピルバン(86年)の女王パンドラかな。私はどんな役の時もそうなんだけど、一番最初が肝心だから、『この線』ってきめちゃって、途中からキャラクターをあんまり変えないタイプなんです。人の意見は聞くけども、人に言われてコロコロ変えていたら、観てる方も大変でしょ?だから変えるにしても、徐々に変えていくとかね。

ただパンドラの時。近所の子供たちがね、けっこう観ててくれててね。それまでは私が歩いて道で会うと、『うわぁ~、へドリアン女王だ、逃げろ~!』とか言って、クモの子散らすように逃げていったのね。それが『わ~、パンドラ。今度は怖くないぞ!』って言うの。『何で?』って聞いたら、『だって笑ってるもん』って。

それで私は、『あなた達ね、笑って悪いことするのが、一番怖いんだよ』って。でも子供にはわからなかったのね。どんなに凄んだ目をして演っても、普通に『笑ってる』って受け止めちゃうのね。それに気づいて、これじゃいけないなと笑い方を研究してね。途中で変えないというポリシーを曲げて、徐々に変えていったの。

だからパンドラは、最初は貴婦人風に『オホホホ』といって感じの笑いだったんだけど、途中から『ゥアハハハハ!』という出るような感じの笑いにして行ってね。それからは段々子供たちの反応も変わってきたんだけど、『笑い』というのは難しい、怖いものだなと思いました。

あと飯塚昭三さん(デスゼロウ将軍の声)との掛け合い。飯塚さんと組むようになって、好きなようにアドリブ入れようヨって。テストでウケたら本番にも活かしていこうって。本当はぶっつけ本番でやった方が面白いんだけど、いきなりやっちゃうと他の人達が面喰らっちゃうからってことで。最初は、アドリブぶつけてくれたら私がノルから、飯塚さんよろしくねってことで始めたの。

そしたらお互いノっちゃったのよ(微笑)。先手を取ろうと張り切っちゃってね(笑)、どんどん息が合ってきて面白かったわよ~。あとへドリアン女王の時は、ベーダー側の役者にまとまりがあってよかったわ。まとまるように自分で仕切っていたということもあるんだけど、ミラー(美川利恵)ちゃん、ケラー(湖条千秋)ちゃんの相談にのったりしてたし。

ミラーちゃんはネコ抱えてうちに遊びに来るしね。でもそのあとの『太陽戦隊サンバルカン(81年)』になると、女の子が5人になっちゃったもんだからもう大変で(苦笑)。相談事が2倍以上でしょう、単純にいえば。だから途中から入ってきた賀川雪絵(アマゾンキラー)ちゃんに『この子たち仕切って、お願い』って任せちゃって。そしたら、『あんた達!』なんて、アネゴ肌でまとめてくれたから助かっちゃったの(笑)」

司会;
「曽我さんにとって、ゴッドイグアナ役はどのような存在ですか?」

曽我氏;
「そうね、ゴッドイグアナは・・・私が演じてきた魔女とか女王といったキャラクター達のいろはのいの字なのね、のちの『5年3組魔法組(76年)』の魔女ベルバラ、ヘドリアン女王、女王パンドラ、魔女バンドーラへとつながっていく。それにさっき(前回)話したけど、役者としての壁を乗り越えるきっかけになったキャラクターでもある訳だから」

(終わり)


★★★★★★★★★★★★

ゴッドイグアナの娘・イグアナ役の塩沢とき氏が再登場を断った理由を、『老婆のメイクをすると気が滅入ってしまうので、あのメイクはもうしたくないから』という風に何かで聞いた記憶がある。曽我町子氏も同様のことを述べていることからも、あの役になりきることの大変さがうかがえる。

レインボーマンは、当時子供番組でありながらも有名俳優陣をキャストに迎えて、あとあと名が残る番組になったことは、たいへんうれしいことである。それにしても、このおふたりとも若くして鬼籍に入ってしまわれたことは、まことに残念である。



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