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帰ってきたウルトラマン(7) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/タッコングの巻 [新マン座談会・1]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、司会の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第四弾はツインテールと同様に数ある怪獣の中でもシルエットが珍しいタッコングのエピソード、第2話『タッゴング大逆襲』です。

◆MATに入隊した郷秀樹は、ウルトラマンの超能力を過信して勝手な行動をとり、怪獣を逃がしてしまう。坂田自動車工場にさえも居場所がなくなった郷は、やがて自分が全力を尽くした時に初めてウルトラマンになれることを悟る。再び石油コンビナートにタッコングが現れると、郷は全力で立ち向かっていった・・・

脚本;上原正三
監督;本多猪四郎
特殊技術;高野宏一


★★★★★★★★★★★★

司会;
「第二話のセットも派手で、劇場映画並みのスケールですね」
きくち氏;
「これは東宝の広い第一ステージ一杯に港を作って、やりました。第一話と第二話は同時に撮ってますんで、ぼくはウルトラマンと、ザザーンにも入ってたんですが、特撮の合間にすごいことがありましてね。

タッコングに入っている遠矢とプールに入って出番待ちをしていたら、照明のコードがプールの中に垂れていて電気が流れてたんです。もちろんふたりとも感電して、シビレちゃったんですよ。でもスタッフには、ぼくらがふざけて踊りを踊ってるように見えたらしいんです」

司会;
「それは、面白い(笑)」

きくち氏;
「『何ふざけてんだよ』って言って、助けてくれない。スーツの中から『助けてくれーッ』て必死に叫んで、やっと出してもらって。もう少し遅れてたら、ふたりともあの世行きでしたね」

司会;
「命がけの撮影だったんですね」

きくち氏;
「そうなんです」

司会;
「スペシウム光線の出し方が、少し変わりましたよね」

きくち氏;
「初代はすこし猫背でしゃがんでたのを、ぼくは手の構えを大きくして、背筋を伸ばしたんです」

司会;
「正直、ボクはこっちの方がカッコいいと思ってましたよ(笑)」

きくち氏;
「ありがとうございます(笑)」

司会;
「ウルトラマンが最後に飛んで帰っていく所は、どうやって撮ってるんですか?」

きくち氏;
「これがイヤでね。小さな板の上にぼくが乗って、6人で下から押し上げるんですが、タイミングがなかなか合わないんで難しいんですよ。何度落っこちたかなぁ。周りにトタン板の山がある所でやってましたから、一歩間違えば大怪我という状況だったんです」

司会;
「さっきのは、ちょっと左に傾きましたね(笑)。ただジャンプするのとは違うんですねぇ」

きくち氏;
「そうなんです。もう初代ウルトラマンの頃からずっとやってましたから、円谷プロだけの伝統ですよね。一度、上からロープでぶら下がって降りてくるのを逆回しで撮ったんですが、1回やったきりで不採用でした。あまりよくなかったんでしょうね。ウルトラマンの飛行シーンは、伝統芸能の世界なんです」


◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆

タッコングは姿が丸いんで、水が入ると重いんですよ。水から出てくると伸び切っちゃって、背中の部分にボクの頭の形が出ちゃうんです。形もだんだん変わってくるし、この怪獣は他の怪獣に比べて、安定が悪かったです。


★★★★★★★★★★★★
タッコングとかツインテールとか、新マンにはこれは素晴らしい(珍しい)形をしているなぁと思う怪獣がいる。池谷仙克(いけやのりよし)氏の作品だ。ウルトラセブンの途中で円谷プロを去った成田亨氏のあとを継いだ男、成田亨の後継者である。

ダリーから池谷氏が描いてるが、ダリーも宇宙細菌という今までに無かった怪獣であり、秀作だと思う。池谷氏は四足怪獣について、人間が入ると後足が前足より長くなるという点に考慮して、デザインに工夫を凝らしている。ちょっとしたことだが、こういった点が円谷作品を優れた物にしているのだろう。




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